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日本とアメリカの小さな差、見っけ!

最近の私のアメリカ生活において、利用頻度が増えたのがエレベーター。そこで改めて見つけてしまいました、日本とアメリカの小さな差!
そう、日本人の私には心もとない数秒間の存在を。
何のことかというとですね…

例えば、私が乗り込んだエレベーターに先客がいた場合。まずは私の姿を見て「Which floor?(何階?)」と聞いてくれるアメリカ人のみなさま。基本、超フレンドリーなアメリカ人なので、これはあたりまえ。行先階を言ってボタンを押してもらいます。そして次に起こることは… 

チーーーーーーーーーン

という数秒間の沈黙。何が起こっているのか分かりますか?
これは、エレベーターにある「閉」ボタンが押されずに、自然にドアが閉まり始めるまでの時間と空間です。アメリカでは「閉」ボタンは、「Close」とか「▷◁」のように示されていますが用途は同じ。でも、私が経験する限りでは、アメリカ人のみなさんはこの「▷◁」をとにかく押さない!これは乗り合わせた人の有無に関係なく。
日系二世のうちの旦那さんでさえ、私とふたりで乗ったエレベーターで行先階のみを押して

チーーーーーーーーーン

となりますからね。
彼は何も感じていないようですが、この数秒間の妙な間が気になってしかたながいのが私です。時には、耐え切れず、わざわざ「▷◁」に手を伸ばすことも。一度「何で「▷◁」を押さないの?」と聞いたことがありますが、聞かれたことを特に不思議がる様子もなく「まだ乗って来る人がいるかもしれないしね」とのことでした。むしろ、ほんの数秒間を急ぎたがる私の意図の方が意味分からん風でしたっけ。

つまり、アメリカのエレベーターは、行先階は押すものの、あとは身を任せるスタイルとお見受けします。
それと比べると日本のエレベーターは、自然とボタン担当が存在する印象があります。私は、日本にいる頃はむしろこのボタン担当を買って出る方でしたね。お年寄りや小さなお子さん連れの人と比べたら、身軽な自分は適役かな、なんて勝手に思っていたような。必要に応じてみんなの行先階を押し、止まるたびに開閉を操作、挙句の果てには自分が下りる間際には、後ろ手に「閉」のボタンを押したりなんかして。今から思うと、何でそこまで?って感じもしますが、まさにチーーーーーーーーーンの「チッ」すら無駄にはすまいとしていた自分。今となっては、それはそれでおかしなものですけどね。
もちろん、どちらが正しいということは全くありませんが、エレベーターひとつでも随分と違うものだなぁなんて思う今日この頃なわけです。

でも、この違い、もちろん国民性もあるのでしょうが、エレベーターの生活への浸透度も大いに関係しているようにも思います。基本的に、狭い日本はお店にしてもビルにしても、どうしても上下に伸びがちなのに対して、広大なアメリカ、カリフォルニアでは建物は迷わず横に伸びがち。スーパーマーケットはほぼ平屋タイプだし、私たちの生活圏内で二階以上がある建物といって思いつくのは、ショッピングモール(2階建てなので、主に使われるのはエスカレーターですが)と、不自然なほどにそびえたつカジノ付きリゾートホテルくらいかな。ちなみに私が最近エレベーターをよく使っているのは病院施設です。
とにかく、日常生活においてエレベーターを利用すること自体が少ないアメリカ人にとっては、チーーーーーーーーーンの数秒間など、気にすらならないということで、むしろ居合わせた人と軽く会話を交わす方が自然な行動といった様子です。

そうそう、エレベーターといえば、私には日本での忘れら難い経験がひとつ。当時、仕事で毎日のように利用していた包装用品、事務用品、イベント関連商品などの専門店でのことでした。いつ行っても店内はお客さんでいっぱいで、小さ目のエレベーターも当然のことながら満員状態が常。いつものように満員のエレベーターで率先してボタン係を担当していた私。あるフロアで、乗り降りするお客さんのために一度エレベーターの外に出たんですよ。下りるお客さんを交わして、エレベーターに戻ろうとすると、なんと私の目の前でエレベーターがスーーーーッと閉まっていくではありませんか。
え?
うそでしょ?
なんでーーー?
という私の心の叫びには気づいてもらえず、無情にも目の前で閉まっていったエレベーターの扉。あの光景と衝撃は未だに忘れられないものがあります。
当時も今も、笑い話ですけどね。

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