「幸せとは魂の次元で到達するもの」(バート・ヘリンガー著、谷口起代訳『いのちの営み、ありのままに認めて』を読んで)
訳者が述べているように、ここでの<いのち>とは、いわゆる個人としての「自己」のことではない。「自己」の背後にある、「私たちが抗うことのできない大きな力」、「すべての固有の生命の源」、それを<いのち>と呼んでいる。
本書で語られるのは、その<いのち>の営み、つまり「魂の秩序」についてである。それはふだん、常識や道徳といった「社会の秩序」に覆い隠されているが、にもかかわらず、私たちの人生に決定的な影響を及ぼしている。
「社会の秩序」の中では理不尽としか思えない出来事も、「魂の