朝比奈まり子

二人の男の子を育てたお母さんです。大学時代から、素敵なおばあちゃん先生に草月流のお花を…

朝比奈まり子

二人の男の子を育てたお母さんです。大学時代から、素敵なおばあちゃん先生に草月流のお花を習い、師範取得。結婚後に、シカゴのAmerican Floral schoolで、diplomaを取得しました。現在は東京在住。非常勤でお勤めしながら、愛らしいモノ作りしています。

最近の記事

  • 固定された記事

二人だけの結婚

コロナで変わっていく新しいウェディングのカタチ 長男が入籍をして、記念写真が届きました。 ふたりが出会った思い出深い町と、その目の前に広がる美しい海で撮られた写真で、 どれもとても素敵でした。 果てしなく広がる穏やかな海が、一緒に歩き始めたばかりのふたりを、ゆったりと見守ってくれているようで、胸が熱くなりました。 ふたりの幸せを心から祈っています。 残念ながらアップ写真は載せられませんが、一枚一枚から、二人の幸せな笑顔がこぼれ落ちてきて、温かさが伝わってくるような

    • 徳仁親王『テムズとともに ー 英国の二年間ー』

      これは、令和天皇が、プリンス・ヒロ、またはただのヒロとして、1983年から約2年間を過ごされたオックスフォード大学での珠玉の日々の記録の書です。 多感な二十代の若者が、単身で異国の地で暮らし始めるとしたら、誰だってきっと不安と期待でドキドキのことであろう。 それが、ただの若者ではなく、普段は自由に外にでられない親王なのだから、それが想像を越えた特別な時だったであろうことは、想像に難くない。 マートンカレッジでの日常生活や、友人達との語らい、十八世紀当時のテムズ川水運の実態

      • 映画『桜のような僕の恋人』を観て

        「彼女はキレイだった」の中島健人と、「恋は雨上がりのように」の松本穂香の主演作品。原作は、宇山佳佑。 主人公・はるとは、無料クーポン券に釣られて入った美容室で、みさきと出会い、彼女のお客さま第一号となった。 毎月カットでご指名しては高鳴る胸。やっとの思いでデートに誘おうと振り向いた瞬間、はるとの耳にみはるのはさみが! この耳の大出血事件がきっかけで、ふたりは満開の桜の元で初デートすることとなる。 めでたしめでたしとなる筈だったが、 出会ったときに写真家だと言ったけど、実は

        • 映画『ドライブ・マイ・カー』

          短編小説『ドライブ・マイ・カー』をベースとして、あれこれふくらませて作られた長編映画。 主演は西島秀俊。ほかに、三浦透子、霧島れいからが共演する。 脚本家の妻を突然亡くした舞台俳優の家福。 二年経っても、妻の死を消化しきれずにいる彼は、演出を任された演劇祭に愛車で向かった広島で、専属ドライバーの渡利みさきに出会った。 寡黙な彼女が滑らかに運転する愛車での時間の中で、家福は、今まで鬱々としながらもそのままにしていた、妻の残した過去の秘密に正面から向き合おうとしていく。 主人

        • 固定された記事

        二人だけの結婚

          短編小説『ドライブ・マイ・カー』

          短編集『女のいない男たち』を意識して、一作目に書かれた短編小説。 つまり、いろんな事情で女性に去られてしまった男たち、あるいは去られようとしている男たちの話のヒトツということだ。 主人公は、車にも運転にも運転士にも、一家言ある中堅俳優・家福。いつもは自分で運転していたが、事情があって運転士が必要となった。 緊張感の伝わってくる女性の運転が苦手な家福だったが、こだわりのある彼にすら、シフトチェンジが分からないほど巧みな運転技術を持つ、偏屈で無愛想な女性運転士・渡利みさきが

          短編小説『ドライブ・マイ・カー』

          川上未映子『夏物語』

          主人公夏子は大阪の下町生まれ。 小さい頃の夜逃げに始まり、早くに母を亡くしてからは、歳をごまかして工場で働いたり、知り合いのスナックの厨房で働かせてもらったり、姉とふたり肩寄せ合って活きてきた。 苦労てんこもりのはずなのに、姉や姪とのこてこての(?)大阪弁でのやりとりには、苦労を感じるどころか、小気味良いパワーを感じてしまった。 実に逞しい。 そして、小さな描写や台詞まわしの巧みさに、筆者のウデを感じた。 小説家目指して上京した夏子だが、短編集を一発当てたものの、それ以来先

          川上未映子『夏物語』

          村上春樹『騎士団長殺し』

          久方ぶりの村上春樹の長編は、とにかく読み易くて、いつの間にか摩訶不思議な村上ワールドに引き込まれてしまっていたようだ。 主人公は、妻との別居を機に彷徨い、親友の父の留守宅に暫く暮らすことになった36歳の肖像画家。 そこは、巨匠と言われる画家・雨田具 彦が、晩年絵を描くことに没頭して過ごした、海に臨む薄暗い森の山荘である。 ある日、上のほうから聞こえてくる物音が気になって、屋根裏を覗きにいった主人公・私が見つけたのは、ミミズクと、きちんと和紙で包装された『騎士団長殺し』とい

          村上春樹『騎士団長殺し』

          大熊由紀子著、『 誇り・味方・居場所ー私の社会保証論』を読んで

          半世紀以上に渡る福祉医療ジャーナリスト生活の中で、伝統的な社会保障学とは一線を画する手法と活動を実践してきた著者が送る珠玉の提言の数々です。 思わず一気読みしてしまいました。 ジャーナリストとしての最初の仕事は、2000年には、100万人になると言われていた寝たきり老人問題に取り組み、 「寝たきり老人」は、「寝かせきりにされた犠牲者」だった、と、発見したことだったそうてす。 なんとか、問題解決の糸口を見つけようと、高齢化の進んだ北欧、西欧の国々を訪ねたところ、日本なら

          大熊由紀子著、『 誇り・味方・居場所ー私の社会保証論』を読んで

          初めてのメルカリ

          皆さんは、メルカリを使ったことがありますか? 家に物があふれているし、以前から売ってみたいと思ってはいたのですが・・・ やり方がよくわからないし、 いつかそのうちに!と思ってるうち、 日にちばかりが過ぎてしまいました。 でも、我が家で日の目を見ないものが、どこかでお役に立てるなんて素敵ですよね。 だから、思い腰をあげて、 噂ではよく聞いていたメルカリに初挑戦してみました。 1、まずは、メルカリをダウンロード。 2、そして簡単な登録。 このツーステップで、す

          初めてのメルカリ

          宮崎駿さんオススメの『真夜中のパーティー』を読んで

          これは、ケンブリッジ大学卒業のイギリス人作家、フィリパ・ピアスによる8つの物語を集めた短編集です。 ケンブリッジ州のグレート・シェルフォードで生まれ育ち、成人してからしばらく離れていたものの、永住の地としてまたこの地に戻ってきたピアス。 ピアスは、自分の熟知しているその辺りの土地と自然を背景に、ごく平凡な子どもたちの日常を淡々と語っています。 子どもたちの些細なやりとりやことばの駆け引き、大人との関わり方等を、実に抑制のきいた言葉で表すことで、ごく当たり前の日常の繰り返

          宮崎駿さんオススメの『真夜中のパーティー』を読んで

          宮崎駿の『本へのとびら』を読んで

          この本の第一部では、アニメーション界のトップランナーとして世界的に注目される宮崎駿が、長年親しんできた岩波少年文庫の中からお薦めの50冊を紹介しています。 これはもともと、スタジオジブリで、非売品として作成された小冊子『岩波少年文庫の50冊』(選・宮崎駿)だったそうで、おそらく評判がよいので、本になったのでしょう。 第二部では、駿さん自身の読書や、選んだ本のこと等について、そして、今の世界に対する憂いについて、インタビューを元に書かれています。 どうやら、この本達は、駿

          宮崎駿の『本へのとびら』を読んで

          『ホリエモンの宇宙論』を読んで

          ホリエモンと言うと、お金持ちの実業家で、政治にも顔をだし、あれこれニュースを賑わせていた、どちらかというとマスコミ的なイメージが強く、この本も軽いタッチの物と思い込んでいました。 そもそもこの表紙ですから。 むしろホリエモンと宇宙はどう繋がるんだろう? 今お金持ちにブームの宇宙旅行の話なのかな!? ぐらいの気持ちで読み始めたのです。 ところがビックリ。この本ビックリするほど面白くて、一気に読んでしまいました。 ホリエモンが、想像を越えた宇宙好きみたいで、宇宙の歴史

          『ホリエモンの宇宙論』を読んで

          清水真砂子さんオススメの『まぼろしの小さい犬』を読んで

          ロンドンで7人家族で暮らすベンの夢は犬を飼うこと。おじいさんとの約束で、誕生日に犬をもらうことを楽しみにしていましたが、その日に届いたのは、本物の犬ではなくて刺繍の絵の犬でした。失望したベンは、やがて想像の中で、刺繍にあったような小さな犬を飼い始めます。いつだって目を閉じれば、チキチトと名付けられた小さくて勇敢な茶色い犬が姿を表します。その機敏な動きが誇らしく、ベンは夢中になっていきました。 そしてとうとう、犬を思い描きながら目を閉じたまま道路に飛び出したベンは、交通事故で

          清水真砂子さんオススメの『まぼろしの小さい犬』を読んで

          清水真砂子さんオススメの『秘密の花園』を読んで

          『小公子』『小公女』の作者、フランシス・ホジソン・バーネットによって書かれた童話です。 子どもの頃、この本を読んだときには、百ぐらい部屋のある古いお屋敷や、そこで隠されて暮らしている癇癪もちの少年、誰も知らない秘密の花園、小鳥や動物と話をする天使のような男の子等の謎めいた魅力に引き込まれ、時を忘れて読みふけったことを覚えています。 成長するにつれ、話の内容はおぼろげになってしまいましたが、とにかく面白いお話として、頭の中にずっとインプットされていたのです。 ですから、久方ぶ

          清水真砂子さんオススメの『秘密の花園』を読んで

          清水真砂子さんオススメの『百まいのドレス』を読んで

           1944年に、エレナー・エスティスというアメリカ人作家が書いた子ども向けストーリーで、『ノンちゃん雲に乗る』シリーズの石井桃子さんが改訳しています。 この物語は、『百まいのドレス』を持っていると言い張る、ワンダという貧しいポーランド移民の女の子をめぐる実に奥の深いお話です。 ごく普通の優しい女の子たちが、その言葉をきっかけに、その子のことをからかい始め、それが毎日続くことによって、今度は、みんなでいじめているとわかっているのに、何も言えないでいる自分のことを責めて悩み始

          清水真砂子さんオススメの『百まいのドレス』を読んで

          清水真砂子『子どもの本のもつ力』を読んで

          『ゲド戦記』全6巻の翻訳家でもある、児童文学者・清水真砂子さんの『子どもの本のもつ力』を読んでみました。 清水さんの選んだ60冊の子どもの本ということで、 「どんな本に出会えるのだろうか」 と、期待を寄せていましたが、この本にはそれ以上のものが、つまっていました。 清水さんはこう言うのです。 「子どもの本」というと、多くの人が 反射的に「かわいい」と、いうけれど、その「かわいい」子どもの中に、 自分の考えを主張したり、大人の言うことをきかない子どもは想定されているでしょ

          清水真砂子『子どもの本のもつ力』を読んで