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これまでのSF映画のいいとこ取りをしたような既視感はあるけど興奮と感動は間違いなかった『アダム&アダム』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:20/98
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:☆☆☆☆☆(配信で鑑賞)

【作品情報】

   原題:The Adam Project
  製作年:2022年
  製作国:アメリカ
   配信:Netflix
 上映時間:106分
 ジャンル:SF、アクション、アドベンチャー
元ネタなど:なし

【あらすじ】

科学技術が発達した2050年。戦闘機パイロットのアダム・リード(ライアン・レイノルズ)は、あることをきっかけに、「タイムトラベル技術の発明を阻止し、未来の世界を救う」というミッションに挑むことになる。

すべての鍵を握る2018年の世界に向かうアダムだったが、アクシデントに見舞われ、到着したのは2022年の世界だった。そこでアダムは、いじめられっ子だが生意気盛りだった12歳の自分(ウォーカー・スコーベル)に出会う。

大人と少年の2人のアダムは、かみ合わないながらも時空を超えた冒険を繰り広げ、その中で次第に絆を育んでいく。

【感想】

宇宙に、タイムトラベルに、ド派手なバトルに、笑いに、涙にと、個人的には大好きな映画でした。なんで映画館でやらないんだろうって不思議なぐらいです。

<ベタをきちんと作り上げる>

正直、既視感はメチャクチャ強いんですよ。『ターミネーター』シリーズや『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを始めとした、往年のSF映画の要素を余すことなく取り入れていますから。なので、目新しさというのはほとんどないですし、人によっては「またこの手の映画か」と食傷気味になるのもうなずけます。

でもね、やっぱり面白いんですよ、こういうの。もちろん個人的な好みも大きく影響していますけど、こういうベタをベタとしてきちんと作り上げられるのはすごいと思いました。タイムトラベルによって引き起こされた過去の自分との出会い。そのおかげで少年時代の自分に伝えられる後悔。亡くなった父との再会。こういう夢のある設定は引き込まれますね。その中に、スリリングなアクションや大迫力の映像など、外さない要素をこれでもかと詰め込んでくる上に、いい具合の笑いと涙で仕立て上げてるんですよ。何気ないセリフのやり取りの中に笑いの要素を散りばめたかと思えば、終盤の父親(マーク・ラファロ)との会話は涙なしには観れませんでしたね。

「真っ当に当てにきてるな」って思うぐらい「おまえらこういうの好きだろ?」って要素を見せつけられてるんですけど、それがうまく機能してるからいいんですよ。これが自分の好きじゃないジャンルだったり、好きなジャンルでもうまく噛み合ってなかったりしたら、「製作側のこういうの好きだろっていう態度が見え見えで辛い」って感じたかもしれませんけど、これは面白かったからよしと(笑)結局、そんなもんですよね。自分の中で矛盾していることにもなるかもしれないんですけど、結局面白いと思えれば何でもいいと(笑)

<2人の自分が育む絆>

僕がこの映画の中で何が一番好きかと言えば、中年の自分と少年の自分がいっしょに冒険するっていうところです。同じ人物なのに凸凹コンビって、そんなに観ないですよね?中年のアダムは大人なのにちょっと抜けてて。少年のアダムは子供なのにちょっとませてて。同じ人物で一長一短つけるところが面白いと思いました。誰しも子供の頃は、自分の気持ちに正直で素直だと思うけど、大人になるにつれてそういうのは薄れてきちゃう部分もあるじゃないでしょうか。そんな対比を感じさせつつ、ラストで中年アダムが少年アダムに言った「おまえは俺の一番いい部分だ」っていうのは、最大の自己肯定だなって感じて気持ちよかったです。僕も子供の頃の自分を褒めてあげたい部分ありますもん。

<そんなわけで>

ベタすぎる内容ではあるものの、興奮と感動が詰まったSFアクション映画ってことで、ぜひオススメしたい映画でした。個人的な好みですが、デッドプール、ハルク、ガモーラなど、マーベル俳優が揃っているのも推したいポイントです(笑)


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