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スマートフォン向けゲームの開発、運営を行っている会社にて、データ分析を担当させて頂いて…

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スマートフォン向けゲームの開発、運営を行っている会社にて、データ分析を担当させて頂いています。スマホゲームのビジネス論を考えています。

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  • 2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える

    スマホゲーム会社でデータ分析を担当している筆者が、競争の激化するスマホゲーム業界で、いかにして戦って行くかを考えていくコラムです

記事一覧

【ゲームデザイン分析】プリコネRはなぜ成功したのか part2.盆栽と品評会

こんにちは。本日もタイトルのプリコネR分析をやっていきたいと思います。 前回の記事にて、プリコネRはライトユーザーに対しては物語やキャラクターという受動的なコンテ…

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3年前
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【ゲームデザイン分析】プリコネRはなぜ成功したのか part1.提供価値編

こんにちは。今回はタイトルの通り、先日までアニメ放送も行われていた、モバイルゲーム「プリンセスコネクトRe:Dive」(以下プリコネR)について、ゲーム開発者の目線で、何…

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3年前
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スマホで暇つぶしの王道はゲームから動画になっていた?

前回シリーズが完結しないまま2020年になってしまいすみません...。そちらも再開していきたいと思いますが、今日は軽くタイトルの話題を。 要旨・スマホゲーム業界の競争…

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4年前
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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(5.5) VIPシステムとFQ、対極的LTV向上策

こんにちは。 GWと言う事と、補回という事で連投になります。 今回は手短に、中国式ゲームでよく採用されている「VIP」システムと、国内のゲーム運営で重視される「FQ」に…

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5年前
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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(5) アズレン、プリコネ/スタリラ、中韓型スタミナ課金の仕組み

こんにちは。 前回から間が空いてしまってすみません。(そして今見たら、第4回の冒頭に明らかな書き間違いがあってすみません...) 今回で「ゲームサイクル」という切り…

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5年前
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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(4) モンスト、そしてFGO、サイクルの二重化

こんにちは。 前回はゲームサイクルの観点で、ガラケーソーシャル時代からパズドラ時代への変化をまとめました。 今回は更に後の年代のヒット作であり、現在断トツのトップ…

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5年前
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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(3) パズドラの功罪

こんにちは。 前回の記事ではかなり駆け足でしたが、原始的なゲームからガラケーソーシャルまでを、ゲームの面白さとマネタイズを形作る構造、即ち「ゲームサイクル」の観…

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5年前
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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(2) 「ゲームデザイン」の歴史

こんにちは。 今回はタイトルの通り「ゲームデザイン」について、パズドラ以前までの考え方を、順を追って見ていきたいと思います。 尚、今回の内容はそもそも私が生まれ…

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5年前
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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(1) なぜ今これが重要か

現在のモバイルゲーム市場 - マクロ視点突然ですが皆さん、スマートフォン、お持ちですよね? 総務省の発表によれば、国内でのスマホ普及率は2017年時点で既に75%を超え、…

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5年前
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【ゲームデザイン分析】プリコネRはなぜ成功したのか part2.盆栽と品評会

【ゲームデザイン分析】プリコネRはなぜ成功したのか part2.盆栽と品評会

こんにちは。本日もタイトルのプリコネR分析をやっていきたいと思います。

前回の記事にて、プリコネRはライトユーザーに対しては物語やキャラクターという受動的なコンテンツとして面白さを、コアユーザーに対してはPvPやギルドバトルを通じた能動的な"ゲーム"らしい面白さを、それぞれ提供していると述べました。
今回はその中間を結ぶミドルユーザーについて、プリコネRがどのように彼らをモチベートし、コアユーザ

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【ゲームデザイン分析】プリコネRはなぜ成功したのか part1.提供価値編

こんにちは。今回はタイトルの通り、先日までアニメ放送も行われていた、モバイルゲーム「プリンセスコネクトRe:Dive」(以下プリコネR)について、ゲーム開発者の目線で、何が優れているのかについて分析していきたいと思います。

第一回目として今回は、サービスの基幹となる「提供価値」について見ていきます。

いつもの事ですが長くなったため、先に結論だけ述べておきます。

・プリコネRでは、2軸のストレ

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スマホで暇つぶしの王道はゲームから動画になっていた?

前回シリーズが完結しないまま2020年になってしまいすみません...。そちらも再開していきたいと思いますが、今日は軽くタイトルの話題を。

要旨・スマホゲーム業界の競争激化が止まらないなか、上場各社業績面での苦戦が見られる
・その要因のひとつに「一般ユーザーはゲームをやめて動画コンテンツを見ている」という仮説がある
・MMD研究所発表の「アプリ利用率」を遡って調べると、実際にゲームの利用率は低下を

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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(5.5) VIPシステムとFQ、対極的LTV向上策

2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(5.5) VIPシステムとFQ、対極的LTV向上策

こんにちは。
GWと言う事と、補回という事で連投になります。
今回は手短に、中国式ゲームでよく採用されている「VIP」システムと、国内のゲーム運営で重視される「FQ」についてまとめていきたいと思います。

ビジネス的観点で見たモバイルゲームの投資構造今回の話をする上で知っておくべき前提として、投資としてみたモバイルゲームの構造を簡単にまとめます。

この記事を読んでおられる方であれば、以下の点はも

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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(5) アズレン、プリコネ/スタリラ、中韓型スタミナ課金の仕組み

2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(5) アズレン、プリコネ/スタリラ、中韓型スタミナ課金の仕組み

こんにちは。
前回から間が空いてしまってすみません。(そして今見たら、第4回の冒頭に明らかな書き間違いがあってすみません...)

今回で「ゲームサイクル」という切り口での考察最終回、アズレン、プリコネ回をお届けしたいと思います。

前回までのおさらい前回までで、以下の歴史について触れてきました
・ガラケー/ブラウザソーシャル時代のバランスの良い課金設計
・パズドラの詫び石文化による無課金プレイの

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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(4) モンスト、そしてFGO、サイクルの二重化

2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(4) モンスト、そしてFGO、サイクルの二重化

こんにちは。
前回はゲームサイクルの観点で、ガラケーソーシャル時代からパズドラ時代への変化をまとめました。
今回は更に後の年代のヒット作であり、現在断トツのトップ1,2であるモンストとFGOについて見ていきます。
(5/2 単純な書き間違いがったので修正しました...)

モンストの誕生と特徴この業界においては言わずと知れたモンストは、2013年10月にiOS版がリリースされました。その特徴は「ス

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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(3) パズドラの功罪

2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(3) パズドラの功罪

こんにちは。
前回の記事ではかなり駆け足でしたが、原始的なゲームからガラケーソーシャルまでを、ゲームの面白さとマネタイズを形作る構造、即ち「ゲームサイクル」の観点で整理しました。

今回はそれに引き続き、スマホゲームの代名詞とも言える「パズドラ」が、ゲームサイクルに与えた影響について見ていきたいと思います。

今回も様々な文献を参照しますが、それらは全て参考文献として一番最後にまとめてありますので

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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(2) 「ゲームデザイン」の歴史

2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(2) 「ゲームデザイン」の歴史

こんにちは。
今回はタイトルの通り「ゲームデザイン」について、パズドラ以前までの考え方を、順を追って見ていきたいと思います。

尚、今回の内容はそもそも私が生まれる前の出来事も含まれ、二次ソースの情報や私の主観的解釈も含まれます。間違いや別の情報ソースがあれば、是非ご指摘下さい。

また、今回様々な文献を参照しますが、それらは全て参考文献として一番最後にまとめてありますので、興味のある方はそちらも

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2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(1) なぜ今これが重要か

2019年のモバイルゲームデザインとプロデュースを考える(1) なぜ今これが重要か

現在のモバイルゲーム市場 - マクロ視点突然ですが皆さん、スマートフォン、お持ちですよね?
総務省の発表によれば、国内でのスマホ普及率は2017年時点で既に75%を超え、パソコンや固定電話を逆転しています。

そうしたハードウェアの普及に伴い、(少し悲しいですが)「子供の遊び」であったり、「オタクがやるもの」であった「ゲーム」という娯楽が、「スマートフォンゲーム」という形で一般に普及しています。

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