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17歳の私へ

今日の創作です。
高校生の自分に声をかけています。

こんにちは。お久しぶりです。
毎度あなたのことが大好きな者です。
コンクールに向けて忙しい時にすみません。
一瞬だけ語らせて下さい。

あなたは小学校卒業と同時に帰国し
いじめからは解放されましたね。

でも「自分は虐げられても仕方のない人間だ」
という認識が常につきまとっていますね。

その認識はあなたにとって事実そのものなので
隠し通さなければまた酷い目にあうと思っています。
あなたなりに考えていますね。

クラス内ではいつも、強そうな人や多数派の意見に寄っています。
とにかく目立たないように気をつけています。

そんなあなたが唯一誇れるのは、クラリネットが上手に吹けることです。
バンコクにいた頃から練習を始め、中学校の吹奏楽部では部長に任命されました。(役職は嫌だったけど、断れなかったね。ほんとお疲れ様でした。)

高校の吹奏楽部でもあなたは上手なので、学生指揮者に任命されましたね。これは2人いるので、あなたはもう一人の子を頼りながら、なんとか務めています。

あなたの頭の中は1割が勉強のこと、3割が部活のこと、そして6割が「私ヘンじゃないかな?」という心配ですね。周りからどう見えるかが何よりも大事です。楽器と愛想笑いがどんどん上達していきます。

あなたは後輩たちから尊敬を集めていますが、同級生の間では少し浮いていますね。いつもビクビクしているのが、やはり伝わっているのかもしれません。

そんな中、あなたの心の鎧をものともせず、話しかけてくれる子がいますね。名前はクミちゃんでしたっけ。あなたの挙動不審なところを、とてもおもしろがっています。あなたは戸惑いつつも、会話に応じたりしています。

あなたに興味津々な人が、毎年一人は現れますね。これは何なんでしょうね?中学時代はミヤケ先輩という人がなぜか可愛がってくれました。あなたは最後まで本音の話をしませんでしたが。まあ素を出したら即死、という認識ですから仕方ないです。先輩と一緒に蝙蝠のお墓を作った時は、ちょっとだけ楽しかったですね。

あなたは生存戦略として、周りの空気を全力で読んでいます。それで疲れてしまい、自分の気持ちは後回しになっています。あなたが決めた優先順位だから、それは全く問題ないです。

ただ、もし皆に嫌われても、人生はなんとかなるってことだけ、お知らせさせて下さい。あなたが考えている”人生”は、可能性の千億分の一にすぎないと思って下さい。思わなくても構いませんが…。

とにかく、警戒心が強く、でも「なんとなく気になる人」とは絡んでみる、その姿勢のおかげで、私の人生は猛烈におもしろくなっています。本当にありがとう。

お前誰やねん、て?
ですから申し上げたように、あなたのことが大好きな者です。

それではコンクール頑張って!

ごきげんよう!

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