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他人の精神安定剤になりがち。

今週の木曜日、久しぶりに頭に血がのぼり、そして落ち込んだ出来事があった。週3日だけ働く職場での出来事なのだが、2ヶ月ほど前に今の部署に異動して以来、ずっと仕事がやりづらいなあと思っている相手がいる。その人はわたしより5つ上の男性で、わたしと同じくコピーライターとしてキャリアを積んできた人だった。

わたしの職場を簡単に説明すると、横文字大好き意識高い系ベンチャー。わたし自身の性格にまったく合っていないのだが、ライターというポジションが空いていたので来た次第だ。ただたまにエッセイ漫画で触れるように、すごく息苦しさを感じているのだけど、フリーの仕事と両立するにはちょうどいいので、頑張って籍を置いている。


話は戻って、その男性はわたしが異動したすぐあとから、”先輩ライターとしてわたしに目をかけたがっている様子”だった。または「同士をつくりたい」といったかんじ。そのうち彼は、自己紹介がてら自分が手がけた仕事について詳しくわたしに発表し、だから何でも頼ってくれ、という風にわたしに接するようになった。正直、あんまり魅力的なコピーだと感じなかったのだけど、彼が望むように「駆け出しのコピーライター」としてなるべく彼を慕うキャラでいくよう努めた。

また、業務の一環として毎週彼と30分話す時間を設けられているのだが、わたしは別に話したいことなどないので、その時間の使い方に困っていた。なので、そこでも当たり障りないライティングの悩みを持ちかけたり、なるべく彼が気持ちよく話して終われるような流れを作った。

このような関係を続けていくうちに、組織が大きく変わり、彼が手を出せる業務の幅がグーンと広がった。つまり、色んなプロジェクトや動きに好き勝手意見を言えるような体制になってしまったのだ。それは、この部署へてんで畑の違う人たちが入ってきたので、その人たちがどんなことも彼に意見を仰ぐような状態になったから。わたしはますますの息苦しさを感じるようになる。


彼はごく当たり前のことを「それらしい言葉」に言い換えて、くどくど説明することが大好きだった。それを、ベンチャー特有の定義が曖昧な言葉で説明する。すると、周りは「それらしく聞こえる」ので、彼が的を得た意見を言っているのだと錯覚するようになる。わたしはベンチャーのことはよく分からないけれど、”自分の言葉で、だけど誰が聞いても分かるような説明”ができなければ良いライターではないと思うし、フリーの仕事ではそういう風に教育されてきたので、すごくモヤモヤしていた。

また、彼の意見に明確な”根拠性”がないことも、モヤモヤする理由の一つだった。根拠性とは、

①A社のドリンクは大人気(伝えたいこと)
②なぜなら、低カロリーなのに甘くて美味しいから(具体性)
③その低カロリーの理由は、近年開発した特許技術で生み出した人工甘味料を使っているから(根拠性)

という感じなのだけど、②と③がいつも曖昧。一番嫌なのが、理由づけ・根拠を表す際に「クリエイティブだからこうすべき」「君もクリエイティブだから分かるよね」という風に解決しようとしてくるところだ。


これは人によるので、一概には言えないのだけど、わたしはクリエイティブを鼻にかけている人が苦手だ。自分の仕事がクリエイティブ分野であることは承知しているが、だからといって特段自分を『クリエイター』だと思ったこともない。というか、堂々と『クリエイター』だと言うには、まったくもって力が足りない。だから、彼がクリエイティブという言葉を使うたびにむずがゆい気持ちになるし、明確な根拠を自分の言葉で説明できないから『クリエイティブ』という言葉に逃げているんじゃないか?とも思っていた。

そんな彼との会議の時間もまた苦痛だった。ライティングの知見のない新メンバーたちは、彼の意見をすべて最善のものとして受け入れる、いわば言いなり状態。だから、わたしが何か発言しようにも、あの手この手でくどくどひっくり返して持論を通した。だから、わたしも発言するのをやめ、彼がのけ反って自分の意見に酔うさまをぼんやりと見つめるだけの時間を過ごした。


そしてとうとうトラブルが起きた。発端となったのは、わたしが書いた原稿を確認する2人(Aさん・Bさんとする)の原稿の方向性が食い違ってしまったこと。そこへ、例の彼が横やりで表れ「そもそも君が書かなくていいネタを入れているのが悪い。そして、そのネタが不要であることは以前、Aさん・ヒガシノさんの3人で会議をしたときに言ったはずだ」と申したのだった。しかし、わたしの会議資料にはそのネタが不要だという発言が、彼から出たという記録はない。「そんなこと聞いていない」と言うも、「絶対に言った」と相手が譲らなかったので、しぶしぶ謝ざるを得なかった。

しかしこれが結果的には、彼の勘違いなのであった。同日、Aさんにあのときの会議で彼の”ネタ不要発言”があったのかと確認をしたところ、それはつい先日『Aさんと彼が二人で会話したときに交わされた話(このネタは入れない方がいいよね~、と)』なのであって、会議で話した事実はなかった。随分前の会議と昨日の話が混同するってどういうことやねん。

――わたしの方こそ、くどくど長く書いてしまったが、この「相手の勘違いで責められ、謝ってしまった」ということが、今回のトラブルなのだけど、なんというかすごくメンタルが落ち込んだし、たぶん大いにプライド的なものが傷つけられてしまったんだと思う。プライドとかあまり言いたくないのですが、適当に原稿を書いているわけではないし、こういう「相手の勘違い」が起きないよう、資料を残しているにも関わらず、同じライターである彼が勘違いで自分を責めてきたことに、許しがたい怒りを感じてしまった。きっと、わたしを無責任で適当に仕事をやっているような口ぶりが、悔しかったんだと思う。


その日はバンド練習があったのだが、本当に疲れ切って、悲しくて、元気が出なかった。でも、メンバーはいつも通りに接してくれて、幾分か楽しい気持ちにはなったものの、週末はどんよりやる気の出ない時間を過ごした。そんな中で、このツイートを友人が教えてくれて、目から鱗だった。

わたしはもともと、音楽をやっていても、モノを書いていても、普通にしていても、こういう状況に置かれやすい。隣の芝生が気にくわないから…というマウント。これは本当にしんどい。この「精神安定剤」という表現が腑に落ちる。そして、わたしの存在は、他人からすると精神安定剤にしやすいんだなあ、と笑いたくなる。いい加減にしろや。

そしてもう一つ。勘違いで人を責めるのは、相手をめちゃくちゃに傷つけると知った。これは本当に、今後の人生の中で気をつけていきたいし、今まで傷つけたかもしれない人たちに、頭を下げたい気持ちでいっぱいになった。上手に怒るって難しいのね。

力任せに書いた読みづらいnoteで申し訳ないです。これからは次の人生設計に向けて、穏やかに生きていこう。


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