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日経記事を経営学の視点から見るー御社はまだJTC? 昭和型から転生、抜てきが成長スイッチ

日経新聞の記事『御社はまだJTC? 昭和型から転生、抜てきが成長スイッチ』について、経営学の視点から考察しました

『JTC』という言葉は私は初めて目にした時に、言葉の使われ方を見ても意味が推測できずなんだかピンと来なかったのですが、その理由はズバリこちらで解説されていました。

さてこの記事は、TJCならぬJTCの代表だと思われるNTTが、如何に世界水準に近づくように変わっていくかの取り組みを書いた記事です。組織の文化、人事制度、働きがい、多様性、リーダーシップという側面を通じて、現代の経営環境における重要な変化と課題を浮き彫りにしています。

組織文化の変革(組織行動理論)

 「失敗カンファレンス」。NTTが一風変わった社内イベントを始めた。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2055F0Q3A121C2000000/

Edgar Schein(エドガー・シャイン)による組織行動理論では、組織文化が従業員の行動や動機づけに影響を与え、組織の効率性や革新性を高めるとされている。NTTにおける「失敗カンファレンス」は、従業員が失敗を恐れずに革新的なアイデアを試す文化を醸成することに寄与する。このような文化は、従業員のリスクテイキングとクリエイティビティを促進し、組織全体のイノベーション能力を高めることが期待される。組織行動理論に基づくと、この変革は組織の適応性と持続可能性にも寄与する。

人事制度の革新(人的資源管理理論)

脱年功序列を掲げ、23年4月に2〜3年とされた等級ごとの在任年数を撤廃し、20代の課長抜てきも可能になった

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2055F0Q3A121C2000000/

人的資源管理理論では、従業員の能力と業績に基づく評価と昇進が強調されます。この理論は、Peter Drucker(ピーター・ドラッガー)やGary Becker(ゲーリー・ベッカー)らによって発展した。NTTの人事制度改革は、年功序列から能力主義への転換を示しており、従業員の能力と貢献を正確に評価することで、より効率的で競争力のある組織を目指している。これは人的資源管理理論の原則に沿っており、従業員のモチベーションと組織のパフォーマンスの向上に寄与する可能性がある。

働きがいのある職場の創造(組織心理学)

「働きがいのある会社ランキング」を公表する機関、GPTWジャパンの荒川陽子代表は「一つ一つの仕事の意味を明確にする」「職場に連帯感がある」といった共通点を指摘。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2055F0Q3A121C2000000/

組織心理学では、従業員の仕事への満足度やモチベーションが重視される。Frederick Herzberg(フレデリック・ハーズバーグ)のモチベーション・ハイジーン理論やAbraham Maslow(アブラハム・マズロー)の欲求階層理論がこの分野での重要な理論である。職場における仕事の意味の明確化と連帯感の創造は、従業員の働きがいを高め、組織全体のパフォーマンス向上に寄与する。これは組織心理学の理論に基づく実践であり、従業員の満足度と生産性の向上に結びつく可能性が高い。

経営者のリーダーシップと職場環境の改善(リーダーシップ理論)

「ただ大前提として必要なのは『経営者の熱意』と荒川代表は強調する」。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2055F0Q3A121C2000000/

リーダーシップ理論、特にトランスフォーメーショナルリーダーシップは、経営者示すビジョンと熱意が従業員を動機づけ、職場環境を改善することを強調する。この理論は、Bernard Bass(バーナード・バス)によって発展した。経営者の熱意とビジョンが従業員のモチベーションに影響を与えることは、トランスフォーメーショナルリーダーシップ理論に基づく重要な要素である。経営者が積極的に職場環境の改善と従業員のエンゲージメントを促進することで、組織の生産性と効率性を高めることができる。


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