愛顔(えがお)感動ものがたり~愛媛県主催コンテスト応募作品~

        タイトル:「暖かい日」

 3年前の出来事です。私は、病院でもらった薬を飲んで、体調を崩しました。目を開けようとすると、光がまぶしくて、つむってしまうという症状が現れました。そして、数週間ほどの間、両目が見えないという状態で生活をしました。
そんな苦しい状況の中にいた時、励ましてくれたのは、かかりつけのお医者さんです。40代くらいの、青ぶち眼鏡をかけた年配の男性の方でした。薬をもらった病院とは、別の病院です。「光がまぶしい」と口にすると、診察室の照明の電気を控えめにするという対応をしてくれました。症状に合った適切な対応が、とても嬉しかったことを、今でも覚えています。さらに「目に異常はありません。大丈夫ですよ」と、不安な気持ちに寄り添った温かい言葉をかけてくれました。そのおかげで、抱えていた不安感が和らぎ、少しずつ症状が良くなっていきました。


 1年ほど経った、ある日のことです。光のまぶしさをほとんど感じなくなり、大きく両目を開けることができるようになりました。「薬を飲んだら、副作用が出るのではないか」と、過剰に心配していたことが、目に異常が現れた原因だったのです。現在は、薬を飲む以前とほぼ変わらない、安定した生活をしています。お医者さんが私を励ましてくれたことは、一生忘れることはありません。この出来事を通して、ひとがひとを励ますことの素晴らしさを強く実感しました。
私も辛い想いをしているひとを見かけたら、自分なりの形で、相手が希望を持てるようなことをしてあげたいです。相手もまた、同じようなことを相手にしてあげたいと思うことでしょう。そうなれば、今よりもっと明るい世の中になるはずです。すべてのひとの心に、暖かい日が差し込むことを信じて、1つの広い道を歩んでいきたいです。
 
 
 【作品解説】
審査員の方々の名前が、エッセイの中に1文字ずつ
入っています。
イッセー尾形さん 神野紗希さん 中村時広さん(愛媛県の知事) 
残念ながら落選してしまいましたので、こちらに投稿します。自信作なので、多くの人に読んで頂けると嬉しいです。
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?