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茶人 千利休が命より大切にしたもの

まだまだ明智十兵衛ロスから抜け出せないでいる日々が続いています。その”麒麟がくる”では登場しませんでしたが、次に大河の主役になってほしい歴史上の人物はと聞かれたら、私は間違いなく千利休と答えます。

茶界のスーパースター 千利休とは

「日本でお茶を広めた人は?」と聞かれて、多くの方が思い浮かべるのは千利休ですよね。

言わずと知れた茶人で、日本で「侘び茶」というお茶の形式を確立させ、「茶聖」とまで呼ばれた偉人です。

今風にいえば、茶会というイベントの「演出家」であり、「空間プロデューサー」。

さらに信長や秀吉といった歴史上の権力者からも信頼を勝ち取り、政治的にも影響力を持ちつつ、乱世における癒しの場として茶会の開催や茶室を創設したまさに、

今日ある日本文化に大きな影響を与えた 利休。

51歳にして転機到来!織田信長との出会い

武力や政治だけでなく文化にも興味を持っていた織田信長は、大阪堺の茶人今井宗久(いまいそうきゅう)から紹介された千利休を茶頭に任命しました。

茶頭とは茶会を開く時に準備や場を取り仕切る役割です。つまり茶の湯の師匠的な立ち位置。

織田信長は、戦しかしない人にも教養や礼儀作法を身につけさせたい、お茶の作法がそのすべてを兼ね備える世界だという考えを持っていました。

その師匠の役割として利休の地位も自然と上がっていきました。

茶の湯が政治の表舞台へ

本能寺の変の信長の死後、さらに茶の湯に精通した後継の豊臣秀吉に仕えることになり、その際、天皇から「千利休」という名前が贈られたのをきっかけに「天下一の茶人」とまで言われるようになりました。

己の美学だけで時の権力者・豊臣秀吉に対峙し、茶の腕において一目置かれていた利休。秀吉に意見できるものは利休しかいないと言われていたことからも頷けるエピソードです。

「平等に純粋にお茶を楽しむ」侘び茶に込められた利休の思い

利休が確立した茶の湯の「侘び茶」という様式において、茶会は「平等に純粋にお茶を楽しむ場」であるべきとの考えがありました。

山崎の戦いで有名な、名水の湧く山崎の地に建立された茶室 ”待庵”(たいあん)は、日本最古で国宝に指定されています。

利休が考案した”にじり口”は、武士も商人も誰もが身分差なく頭を下げて入らなければならないほど小さく作られており、刀を取らなければ入ることができません。

身分に関係なく、平等に純粋にお茶を楽しむ。茶の前では皆が平等だということを示すものでした。

信頼から、嫉妬へと変わった秀吉の想い

人を気遣い最高のもてなしをする茶の湯では、相手を満足させ、その心を開くことから、政治の場としても利用されてきました。豊臣秀吉の信頼を得た千利休は、戦に関する助言を求められることもありました。

一説には、徐々に、政治面でも地位が高まりつつあった利休に、秀吉は権力が偏ることを恐れはじめたと言われています。

時の天下人、豊臣秀吉はあらゆる事柄の頂点に立ち、できないことはないと考えていたはず。
そんな秀吉が、あれほど信頼していた利休を次第に嫌い、嫉妬の対象へと変えてしまったのは、千利休の「質素でも完璧な美学」への嫉妬だったのかもしれません。

無駄な装飾を極限まで削ぎ落としたどり着いた 利休の美の境地。

何も足さず、何も引かない

 そんな”極限であり、究極の利休の美学”に対して、権力を重視する秀吉には、受け入れがたい感性だったのでしょう。

その後、秀吉が 理不尽な理由をつけて千利休に切腹を命じたのは、その嫉妬を表す証だったと言えるのではないでしょうか。信頼をしていた利休に切腹をさせるのは、本当は本意ではなかったのかもしれないですね。

千利休が命よりも大切にしたもの


茶会と一言で言っても、実際はお茶を出すだけのような単純なものではありません。

茶会に招いた人の体調や感情を深く読み取り、その人に合った料理を振る舞い、その後にお茶を点てるのです。

千利休が大切にしたもの__

そう それは まさに ”もてなしの心”です。

千利休の切腹執行のために茶の間を訪れた秀吉の使いにも茶を出し、最後は一畳半の狭い部屋でその最期を遂げました。

最後、切腹を伝えに来た使者に、利休は

「お茶の準備ができております」と伝え、お茶を出したと言われています。

このエピソードは何度聞いても 胸に迫ってくるのもがあります・・。


日本文化に大きな影響を与えた人物、千利休。

彼が確立した茶の湯の様式「侘び茶」は現代まで残り、国内外の多くの人に、今もなお楽しまれています。

「派手でお金をかけた名物が良い」「高級貴族や武士のみのたしなみ」という価値観ではない、究極の空間と時間。

日本人の「おもてなしのこころ」は千利休が伝えてくれたのかもしれません。

 日本人の誇るべき ”おもてなしの心” 忘れてないですか?


来年2022年は、千利休生誕500年という年に当たります。

日本茶会のスーパースター千利休。ぜひ、いつか

大河の主役をと望んでいます♪

 今日は、尊敬すべき千利休を想い、抹茶と抹茶あんのイチゴ大福試作しました(^^)/

抹茶イチゴ大福

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます☆彡

今日も穏やかな一日を。



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