小林美香

写真やジェンダーに関わる文筆、飜訳、教育、講演、ワークショップなどを手がけています。 …

小林美香

写真やジェンダーに関わる文筆、飜訳、教育、講演、ワークショップなどを手がけています。 日々思うことや、観察していることについて書いていきます。これまでに雑誌や、機関誌、カタログなど各媒体で書いてきたことをこちらで再録していきたいと考えています。

マガジン

  • 講演・研修・ワークショップ

    これまでに実施した講演・研修・ワークショップの記録、要約です。

  • 媒体寄稿

  • 「ジェンダー・クィア」日本語版翻訳出版に向けて

    「ジェンダー・クィア」日本語版翻訳出版に向けて、作品や著者、関連情報をお届けします。

  • 私の活動

    写真やアート、ジェンダーに関わる文筆や講義、ワークショップなどの活動を紹介します。

  • 脱毛広告観察記

    世に溢れかえる脱毛広告の表現について観察し、分析していきます。

最近の記事

「コミュニケーションは受け手が決める」 1 企業研修の紹介 

2023年から、いくつかの企業からのご依頼を受けて、広告とコミュニケーションをテーマにした勉強会を実施しているのですが、それらの中で、お伝えしていることを、使用しているスライドの一部を交えてご紹介します。 勉強会の一例 「コミュニケーションは受け手が決める」 「視覚表現とコミュニケーション」をテーマとする研修や勉強会の冒頭でまずお伝えしているのが、経営学者ピーター・ドラッカーの残した「コミュニケーションは受け手が決める(Communication depends on

    • 自己紹介:仕事や活動について

      プロフィール 小林美香(こばやし・みか) 国内外の各種学校/機関、企業で写真やジェンダー表象に関するレクチャー、ワークショップ、研修講座、展覧会を企画、雑誌やウェブメディアに寄稿するなど執筆や翻訳に取り組む。2007-08年にAsian Cultural Councilの招聘、及び Patterson Fellow としてアメリカに滞在し、国際写真センター(ICP)及びサンフランシスコ近代美術館で日本の写真を紹介する展覧会/研究活動に従事。2010年から19年まで東京国立近

      • 赤旗連載コラム「ジェンダー視点で考える広告」

        2023年12月に4回にわたってしんぶん赤旗で掲載したコラムです。 4回連載で拙著『ジェンダー目線の広告観察』の要旨をお伝えするような形になりました。

        • 『ジェンダー目線の広告観察』 書評、インタビュー、メディア出演、関連記事

          FRaU 2024.02.07 子どもに脱毛を訴求し、性的コンテンツを見せる日本。「広告観察」から見えた問題とは (此花わか) SPUR.JP 2024.01.31 HANAKO web 2023.12.07 毎日新聞2023年10月28日号 週刊文春 2023年10月19日号 文春オンライン  J-WAVE ポッドキャスト わたしたちのスリープオーバー IWAKAN ポッドキャスト ZAITEN 2023年12月号 朝日新聞 Think Gender 会員限

        「コミュニケーションは受け手が決める」 1 企業研修の紹介 

        マガジン

        • 講演・研修・ワークショップ
          8本
        • 媒体寄稿
          4本
        • 「ジェンダー・クィア」日本語版翻訳出版に向けて
          9本
        • 私の活動
          0本
        • 脱毛広告観察記
          8本

        記事

          イベント記録 小林美香、柳淳也が自著を語り合う 2023年9月15日

          土井信吾さんが書いてくださったオンラインイベントの記録です。ありがとうございあます。 9.15(金)夜にloneliness booksの主催で、小林美香さん『ジェンダー目線の広告観察』、柳淳也さん『揺さぶる経営学: LGBTQから問い直す企業の生産性』お二人の自著を交えてのトークイベント「クィアな表象研究と、LGBTQ視点からの経営学 その交差点」というオンラインイベントを開催しました。 loneliness booksのカタミさんから挨拶があり、続いて小林さん、柳さん

          イベント記録 小林美香、柳淳也が自著を語り合う 2023年9月15日

          消極的な加害者にならないために No Mas Maltrato

          冬に向かう鈍色の空を見上げ、「ジェンダー目線の広告観察」を書こうと思ったのが去年の12月だったと思い出す。同じように寒い曇りの日に近所のスーパーに向かう道すがら、憤りで叫びそうになりながら(理由は色々あるが省く)、手にしたスマホのメッセンジャーで編集者に「私本書くわ」とメッセージを送り、即OKを出した彼女は出版の手筈を整え、完成まで伴走してくれた。「観ることは抵抗であり、闘いです。」という私が発した言葉を本の帯文に選んだのも彼女だった。大仰に響くフレーズだが、気力を振り絞って

          消極的な加害者にならないために No Mas Maltrato

          メールヌードを愛でる夕べ 小倉東/小林美香 関連資料・写真集 

          2023年11月25日に開催した「メールヌードを愛でる夕べ」の関連資料・写真集のリストです。オンラインの記録映像でわかりにくい箇所(冒頭・終盤)の補足説明です。 写真家、円谷順一さんについて  荻崎コレクション   円谷順一さんの作品のほか、ゲイアートのコレクションを公開しています。 漫画家の田亀源五郎さんによる荻崎コレクション探訪 小林が円谷順一の写真について寄稿した雑誌 雑誌「写真」2号 IWAKAN 6号 男性性  小倉東さんの『Badi』のお仕事について

          メールヌードを愛でる夕べ 小倉東/小林美香 関連資料・写真集 

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (09)好きな下着を選びたい

          性別二元論を前提に設計されている社会の中で、そもそも多様な人を二つのジェンダーに割り振るのは無理があるのでは?という捉え方・認識を強く持つノンバイナリージェンダーの人にとって、身につける衣服にまつわる価値観に対する葛藤や受け入れ難さが描かれているページを紹介します。

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (09)好きな下着を選びたい

          勉強会「パースペクティブの脳トレをしよう」レポート

          先日、ブランドマーケティングエージェンシー(株)エフアイシーシー / FICC inc.からご依頼をいただき、勉強会「パースペクティブの脳トレをしよう」を実施しました。社員の方と打ち合わせを重ねて、綿密に準備を進めていただいて実施に至り、勉強会の目的と内容、参加された社員の方々の振り返りを含めて、レポートとして丁寧にまとめていただいています。 さまざまな企業・組織のブランディングを手がけてこられている企業ということから、普段の業務の中で、コミュニケーションのあり方、ブランド

          勉強会「パースペクティブの脳トレをしよう」レポート

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (08)クラウドファンディングの期間あと1カ月 発起人よりお願い/言葉を奪われないために

          『ジェンダー・クィア』日本語版出版に向けたクラウドファンディングの期間も残すところあと1カ月になりました。これまでにご支援いただいた方々、関心をお寄せいただいた方々に深く感謝いたします。また、拙著『ジェンダー目線の広告観察』の刊行と、クラウドファンディングの時期が重なったこともあり、読者の方がクラウドファンディングを支援してくださったことも大変嬉しく思っています。 私にとって、クラウドファンディングの発起人になることは初めての経験であり、キャンペーンを展開する中で『ジェンダ

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (08)クラウドファンディングの期間あと1カ月 発起人よりお願い/言葉を奪われないために

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (07)ファッションの探求

          マイア・コベイブさんは、成長の過程で髪型や服装、下着、アクセサリーなど女性的なものとして設定されているものを身につけることや、「女性らしく」装う、身だしなみを整えることについて距離を置いてきました。ボーイッシュとみなされるような簡素な服装を選ぶことが多い中で、「ジェンダー・クィアとしての自分らしいファッション」を追求していきます。

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (07)ファッションの探求

          「バカとエロの大縄跳び」から一抜けして欲しい。

          『ジェンダー目線の広告観察』を上梓して、ポリタスTVに出演する機会を得た。本の刊行から間もない時点での出演だったので、番組を見て本を手に取ってくれる方が多く本当に感謝している。 この番組の中で、作家の白岩玄氏が男性学研究者の田中俊之氏との対談の中で「バカとエロの大縄跳び」と表現したことについて言及し、男性向けエステの広告の表現を分析した。「バカとエロの大縄跳び」とは、男性が成長過程で仲間からの同調圧力として経験する、一緒にバカなことをしてエロを受け入れないと周囲から男の子とし

          「バカとエロの大縄跳び」から一抜けして欲しい。

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (06) 自分のヴァギナに向き合う

          マイア・コベイブさんは、女性の身体を持って生まれ育ち、現在はノンバイナリー・ジェンダーとしての自認を持ち、生活をするに至っています。 『ジェンダー・クィア』の中でも、特に強い印象を残すのは、20代に入ってパップテスト(子宮頸がん細胞診)のために婦人科受診をして、ヴァギナを持つ身体であることを思い知らされて打ちひしがれる経験を描いたところです。 今年公開された映画「バービー」の終盤で、人間の世界で生きることを決断したバービーが婦人科を受診する場面が描かれていますが、身体的女性で

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (06) 自分のヴァギナに向き合う

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (05) 生理のある身体であること

          作者のマイア・コベイブさんは、現在ノンバイナリーを自認し、現在は乳房切除術(いわゆる「胸オペ」)を経ていることを自身のインスタグラムで公表しています。女性の身体で生まれて、成長する過程、思春期で二次性徴を経る中で、生理を大変辛いものと感じてきたことが描かれています。「生理にまつわる悪夢」の内容は、重苦しく、読んでいてなかなかに辛いものがあります。
どのようなジェンダーの人であれ、二次性徴を経て変化する身体と折り合いをつけて生きるのことには困難や戸惑いが伴うものです。「自分にと

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (05) 生理のある身体であること

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (04)マイア・コベイブさんからの挨拶 

          クラウドファンディングのプロジェクトに対して、マイア・コベイブさんからの応援のメッセージが届きました! 「ジェンダー・クィア」を日本の読者の方に届けられることにワクワクしています、日本はたくさんの漫画作品、才能のある漫画家、長期にわたって連載されて愛読されている作品がありますね。すでにたくさんの漫画がある国で、私の作品を刊行することに関心を持ってくださって、とても光栄に思っています。 「ジェンダー・クィア」は回顧録で、2歳から28歳までの私の人生の物語で、ジェンダー、セクシ

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (04)マイア・コベイブさんからの挨拶 

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (03) アメリカで展開される「禁書運動」

          『ジェンダー・クィア』は、アメリカで2019年に刊行されて以降、クィアとしての生き方や経験を描いた優れた著作として数々の賞を受賞し、スペイン語、ポーランド語、チェコ語、フランス語に翻訳されて世界中で読者を獲得しています。しかしその一方で、アメリカ国内で一部の保守層が人種差別、セクシュアリティ、ジェンダーアイデンティティに関連する書籍を「challenged books(問題視された図書)」として公立学校や図書館からの撤去を求める「禁書運動」を展開したために、いくつかの州の図書

          「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (03) アメリカで展開される「禁書運動」