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伝統文化レポートPart2.お米が主食の日本ならでは?!無形文化財 本藍染め浴衣に「お米」が随所に使われていた話

お米が主食の日本ならではの衣食住のモノづくり


現在、参加者募集中の「学んで作ってたしなむ。親子で伝統文化体験2023」のプログラムの1つ「本藍染め江戸ゆかた」の取材を続けるうちに、
一見、お米とは無関係と思われる「着物」の製造工程にお米(稲)が随所に使われているので、そのご紹介をいたします。

1.藍染めの道具に稲わらで作った「ワラ刷毛」を使用

現代のように動物の毛を使用した刷毛ではなく、昔は、稲藁(いなわら)の繊維を叩いて柔らかくした「ワラ刷毛」を使用していたとのこと。
創業120年の藍染め工房の藤澤幸宏氏
かなり貴重なワラで作った刷毛を拝見させていただいたのでご紹介したいと思います。

ワラで作られた「ワラ刷毛」
現在の刷毛

2.型紙で柄を出すための防染糊(ぼうせんのり)の材料にお米を使用

藍染のゆかたや半纏(はんてん)などの柄や模様を出すために「防染糊(ぼうせんのり)」を作って模様をつけていく工程があります。

防染糊の材料にも「お米」が使用されている

防染糊の主な材料
・お米の糠(小紋糠)
・もち粉(餅米を粉にしたもの)
・石灰

この糊の配合に関しては、「型紙の絵柄」の細かさや
季節によって1つ1つ配合を変えて糊の硬さを決めているとのことで
マニュアル通りに行かない職人技を感じる繊細な作業である。

左は「米ぬかベース」、右は「江戸ゆかた」の特徴でもある布の両面にズレる事なく柄を合わせて染めるため柄が見えやすいようにあえて色をつけて糊を作る。
糊の出来で絵柄の完成度にも影響があるため気が抜けない


もち粉が入っているのでよく練ることで粘りのあるもっちりした糊になる
専用のヘラで型紙に糊をおいている様子
細かい繊細な絵柄ほど糊の良し悪しが影響する。藤澤氏は先代の父親の状況に応じて糊の微調整を行っていた姿を見て覚えて行ったそう
絵柄がずれることなく裏表「両面」に型紙で防染糊で模様をつけた布地。これを藍染めの発酵液に浸すと日本古来の紋様と藍色が美しい江戸ゆかたが完成する。

最後に

江戸時代の「お米(稲)」の存在は、食べるだけでない衣食住に余すことなく活用したサステナブルな有効資源だった

民芸品や雑貨、ワラ納豆、昔の家屋の壁材にワラを混ぜたり・・・etcと
古くから日本人と「お米」は生活に欠かせない存在であり、
人間の生活そのものに役立つ素晴らしい有効素材であったことが証明される。

今回の取材を通じて、感じたことは
今の時代こそ「お米(稲)」の活用を改めて見直すべきではないかと思った。

日本文化において衣食住に活用されている奥が深い「お米」ではございます。

現在、「親子で伝統文化体験2023」イベントの<一般クラス>の
申込受付を開始中ですが
お席に限りがあるためお早めにお申込みください。(先着申込〆切となります)

https://oyakodento2023-pm.peatix.com

【学んで作ってたしなむ。親子で伝統文化体験2023】

(一社)みなむすGOHAN PROJECT

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