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26歳、半放浪者の旅日記。 現在、トルコにあるロングトレイル<Lycian Wa…

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26歳、半放浪者の旅日記。 現在、トルコにあるロングトレイル<Lycian Way>の記録をつらつら綴っています。 ▷instagram https://www.instagram.com/kosyo_3gram

マガジン

  • OTLHT 100kmハイキング

    <Ocean To Lake Hiking Trail>アメリカはフロリダ州にある約100kmのハイキングコースを歩いた物語。 山歩きとは違うハイキング。 湿地の主との遭遇も...。

最近の記事

Lycian Way #9 〜サヨナラcolor〜

前回の記事はこちら。 雷雨がくれたもの アラキリセに到着したのも束の間、予報より早く雷雨が襲ってきた。 僕の計画が頓挫し途方に暮れたその刹那、聞き覚えのある声が耳に届いた。 「ミナート」 それはメソトであった。 彼は僕と別れた後も必死に歩いてアラキリセまで来たのだ。 僕の心には彼に対して自分から別れを告げて先に進んだことへの顔向けできない申し訳なさと、彼と再会できた喜びの感情が一気に押し寄せてきた。 強がりな僕は喜びを心の内に隠しながらも彼に近寄る。 メソトもどこか思

    • Lycian Way #8 ~自分の思い~

      至福の時 メソトと僕は数キロ先にあるキャンプ場「Lykia Camping」を目指した。 メソトはこのキャンプ場に宿泊する予定だ。 僕はそこからさらに7㎞先のアペライのビーチにあるキャンプ場に宿泊する予定のため、メソトとはここでお別れになるはず…であった。 時刻は15時頃、Lykia Campingに到着した僕達は受付へ。 一人の女性と小さな女の子が迎えてくれた。 ここは家族で経営しているキャンプ場の様だ。 このキャンプ場にも多くのハイカーが訪れているのだろう。 年季

      • Lycian Way #7 ~会者定離~

        対野良犬の手解き バトゥ達と別れた僕は、パタラビーチ東側にある遺跡近くのキャンプ場を目指して歩き出した。 2日前いたパタラビーチは西側にあたる。 ビーチ沿いには進まず、山道を迂回しビーチの東端を目指す。 誰かとずっといると一人になった時、いつも以上に寂しさを感じる。 大げさに言うなら失恋に似た感覚だろう。 ずっと大切に思っていた人が次の日には自分と全く関係のない日々を送る。 その寂しさも結局は時間が解決してくれるのだが。 徒歩旅行でもそうだ。 1時間も一人で歩けば、そ

        • Lycian Way #6 ~いきなりカウチサーフィン~

          ホーリーアロー 9月20日 Lycian Wayを歩き始めて5日目。 この5日目にはウルデニズで体調を崩し、ホテル療養した日はカウントしていない。 純粋に活動した日である。 時刻は7:30。 モバイルバッテリーの充電を進めながら荷造りをする。 本日は22㎞先の野営地を目指す。 アップダウンの少ない平坦な道歩きがメインになる。 道中では2か所ほど遺跡を観光する。 さながら安息日の様だ。 朝食のエナジーバーを喉の奥に放り込み、キャンプ場を後にした。 昼食休憩も含め、歩き始

        Lycian Way #9 〜サヨナラcolor〜

        マガジン

        • OTLHT 100kmハイキング
          7本

        記事

          Lycian Way #5 ~deep in Turkey~

          肝心なことが分からない。 静寂な野営地で一晩を過ごした。 テントの中に太陽の日が差し込むのと同時に起床。 いい朝だ。 「今日も一日頑張ろう!」 そんな気持ちでササっと荷物をまとめて野営地を後にした。 この日は約20㎞先のパタラビーチ≺Patara Beach≻を目指す。 山からいくつかの小さい町を経由して海を目指す。 基本的には下り道だ。 歩き始めてから30分ほど経った頃、小さな集落を通りかかった。 この集落には、昨日から目指していたシジマ遺跡がある。 集落に入って

          Lycian Way #5 ~deep in Turkey~

          Lycian Way #4 ~桃色に染められて~

          地獄の谷 翌朝、カバクビーチを出発した僕はパラダイスビーチ≺Paradise Beach≻を目指した。 本日の計画は、パラダイスビーチを経由してSidyma遺跡手前のキャンプサイトで宿泊するというものだ。 キャンプサイトとは言うものの、ただの拓けた土地である。 シャワーやトイレがないことはもちろん、水も補給できないだろう。 つまり、今回の旅で初めて野営をすることになる。 パラダイスビーチまでの道のりは、岩がごつごつと隆起した海岸沿いを歩く。 分かりやすく言うなら「伊豆

          Lycian Way #4 ~桃色に染められて~

          Lycian Way #3 ~トルコのビジネスに潜入~

          おじさんハイカーとの遭遇 翌朝、風邪の状態は少しマシになっていた。 喉の痛みは引き、鼻水だけがしぶとく残っていた。 万全な状態とはとても言い難いが、歩けないほどでは無い感じだ。 それよりも、出発のタイミングを遅らせることによる嵩む宿代のほうが気になった。 このホテルで今後使うことのないであろうガスバーナーと折り畳みコップを手放した。 少しでも荷物を減らし、少しでも体にかかる負担を減らす。 使わないものを持っていても仕方がない。 たかが数グラム、されど数グラム。 そんな

          Lycian Way #3 ~トルコのビジネスに潜入~

          Lycian Way #2 ~そして僕は途方に暮れる~

          おばあさんVS魚 重い腰を上げてLycian Wayを歩き始めたのは、フェティエに到着してから3日目のこと。 もう少し滞在したい気持ちを押し殺して歩き出す。 帰国便のリミットがなければ一週間は滞在していただろう。 歩き始めは息が上がる上がる。 体も環境に慣れていないせいかだるい。 アスファルトの坂をしばらく歩くと途中で砂利道にそれる。 それっぽい道に入った。 とげとげの葉っぱが多い道だ。 短パンの僕には試練の道。 早速Lycian Wayの洗礼を受ける。 アスファ

          Lycian Way #2 ~そして僕は途方に暮れる~

          Lycian Way #1 ~重い腰が上がらない~

          トレイルの玄関口へ 2023年9月11日22時に羽田空港を飛び立ってから、チャンギ空港(シンガポール)→イスタンブール空港→ダラマン空港と計2回の乗り継ぎを経てダラマンという街に着いた。 ダラマンからは空港前のバスターミナルでFetehiy行のバスを見つけ、それに乗車すれば簡単に目的地フェティエ(Fetehiy)に行くことができる。 今にも発車しそうなFetehiy行のバスを見つけので、駆け足で乗り込むと車内は既に満席に近かった。 空いている席を見つけ、バス後方の5人掛

          Lycian Way #1 ~重い腰が上がらない~

          トルコのロングトレイル、リュキアの道(Lycian Way)

          リュキアの道(Lycian Way)とは リュキアの道(Lycian Way)とは、 トルコ南西部のフェティエ(Fethiye)~アンタルヤ(Antalya)を結ぶ全長540㎞のハイキングコースです。 基本的に地中海沿岸を歩きます。 特徴は、街と山と海が交錯している点です。 小さな町を幾つも経由するので、現地の人との関りを感じれるトレイルだと思います。 古代リュキア人の遺跡を通ったり、海を泳いだり、山にこもったりと色んなフィールドを楽しめます。 また、地中海性気候のため

          トルコのロングトレイル、リュキアの道(Lycian Way)

          OTLHTを歩いてみた~DAY5~【完】

          本日の予定 まずは14㎞先、OTLHTの終点<Lake Okeechobee>を目指す。 その後、そこから北東に22㎞進んだ先にある町<Indian town>に向かうというものだ。 Indian townにホテル、タクシーがある可能性を信じて歩く。 そして我らがマクドナルド様がいらっしゃる。それは確認済みだ。 最悪、ホテルがなくてもマクドナルドのWi-Fiを使えばどうにかできるだろう。 町までついたら食料を補給し、一直線に始まりの地<Hobe Sound Beach>を目

          OTLHTを歩いてみた~DAY5~【完】

          OTLHTを歩いてみた~DAY4~【天罰】

          OTLHT ~DAY4~ 本日の目的地は16㎞先の<Loop 4 campsite>。 比較的距離は短いが、本日の天気も雨時々曇りといったところだ。 まずはすぐ先にある川<Big Gopher Canal>で水を補給する。 川というより貯水池のような水。 比較的透明度は高かった。 直近のトレイルログによると、ここで大きいアリゲーターの目撃情報があった。上から相方に警戒してもらい慎重に水を汲む。 余談だが、夜間や暗い時間帯にアリゲーターのいる水場で水を汲むと、小動物と間違

          OTLHTを歩いてみた~DAY4~【天罰】

          OTLHTを歩いてみた〜DAY3〜【感謝感激雨・・・】

          OTLHT〜DAY3〜 3日目の朝を迎える。 本日は約35km先の「Little Gopher campsite」を目指す。 天気は曇り時々雨。 天気予報では夜に雨は降らなさそう。 そこでゆっくり焚き火を堪能するというプランだ。 2日目の豪雨にうんざりしていたが、今日の夜に雨が降らなければ万々歳だ。 濡れた靴下を履き、濡れた靴に無理やり滑り込ませる。 この上なく不快だ。 それでも、歩き通すという使命感に駆られ、重くなった靴と足を進ませる。 まずは、昨日見つけたウォー

          OTLHTを歩いてみた〜DAY3〜【感謝感激雨・・・】

          OTLHTを歩いてみた~DAY2~【ご対面】

          OTLHT~DAY2~ 2日目の朝を迎えた。 手早く朝食を済ませ、出発の準備をする。 朝食はホテルのモーニングから数個拝借したマフィンとインスタントコーヒー。 無料でいただけるものは容赦なくいただくのが節約のコツ。 本日の歩行距離は約20㎞。 途中に渡るハイウェイ沿いにコンビニがある。 コーラ、温かい軽食が自然と頭に浮かぶ。 歩き出してすぐ小川に到着。 今回の旅で初めて見る小川に興奮した。 「川だ!!!」 ダイアモンドを掘り当てた人間のように大げさなリアクション。

          OTLHTを歩いてみた~DAY2~【ご対面】

          OTLHTを歩いてみた。~DAY1~

          今回はOTLHTとは「実際どんなトレイルなのか?」について僕の思い出と一緒に書いていきます。 僕たちの場合、東の<Hobe sound beach>から西の<Lake Okeechobee>に向かうWest Boundで歩き始めました。 過去に歩いた人のLogをざっと見た感じ、東行きのEast Boundで歩く人が多い印象を受けました。 恐らく唯一の補給地点であるコンビニが、東側にあるからだと思います。 まぁあとはフィナーレに美しい海を見れることも関係してそう。 お店もあ

          OTLHTを歩いてみた。~DAY1~

          OTLHTを歩くまでの話。~ロングトレイルの神様が微笑んだ⁉~

          こんにちは。minatoです。 今回は、 なぜ現地に行って初めて知ったOTLHTを歩くことになったのか についてお話ししていきます。 なぜOTLHTを歩くことになったのか。 そもそもの目的はFT <Florida Trail> をハイキングするために渡米しました。 FTは以前の記事で説明したOTLHTのメインのルートになります。 全長は約2100kmのいわゆるロングトレイルです。 通常2〜3ヶ月かけて歩くトレイルになります。 それではFTを歩きに渡米したはずの僕が、

          OTLHTを歩くまでの話。~ロングトレイルの神様が微笑んだ⁉~