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詩『母と父のための狂騒曲』

…駆けて……輸血の行方………
……欠けて………青空の逃走…………
………掛けて……………喇叭の悲鳴……………

(はあ、吐いて、吸って、すう)
(水仙、綻んで、推薦されて、、水洗で、、、垂線、流して、、、、
(各国の地平線、の、向こう側、へ、飛んでいって、))
((産みの苦しみ、)人掻き/蓋搔き/身搔き/して、)
(すう、吸って、吐いて、はあ)

はははははははは、はなしがちがう、否、ちがわない、否、ちがうにきまっている、はははははははは、もういちどはなしをしよう、肉体的な片乳を差し出してくれていた母へ、

いんぷっと⇄あうとぷっと
無線のすきゃなーで
哲学を取りこもうか
無線のぷりんたーで
思想をぷりんとあうとしよう

リクライニング倒したら、室内の草原が広がる。しばし目を閉じて、つぼみの慟哭を鼻で捜査しよう。感覚と感覚の谷間が口を開けて、じっと待っている。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚、ーーーーーそして第六感。それらは独立しながら、つねに接続を試みている。ぱっと繋がったとき、ばっと合わさったとき、ざざんと押し寄せてきたとき、感覚と感覚が刺激し合う余波におそわれる。フレックス制の泡立つ皮膚。石鹸水が調合されて、ぶくぶく膨らんでゆく。ばぶばぶ、ばぶる。それもまた赤子の感覚に働きかけてくるんだ。ばぶー、ばぶー。

?……シャボンのゆめ……まぼろしが……膨張しては……波間に……消えてゆく時間……永久ライト壊れて……トワイライト……トーンダウン……重低音……倒れこんでくるドドド、ド……夜の入り口……或るハスキーな……チェロの進化論……一進一退……紺色のグラデーション……濃淡の幅が……時雨れていって……弦楽器の鼓動が……息遣いが……加速してゆく……どっくん、国⚪田独歩、どっくん……立憲君主制の是非……脱皮したNippon……跳躍しきれていないJaponism……許すまじ改憲の会見を……日の丸の赤が…赤子の赤が……萌える……燃える……左胸がたかく波打っている……あおい時代の……love……letter……書き出しが弾んで……飛び散って……滲む硝子ペンのインク……青空の喉が……からからに……擦れるまで歌え……拍手……謳え……喝采……すたんでぃんぐおべーしょん……!


(キコエル?キガエル?キチガエル?キキチガエル?蛙の子は蛙、おたまじゃくしに手足が生える、映えた田圃と畦道の草いきれ、蒸れた青々しい匂い、甦る、緑色の液体、野生化してゆく原風景を水筒に詰めこんで……キチキチ、キチヘカエル?)

四季折々の野菜をたっぷり、ミキサーに入れて、一気に、(我ーッッッ)、撹拌せよ、確信犯!旬の山盛り野菜と果物に埋もれたい、お腹の風船が破裂するくらい野菜と果物が食べたい、動物並みの、いや、我ら、哺乳類、四つん這いどうぶつの親戚同士なのに、
『どうしても二足歩行しなくちゃいけないの?』
『ルールだから?』
みえない檻だらけ、ガガガ、学校も家庭も職場もミキサーへ放りこんで、スムージーにして、

…引いて……直系の血筋………
……垂れて………極刑の求刑…………
………免れて…………樹形の再建……………

(さあ、再生のためのFamily treeを描いて、もくもくもく、黙々と供養、(木曜日にひと休み)肩の荷を下ろす金曜日の夜、))


ちちちちちちちち、やくそくとちがう、否、ちがわない、否、ちがうにきまっている、そうだ、ちちちちちちちち……思想でふくらんだ片乳を携えてくれていた父へ、


photo:1見出し画像(みんなのフォトギャラリーより、here.wedding 荒井夏樹さん)

photo:2~4、フリー素材
design:2~4、未来の味蕾
word:2~4、未来の味蕾

#創作大賞2023 #オールカテゴリ部門



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