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有機小松菜を育てるTOGO GREEN WORKSに行ってみた!【vol.1:種まき】

アイチョイスに出荷している様々な農家さんを紹介していくこの企画。
まず初めは、7年前に普通のサラリーマンから有機農家に転身したという松田さん!
今回は、種まきから出荷まで有機小松菜の栽培に密着しました。

「有機農家ってどんな仕事?」
「なんで農家になったの?」
などなど、栽培の裏側も楽しみながら読んでみてください^^

日本の有機栽培面積は、農地全体の0.3%。
そんな貴重な有機栽培がどのように行われているのか、3か月間密着していきます!

取材したのは、愛知県東郷町のTOGO GREEN WORKS。
町内で唯一有機JAS認定を受けた農家さんです。

今回は、有機小松菜の種まきにお邪魔しました。

有機小松菜農家 松田さんの畑に行ってみた!

こちらが2022年から有機小松菜を栽培しているハウスです。
TOGO GREEN WORKSでは、小松菜・ほうれん草・水菜・かぶ等の冬野菜をメインに栽培し、他にもきゅうり・ピーマン・にんじんも扱っています。

脱サラし、2016年に農家に転身したTOGO GREEN WORKS 松田洋幸(まつだひろゆき)さん。

栽培していておもしろい野菜は「ピーマン」だそうです。
コツがつかめてきたので、今後は栽培面積をもっと増やして頑張りたいと頼もしいお言葉をいただきました。

なんと、長女はプロテニスプレーヤーの松田鈴子(まつだりんこ)さん!
鈴子さんだけでなく、3人のお子さん全員がテニスをやっていて、松田さんご自身はテニス観戦がお好きとのこと。

趣味はDJで、今でもレコードが自宅に30,000枚くらいあるという音楽好きな一面も。

畑の広さはテニスコート55面分

TOGO GREEN WORKSでは、11棟のハウス25a(※)、野外の畑(露地栽培)120aを組み合わせて、一年中出荷できるように計画を立てています。

管理されている面積は、合計でテニスコート55面分!
この面積をご本人・奥様・パートさん4名で管理しています。

本日、種まきをするのは、こちらのハウス。
手で掘れるくらい、ふかふかの土が特徴です。

※1a=100㎡

種まき時期の天気予報チェックは1日4回!?

では、種まきの様子を見させていただきましょう。

今季は11棟のハウスにそれぞれ3回(種まき~収穫までを3回実施)、15aの野外の畑に1回まくそう。

使用する種はなんと200,000粒。
かなり多いですね。

これほど多くの種をまくなんて・・・と気が遠くなりそうな作業ですが、相棒がいます!

その名も「種まきごんべい」。

種まきごんべい(横)
種まきごんべい(上)

おもしろい名前ですが、れっきとした商品名。
種を容器に入れ、押して歩くだけで、種まきができる農機です。

これを使って今日の種まきは30分くらいであっという間に終了しました。

今回取材にお邪魔したときの天気は雨でした。
ハウスでの作業は天気に左右されることはないですが、屋外の畑だと大変!雨だと種まきごんべいがうまく使えないため、予定通り作業ができません。種まきを予定しているときは天気予報を1日4回も見るそうです。

天気予報とにらめっこ・・・松田さんの苦労は計り知れません。

有機小松菜農家 松田さんに聞いてみた!

今年で農家になって5年目の松田さん。

どのような経緯で農業を始めたのでしょうか。
そして、栽培のこだわりや今後の展望についてもお聞きしました。

農業を始めたきっかけ

編集部:農業歴と有機栽培を始めた理由を教えてください。

松田さん:もともとはハンバーグの横に添えてある野菜すら食べないくらいだったんです(笑)
でも妻が宅配の野菜を注文するようになって、そこで初めて野菜って美味しいなと。
その後、農業について調べていくうちに、農業をやっている人が減っているのに、食べる人口は変わらない・・・。
これはビジネスとしてやっていけるんじゃないか!と思い、有機栽培を始めました。
自分が作る野菜の付加価値としても、有機栽培がベストだと思ったんです。
補助金等もしっかりしていて始めやすかったですよ。
2016年から1年間研修を受けて、その後独立しました。

種まきに向けての準備

編集部:ふかふかな土ですね!いつから準備を始めましたか?

松田さん:8月中旬の暑い時期に、食物残渣(しょくもつざんさ)(※)の肥料をまいて耕しました。
その後水を撒いて、透明のビニールで土を覆いかぶせて「太陽熱処理」を開始。
この時期のハウス内の温度は70度を超えることも。
汗だくになりながら作業しました。

※食物残渣・・・加工や調理で出た野菜くずなどの食品由来の廃棄物のこと。水分を取り除き、微生物による分解・発酵を利用して肥料になる。

食物残渣の肥料を使う理由

編集部:なぜ食物残渣の肥料を使うのですか?

松田さん:微生物と微量要素(※)が豊富だからですね~。あとは、自分たちが食べたものから肥料が作られて、それを使って野菜を作り、それを食べる。
この循環型農業が有機栽培本来の姿ではないかと。

※微量要素・・・野菜の成長に必要だけど、ほんの少しの量だけあればいい肥料の成分。

食物残渣の肥料

有機栽培で一番大事なこと

編集部:有機栽培で一番大事だと思うことは何ですか?

松田さん:できる時にできるものを作ることですね。
できないときに頑張るんじゃなくて、できるときにいかにきちんと良いものを作るかが大事だと思います。
適期って大事ですよ。

将来の展望

編集部:将来の展望を教えてください。

松田さん:豊かに生活すること!
モットーは「いい加減は良い加減」。
時間を農業だけに費やさず、いい加減にできるよう考えて取り組んでいます。
今後も自分が作ったものを売る、のではなく、必要とされているものを作る、この流れで取引先とより良い関係性を築いていきたいと思っています。

松田さんのハウスと畑

芽はいつ出るの?

今回は松田さんの人柄や有機栽培への思いを知ることができました。
ふかふかな土で作られた野菜たちが私たちの食卓に届くのですね。

そして有機栽培を通じて自然環境を守れるなんて素敵です。
さらに有機野菜を食べて応援したくなりました。

芽が出るのはなんと3~4日後!次回もお楽しみに~

※こちらの記事は、2023年11月10日「みっくすなっつ」に投稿された内容です。

👇「みっくすなっつ」の記事はこちら
有機小松菜を育てるTOGO GREEN WORKSに行ってみた!【vol.1:種まき】|つくる人のはなし|みっくすなっつ アイチョイスのWEBマガジン (ichoice-coop.com)

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