最近読んだ本22

『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』です。

最初に本書のダメなところを3点挙げます。
・p91のジェンダーニュートラルなデザインは2024年現在、完全に時代遅れです。各国いわゆる正常化への舵を切っている時期にさしかかっており、こんなのはキリスト教国の歴史や医学、生物学といった常識を持っていればわかりきったルートですので、読んだ方には「迂闊に流行りに乗るなよ」とだけ申し上げておきます。ネット社会において黒歴史は容易に消せません。デジタルタトゥーってやつです。周回遅れで流行りに乗ろうとする日本が心配だわ。
・書いてあることは逐一正しいのに、冒頭に例として挙げられている成果物がひとつとしてよくない。美しくない、心に刺さらない。本書中に説明もありましたが説明を読んで尚、「で、コレ?」です。ターゲット層じゃないからかな……? にしても「背景に沈みそうなフォントの細さ」とかマジかと思いました。
・世界中どこの国でも「安いのが正義」という層はいますので、他社より安く売れますという企業は「ブランディング、何くそ」でいいと思います。そういう視点が丸っきり抜けています(そんな企業はそもそもデザイン事務所へ仕事を持ってこないから、関係ないもんね……)。ただこの「安さ」というのは究極の強みです。貧しい国でも売れるということだもの。そしてその貧しい国の貧しい人を、ほんの少しでも快適、豊かな気持ちにできるのなら、それはお高くとまったブランドよりよほど企業としての社会的使命を果たしていると思うよ。

逆に本書のいいところは、ブランディングの基本を丁寧に(理論的に、体系的に)解説しているところです。めっちゃわかりやすいよ。
欲を言えば、有名な企業の例があるとよかったです。

想定の読者層としては、
・デザイナーやマーケターを目指す大学生
・小さなお店を立ち上げたい若い人

あたりかと思います。その他のビジネスマンにとっては「なんとなく知ってることのおさらい」になると思う……。

あんまり褒めてなくてごめん。

読みながら、「(本書には一切出てこない)佐藤可士和は天才なんだな」って思ってました。

内容、ほぼ覚えてませんw すみません。ただ「衝撃(感銘)を受けた」ことは覚えています。

「ブランディングをざっくり学びたい若い人」に、上記2冊をおすすめします。

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