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クレーム対応の謝り方と誤り方

クレーム対応というのは、いつの日も商売の悩みのタネだと思う。

ここではニトリ、GACKTさんとローランドさんの対応などから、クレーム対応への想いを綴らせていただきます。

どうも、ムジン(https://twitter.com/MKP3share)です。

ネットショップのオーナーになったあなた

今回はあなたがネットショップを開いたとしよう。
雑貨店のショップオーナーである。

そこで扱う商品にどんな配慮をしても、万人の満足感を100%にできないのは間違いない。
クレームは必ずある。
しかも売上が上がれば上がるほど、クレームは増える。

配送、商品クオリティ、問い合わせがあれば応対品質

クレームの原因は様々で、クレームという単語を見て、過去の嫌な思い出がフラッシュバックしたり、脳裏にクレームの対応風景が思い浮かぶ人も少なくないはずだ。
※私もそうなんですけどね。

同時に、クレーム対応に関する姿勢で、企業価値やブランドイメージが変わってくる。
クレーム対応で、企業イメージは向上できるわけだ。

クレームは、顧客側の勘違いというケースもあるが、それも顧客側に「あなたの勘違いよ」と説明する必要がある。

クレーム対応は企業としての姿勢を示すいい機会でもあるのだが、どうもそのあたりの理解がない企業や、理解のない企業代表が多いのも実情だ。

応対品質の向上の重要性

応対品質という言葉を使った。

では、顧客の問い合わせに対し、応対品質が低いとはどういうことだろうか?

それは、

第一印象
顧客の抱える不満に共感する
顧客が求める情報を提供する
顧客が満足する

上記のようなことができていない状態だろうと思う。

第一印象が持つ応対品質

第一印象というのがある。
私は、人は見た目が10割だと思う。
それだけ第一印象が大事ということだ。

これは、顧客応対としては、メールだろうがチャットだろうが、電話だろうが変わらない。
顧客はクレームを言うくらいだから、ここでは手元に届いたあなたの商品に、不満を持ち怒っている。

そこで第一声の大事さ。
メールでもチャットでも電話でも、あなたがネットショップ上に用意した窓口がある。
問い合わせがきて、それに返事をする。
丁寧に言葉を選んで、ひとつひとつの問い合わせに応える。

いや、第一印象とはそのことではない。

クレーム応対の窓口を案内する文言であったり画像であったり、実はそういったところから、第一印象が作られる。
ネットショップの第一声とは、顧客が問い合わせる前にネットショップ自体に何が表示されているかということ。
応対前に第一印象が決まってくるのだ。

わかりやすいQ&Aがあり、そこを見ても顧客が抱える問題が完全には解決しなかった場合に問い合わせをするのと、問い合わせはこちらとして窓口だけがある。
どちらの第一印象が良いだろうか?

電話でのクレームだったとして、顧客が怒っているのに、応対がモゴモゴ会話しはじめたり、手際が悪かったり、的はずれな案内が始まったりしたら、もう第一印象から最悪だ。

第一印象は、あなたのネットショップを向上させ、ブランディングをするためにも重要な要素である。

何よりも、あなたのネットショップには、顧客の求める情報があるか?それが第一印象としてわかる状態にあるか?ということが、第一印象を良くする。
「あんなに詳しく説明してあるQ&Aがあったけど、私がわからないのはここだけ」と問い合わせしてもらえるか、「問い合わせ窓口があるからここから連絡してみるか」という問い合わせは、顧客の精神状態にも質問の粒度にも雲泥の差がある。
第一印象が大事なのだ。

顧客の抱える不満に共感する

実際に顧客から問い合わせをされたとして、顧客の味方なのか敵なのか、スタンスを勘違いしている人は多い。

とりあえずは、顧客の味方にならなければならない。
性善説をベースにし、応対するのが基本スタンスになる。
問い合わせしてくる顧客は全員悪人と想定するなら、あなたのネットショップにアウトレイジ感が出てしまう。

顧客を敵として対応する人はセンスを疑うが、結構多い。

電話対応をする際に、一日に何度もクレーム対応をすると、応対側も心が疲弊するかもしれない。
次の電話に「またクレームかよ」という気持ちで応対する。
クレームを入れる側は1回目、応対側は数回目。
応対側が応対数回目感を出した時点で、顧客の第一印象は悪くなり、顧客の不満に寄り添えない。

これでは問題解決は難しい。
人は感情の生き物だ。

顧客は問題が解決しないことより、問い合わせたこと自体に後悔する。これは最悪である。

顧客の抱える問題に共感しないと、問題解決の答えは出てこない。
これは私が普段、クライアントと案件相談を密にすることにも繋がっている。
簡単に案件を引き受けない。
よく話し、よく聞く。
気持ちで寄り添えていない時は、良い仕事はできない。

顧客が求める情報を提供する

私の体験だが、お役所関係への普通の問い合わせで、そこでよく窓口担当者の「あんたの質問はアホらしいわ」というスタンスを感じることがある。

実際に私はアホなので、そこはいいのだが、はじまる説明が不要なものであり、「いや、それはわかってて、そうじゃなくて、これの説明をお願いしたいんだけど」という話をしても、「いえ、そう言われなかったので説明しませんでした」などと言われることがある。
いや、最初から言ってるんだけど。
※何故かパターンになってる

責任者を出せ!と言いたくなるのはこの瞬間だ。

結局、その窓口担当者が答えが出せず、役所の別の担当者に話を聞くことになってしまうのだが、
「さっきの人、なんなの?全然言ってること違うけど」
「すいません、教育が…」
※これも何故かパターンになってる

これは教育以前にその応対者の素質だと思うが、顧客の求める情報を適切に提供することが、全体のコストを下げ、顧客満足度を上げる。

ネットショップの第一声とは、顧客が問い合わせる前にネットショップ自体に何が表示されているかということ。
応対前に第一印象が決まってくるのだ。

上記のように冒頭で書いたが、ネットショップは情報を拡充しやすい。
印刷物だとそうはいかない。
ネットショップは、情報拡充が容易だからこそ、情報は豊富に用意するべきで、豊富な情報量を区分し、顧客にわかりやすく伝える必要がある。

よくある質問、Q&A、お客様の声、メール・チャット・電話諸々の問い合わせ手段などもそう。
商品情報もそう。
あなたが伝えたいことと、顧客が知りたいことのマッチングが下手だとどうなるのか。
ちょうど例があったのでご紹介しようと思う。

デザイン模倣問題

G&Rのパクリ騒動について

ローランドから皆様へご報告

私が勉強している横でかみさんがこの動画見ていて、内容をある程度把握した中で、この記事にふさわしいと思ってご紹介させていただきました。

クレームには、クレームをつけた側、つけられた側のどちらが悪いのかが曖昧な場合もあるが、これははっきりとクレームをつけられた側が悪いケース。

ここでの議題は、GACKTさんの説明スタンスは顧客が求めたことなのかどうか?ということだ。

対してローランドさんの説明スタンスは正しかったのか?ということにもなります。

結論から言うと、当事者意識の差が、いいねの数になってしまったといえるかと思います。
自分の主張を伝えたGACKTさん、被害者に寄り添ったローランドさん。
対照的だからこそ、差が出てしまう。
応対品質の差になってしまっています。
(※因みに私は初期のMALICE MIZERのファンでもあります)

ただ、この動画、既に圧倒的な差がある部分は差し引いて見ていただきたい。
ローランドさんに途中インタビューする人が聞き手としてうますぎるのである。
これはなしで、冒頭からの主張そのものを見てみよう。

GACKTさんの動画は経緯の説明である。
ローランドさんと事業をやろうというところから、現在のデザイン模倣問題までの経緯を説明している。

その中で、アパレル会社の代表者に苦言を呈してきたきたこと、それでも今回のデザイン模倣問題が起きたこと、一人のデザイナーがプレッシャーによりデザイン模倣をしてしまったこと、ファンへの謝罪、ローランドさんや門さんへの気遣いなどがあるのですが、なんだそれ?というのが始まるのが、7:30あたり。

失敗をした会社にチャンスを与えたい

これでは、騒動の当事者意識ないのかなとなってしまうのです。
今、それはあなたが言うことなのか?
という違和感が出てしまいます。

経緯説明は大事です。
謝罪するべきは、実際に被害にあった顧客と関係する人たちで、世の中全てに謝罪する必要もありません。
※特にアパレル業界に広く謝罪する行為は必要かもしれないが、強制はできないしするべきでもない
経緯説明の動画であるなら尚更です。

ところが、失敗した会社に対し暖かく見守っていくというような説明に対しては、経緯の説明でもなんでもなく、内部の話且つ事後の話ではないでしょうか?

問題解決の段階を一段抜かし状態。
この問題が落ち着いてから語るべきことで、今、騒動が表面化したばかりの状態で、当事者が言うべきものではないのは明らかです。

ローランドさんの方は、冒頭から謝罪です。
時系列を追って説明していく動画になっていますが、自分の立場を明確にし、何に対して謝罪しているのか、どう思っているのかを含め、事の起こりと顛末を丁寧に説明しています。

また責任の取り方についても言及していて、プロジェクトからは離れるが、事後の対応は継続すると明言されています。

ローランドというブランドを使って商いをされている分、そのブランドへの信頼を裏切ったこと、騒動の今、顧客やファンの今に寄り添った動画になっています。

未来を語るGACKTさん、今に寄り添うローランドさん。

全ての内幕を含めた経緯を知らない外部の人間からみたら、あなたが先導しているブランドの不祥事なので、距離感間違ってませんか?というのがGACKTさんの動画になってしまう。

顧客が求める情報を提供できたのはどちらでしょうか?

あなたの名前が出ているネットショップで、スタッフがミスをして、顧客の信頼を裏切ってしまいました。
顧客からクレームがあり、そこであなたは顧客に対し、スタッフを見捨てない、一度のミスで切り捨てて終わりではない、これからも教育していくと発言しました。
むむむむむ?????

顧客が満足する

最後に顧客満足とは?を考えます。

私は言いたいことは言うタイプ。

近年クレームを出したなという事例はTwitterでの書き込みを貼り付けておきました。

私がクレームを出す時には基本的に、

窓口の人は謝らなくていい

おたくの商品の不備があるのは、あなたのせいではなく、何も考えないで売っている上の人

というスタンスがある。

そこでニトリが出てくる。

私が購入した商品が欠陥商品であるのは間違いなく、二度とニトリでは物を買わないと名指しで批判するくらい、いい加減な「会社」対応だった。

これは店舗窓口はクレーム対応を頑張っていたということだ。
私が会社としてどうなのか?という問いをしたことに対し、顧客が抱える問題が解決していないのに、いつの間にか連絡もなくなった。
自然に解決したことにされたのだろう。

これは会社の対応姿勢がおかしいということだ。
窓口担当者は、自身の裁量でできる範囲はやっているが、顧客が問題が解決したぞ!と宣言するまでは解決ではない。
クレームの感情を残している。

ずっと。

そうなると、何かの問題が出た時に、またあの会社は!と憤る。
そういったネガティブイメージは簡単には消滅しない。
ネガティブなイメージを持たれたまま、顧客をないがしろにするような応対というのは、会社全体として是正すべきだろう。

クレーム対応に思いを馳せる

あなたがネットショップオーナーとして、顧客に対しあいまいな対応をすれば、意味を曲解されて、ネガティブなメッセージとして、SNSで拡散されるかもしれない。

満足度=UX=User Experience

「ユーザー体験」を向上させるというのが、昨今のECサイトに求められるテーマであったりするわけだが、良い商品を提供し、よりよいユーザー体験を提供すること、それに加えて、ユーザーが思い描いたよい体験を得られなかった場合に対処する必要がある。

クレーム対応はチャンスでもある。
クレームを出す人は全員ではないからだ。
怒っていて直接文句を言うよりも、二度と関わりたくないと思う人もいるのだから。
わざわざクレームを出してくれる人は貴重である。
悪いところを改善できる。

解消されないネガティブな感情は、確実に会社のブランドイメージを傷つけ、売上を下げていく。

クレーム対応に常に神対応をしろというわけではなく、スタンスは常に顧客側に寄り添って欲しいものだと思うのだが。

あなたはどう思いましたか?

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いつもお読みいただき、ありがとうございます。 書くだけでなく読みたいので、コメント欄で記事名入れてもらうと見に行きます。