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新宿歩く一駅分の思想

夜の新宿のはずれから新宿駅まで歩く20分の間のnote。

夜の新宿はまっすぐ歩くと安全なのに横道にはいるとアブノーマルな空気が混ざりあってくる街だと思う。

みんな昼間は大人の顔して歩くくせに、夜になると化けの皮が剥がれる街。

二丁目では多様な性と愛をごった煮してる。真理をつく思考の持ち主が仮装で道化をしてる。

ゴールデン街では明日には顔も覚えてない人のおごりで酒を飲んでいる人がいる。セックスの話と震災復興の話が等身大の言葉で語られる本音の世界。

歌舞伎町の近くでは酉の市が開催される神社が美しくそびえてる。歌舞伎町を面白そうな目で眺めてた観光客にはその横の荘厳な神社も商業施設みたいに見えるのかな。

駅前の広場では誰でもいいから異性を引っ掛けたい人間が声をかけてくる。人に相手にされることで自己肯定感を自己肯定感を上げたいのかもしれない。

自分の目的を持ってない人がこの街を歩いたら、なにかのひょうしに飲み込まれていくんだろうな。

この街はそんなに集まりたくなるほど魅力的なのかはわからない。

ねえ、大きい鞄を地面においてしゃがんでるハーフツインの君、ピラピラの可愛い服が汚れそうだよ。

人に埋もれてもさみしさは減らないよ。

ここじゃないどこかを探してても足元の場所を作ることからしか見つからないよ。

お金で買える愛っぽいものはお金とともに消えていくよ。

さみしい人がふらっと人影を求めてこの街に来ないと良いなあ。

なんて。


これから私は焼き鳥を食べるけど、目的があるときに来るくらいの街でいいと思うよ。


ここではなんでも買えるけど、ときどき欲しくなるお金で価値が測れないものはここにはないよ。

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