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アナタとワタシの世界について

仕事をするうえで意識してきたのは
「私が思っていることが正しいわけじゃない」
ということ。

特に障がいがあることで、自分の思いを上手く伝えられない人にこちら側の価値観だけで決めたくないと思ってきた。

今週、職場の会議で上司が言った
「利用者さんにもっと仕事をさせればいいと思う。そうすれば使命感が生まれて頑張ると思うの」
という言葉に久々に憤慨した。

上司は以前から決めつけでモノを言うことが多い人で、私とは考え方のフィールドが違う人だと思う。

上司のやり方でやる気を持つ人もいるかもしれない。
しかし、そうでない人だっている。
やらなければいけないことが増えると苦痛に感じる人だっているのだ。

他人を、理解しないで決めないで欲しい。

一緒に働くスタッフに対しても上司は「〇〇するのが当然だ」と言う。
そして、自分はやらない。

自分のルールはまず自分が守ってほしい。

会議の中で、上司以外のスタッフに伝えたのは
「相手をよく見て、今どうすればいいのかを考えたいと私は思います」
だった。上司はいたけど分かってないから伝える気にならない。

会議の後、一緒にいたスタッフから「どうしてそうゆう考え方が出来るようになったの?」と聞かれた。

それは、きっと私が障がいのある当事者の家族だからかもしれない。

私の下の弟(以下「弟B」)は高次脳障害という脳の障がいがある。
他の人より出来ないことがあって、でも彼なりの意思もある。
自分の中で理解できない事は動かないで拒否をしたり、怒ることだってあった。

健常者という位置づけの私と、障がい者という位置づけの弟Bとの生活の中で「どうすれば理解してもらえるのか」を考え続けてきた。

怒ったからといって伝わるわけではない。
弟Bの中で何が納得できない事なのかをこちら側が考えて、伝え方を変えるだけでうまいこと物事が進んでいくこともある。

そして、自分の息子もまた自閉スペクトラム症の疑いが出てきた。
私が今まで当たり前だと思ってきたことが、息子には通じない。
息子の言動が理解できず感情的になることもあって、そうなると息子は「怖い」としか思えず、委縮してしまう。
息子が見ている世界はどんなもので、どんな風に生きていきたいのかを親としてこれまた考えている。

この「考える癖」は何も障害がある人に対してだけではない。

夫との生活の中で、自分とは違う価値観に戸惑うことは沢山あった。
「どうして理解してくれないの?」と喧嘩になることもあったし、夫側が私のことが理解できず怒ることだってある。
そうゆう時、夫と私の間にある認識のズレについて考えていく。
「夫はどうして起こりたくなったのだろう」と前後の出来事まで含めて考える。そして、同じような場面があった時自分がどう言えば心地良い結果になるのかをまた考える。

人付き合いが苦手だからこそ、相手をよく観察している。
それ故に辛くなることもあるのだけど…。

私が見てきた世界がすべてではない。
私以外の人が見ている世界だってある。
それを心に留めて、今日も考え続けていく。


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