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読書日記・2月26日~3月3日

2月26日(月)

片田珠美さんの『子どもを攻撃せずにはいられない親』を読む。親に苦しめられてきた人たちの話が満載で、うっかりすると鬱の闇に引きずり込まれそうになるものの、ここから目をそらしてしまえば、私はいつまでも子どもを攻撃する親のままだ!!!と、自分を謎に奮い立たせながら読み続けた。この本を読んで一番ギクッとしたのが、「○○しないなら、何にも買ってあげないよ」などという脅し文句。これ、私も使ってるわ・・・と落ち込む。こちらの都合で子どもを支配しようとする親になりたくない。反省して改善。

2月27日(火)

水木しげるさんの『昭和史』を読み終わってから、昭和のこと、歴史のことが知りたい熱が高まっているので、澤村修治さんの『ベストセラー全史』を読んでみた。戦後は紙も思うように手に入らない状態だったらしいけれど、人々は本を買い続けたらしく、毎年数十万部と売れていく本がいくつもあったようですごい。ただ、さらっと三行ぐらいで紹介が終わる本と、数ページにわたって紹介されている本とがあって、この差はいったい何なのだろう???と気になった。ページの問題????

2月28日(水)

久坂部羊さんの『嗤う名医』を読む。自宅で息子の嫁に介護されている男性が、息子の嫁があまりにも酷い嫁だと思い、殺意を抱いていく場面が印象的。こういう経緯があれば殺意を抱くこともあるのかもしれない…と、思わされてしまうことが恐ろしい。人の頭の中には入ることができないので、家族であっても相手が何を考えているのかなんて、本当のところはわからないんだよね、と当たり前のことを思った。

2月29日(木)

最近、久坂部羊さんの本と、水木しげるさんの本にハマっている。なので、久坂部さんの『冴えてる一言』を読んでみた。久坂部さん独自の視点でみつめた水木作品の面白さを、私も同じように面白く思えるわけではないとは思うけれど、紹介されている本たちを片っ端から読みたくなった。特に、久坂部さん自身が登場する水木マンガがあるらしいのでぜひ読んでみたい。

3月1日(金)

久坂部羊さんの『老父よ、帰れ』を読み始めた。認知症になった父を施設から引き取り、自宅で介護しようとする男性の奮闘物語。重度の認知症である父親を引き取る主人公もすごいし、何だかんだと受け入れていく家族もすごい。そして、描かれる介護の凄まじさにも圧倒される。一人っ子であり長男の嫁である私にとって、自宅介護はものすごく重たいテーマなんだけど、なぜかこの主人公がけっこうコミカルに描かれているので、重くならずに読める不思議な本でとても面白い。

3月2日(土)

インスタで紹介されていて久しぶりに読みたくなったので、阿久津隆さんの『読書の日記』を読み始めた。物事を白か黒かで決めたりせずに、曖昧なことは曖昧なままで表現している阿久津さんの文章が心地よい。世の中の曖昧なことが多いから、どっちかに決めたりせずに、阿久津さんのように「そうかもしれない、違うかもしれない」という姿勢で生きたいと思う。

3月3日(日)

久坂部羊さんの『老父よ、帰れ』を読み終わる。介護する側は、介護される側に対して期待してはいけない。期待すれば「どうしてこんなことも出来ないのか」と怒りが生まれるという話があって心に響いた。これは介護だけでなく、人間関係全般に言えることかも。相手に期待すればするほど、怒りは生まれやすいってことに見に覚えがありすぎるから。

しかし作品の中で「介護するなら期待するのをやめよう」と心に決めた主人公が、父親の不可解な行動にあっさりイライラと怒りを増幅させていく場面に共感しかなかった。相手が予想以上の行動をしてくると想定しながら介護をするほうがいいらしいけれど、そこまで大きな心で受け入れるのは人間力が試されまくって疲れ果てそうだ。
介護をしている方々、いつも本当にお疲れさまです。


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