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読書日記・人には人の燃費がある

5月2日(火)

明日からゴールデンウィークだというのに、息子は学校に箸を忘れて帰ってきた。連休前に忘れ物をして帰ってくるのが息子は得意で、これまでも何度かそういうことがあった。明日から休みだ!というルンルン気分になってしまい、持ち物にまで気が回らないのかもしれない。忘れてきたのは仕方がないね、と話していたら、宿題も持って帰ってくるのを忘れたという申告があった。しかしよくよく話を聞いてみると、宿題を配られていないことが発覚し、明日からの連休に先生も浮かれている可能性があったのかもしれないと思ったりした。

読んでいたのは、赤染晶子さんの『じゃむパンの日』

最初のエッセイからとても面白くて、こんな文章を書く人がいたのか!という喜びと、しかし赤染さんはもういないのだなという悲しさとがまざって複雑な心境になる。しかし世に出された文章はこうして残っているわけで、それだけでも嬉しいことだなと気づけたことはよかった。最後に収録されている、岸本佐知子さんとの交換日記も楽しい。私は交換日記に悪い思い出しかないのだけど、赤染さんと岸本さんの交換日記を楽しく読むうちに、交換日記の良さを教えられ、交換日記に対する悪いイメージが払しょくされていく感じ。過去のイヤだったことも、こうして上書きされていくのだもの、だから読書って面白いんだろうな。


5月3日(水)

息子とマリオの映画を見に行った。大きな音が苦手な息子は映画館が苦手なため、最初は耳をふさぎながら映画を見ていた。そんなに苦手な映画館なのに、大好きなマリオだからどうしても映画館に行きたい!と思うところに強い愛を感じた。そして早朝の回だったのにほぼ満席だったので、マリオへの愛が強い人達がたくさんいるのかなと思い、愛は偉大だなとひとりでわけのわからないことを考えていた。映画はとても面白くて、もう一度見に行きたいねと息子と話す。あと10回は見に行きたいと息子に言われ、10回ということは子供料金でも10000円かかるという現実にちょっとひるんだ。

読んでいたのは、さわぐちけいすけさんの『妻は他人』

さわぐちさんの奥さんは、少食でお酒も少しで酔える人らしく「省エネだね」とさわぐちさんは言う。一方、夫であるさわぐちさんはよく食べよく飲む人らしく、奥さんから「燃費が悪いね」と言われていて、なるほど!と思った。我が子たちは少食だけど元気いっぱいで、それは「省エネ」だからなのかもしれない。あんまり食べない子どもたちに対して、もう少し食べたほうがいいと毎日口うるさく伝えていたけれど、人には人の燃費があるのだから、自分の燃費で子どもたちの燃費をはかってはいけないんだなと、本を読んで肝に銘じることになった。


5月4日(木)

子どもたちと少し遠出をしようと車に乗って、30分ぐらいたったあたりで私の具合が最高潮に悪くなってビックリした。生まれてから一度も車酔いになったことがなくて、これがそうなのか判断はつかないのだけど、とにかくしんどくて一旦停止してもらう。深呼吸してなんとかやり過ごす。もともと体は丈夫なので、急に体調不良になるとどう対処したらいいのかわからず途方に暮れる。たまたま車酔いにはガムをかむといいという話を思い出し、ガムをかんでみたら気持ち悪さが消えた。すごいな、ガム。

読んでいたのは、蟹の親子さんの『浜へ行く』

ずっと欲しくてでも欲しいと思ったときにはもう売ってなかった『浜へ行く』が再版されると知って急いで予約して、それが予定よりも早く届いたので喜び踊った。しかし一気に読むのがもったいなくて、少しずつ少しずつ、読んでるか読んでないかわからないぐらいのペースでページをめくっている。ああ楽しい。

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