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Xメン ローガン(2017年)【映画感想から逃れることはできない。背負っていくんだ】

エックスメンシリーズの映画は、アベンジャーズに合流することもなく、いったんは幕を閉じました。
気に入っていたシリーズではありましたが。
良くあるハリウッド大作ばかりで、強く思い出そうとして思い返せるものは少ないです。

しかし印象に残っているのが、最後のほうの2作品。
フューチャー&パスト、
ローガン、
の2作になります。
(アポカリプスは全然覚えてない)

フューチャー&パストはタイムトラベルモノになります。
この前回の話で、年寄りたち(エグゼビアやマグニートー)の若いころの話が描かれましたが、これはその続きでもあります。

なんでも未来世界でどうしても勝てない敵が現れ、さすがのXメンたちも全滅必至。
最後の望みとして過去にタイムトラベルして、この勝てない敵(ロボット系)を制作者が作り出す前に止めさせる、という展開です。
で、タイムトラベル先では若い時のエグゼビアやマグニートー(役の俳優さんたち)と再会できるという寸法です。

で、ミスティークが主役を食うくらいの大活躍をするのもこの話。
クライマックスを中ボス的な立ち位置の人が持っていくというね。
これも自分の中では、ひねりにひねったあらすじで印象深かったのですが。

でも、個人的には最も好きなのは最終作の「ローガン」になります。


この時代においては、強敵に追い詰められることすらありません。
ただ登場人物たちは老いて、いなくなっていきます。
あれだけたくさんいたミュータントたちも、老人ボケを発症したエグゼビアとその他ふたり、というところまで少なくなります。
ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)は、まだぜんぜん働けるのですが、まあ元気なのはこの人だけです。一人だけで戦っていた最初の頃に戻ったというか。
といっても老化してもはや不死身でもなく、アルコールに依存するぐらいですが。
これでもまだいちばん元気なんです。
もう希望も何もありません。
だけどマッチョな男は、あきらめることすら許されない。
ただの惰性であっても。絶望しかなくても。
男ってそういうもんです。

そんなとき、若いミュータントたちが各地で話題になります。
もう組織が無いので、組織で庇護するとかまったくできないのですが、
昔の自分たちと同じように何かに利用されて、何やら隔離とか実験とかの対象にされそうです。
特に、自分と同じアダマンタイトの爪を持つ少女。
血縁関係など基本ないはず(ウルヴァリンの遺伝子を元にして作られたとはいえ)なのですが、ウルヴァリンは他人事としては感じられません。血縁なんて関係ないよ!
かつての自分たちを自然と想起させる彼女たちの戦いに、おのずと肩を貸してしまうのです。やはり熱い男だぜ。

燃え尽きようとしていた男に、ふたたび生きる理由が与えらえたんだ。
なんか微妙に筋が違ってたらリンク先で補完してください。

そして。ネタバレお赦しください。
ウルヴァリンもついに退場します。

いなくなったファースト世代にたいして、新しい世代が祈りを捧げます。
キリスト教では「灰を灰に」のところですが、
文化の断絶したミュータント第2世代は、まったく新しい祈りの文句を捧げます。
即興で作ったんでしょうね。

こういう即興でどうにか作った何かが、長い歴史と伝統の起源になるんだ。
その瞬間に出会ってしまったことに、しびれた。

知識として当たり前のような、どんな伝統もその最初の瞬間があったはずなんだ。
今となってはただの形式であっても、最初の時は絶対にそうじゃない。
語りつくせない万感の思いをどうにかして語りたくて、なんとか形にしてみたんだ。へたくそでぶきっちょな詞であっても。

どんなに人がみてくだらなく見えようとも、これが我らの血。我らの歴史。
子どもの子どものその子どもにまで受け継がせることのできる偽りのない生きた証。それが民族の歴史だ。


というか、この祈りの文句。調べても出てこないな。

感動したよ。
渋い、渋いよ。

これはシリーズ最後の場面じゃない。
歴史の最初の1ページとなる場面だ。
この子どもたちの子孫はこの場面から自分たちの歴史を学ぶんだ。

西部劇の名作「シェーン」のセリフとかも引用しているようで、単なるエンタメの枠から一歩飛び出したな。これはもうエンタメじゃないぞ。
私の中では断然もっとも評価が高いです。

映画は終わり、歴史が始まる。






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