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南海に祖国の旗を(海の勇者ボライソーシリーズ第5巻)【ミスタヘリック、右に2点、まずは連中の読書紹介を見物させてもらおう】

本邦に仮想戦記あれば、英国にも海洋冒険小説アリ。
というわけでイギリスの大衆文化。
海洋冒険小説のひとつについて書きます。

映画なら「マスターアンドコマンダー」
これの原作は、ジャックオーブリー艦長シリーズでしたね。

後はテレビドラマ化もされた、ご存じホーンブロワーシリーズ。
有名すぎます。

そして意外と流行っていたのが、本シリーズ。
キャプテンボライソーシリーズです。

こちらは知っている限りで映像化はされていません。
その第5巻が本作、と言いたいところですが、
英国と日本では出版順序が違ったり、そもそも時系列に従って作品を出しているわけでもなく、順序はどうでもいいみたいです。
基本、一冊完結。

で、どれから読んだらいいの?
と問われますと、

やはり一番の醍醐味は、

フリゲート艦の艦長時代(海軍大佐)
当時のフリゲート艦は、いわば速力の速い巡洋艦でありまして、
戦闘から偵察まであらゆる場面をこなすオールラウンドマルチロールプレイヤーな艦種です。
なんでもできるし、なんでもやらないといかん。

そして本国からの連絡が届かない超遠方へ派遣された作戦において、です。
本国からの距離がある場合、いちいちお伺いを立てることはできません。
そんなときの軍艦艦長は、国家の全権としてあらゆる行為を独断で判断して行動しなければなりません。
一艦長の双肩にそのエリアにおける国家の命運が託されるのです。
男、ここに極まれり!
まさにこの自由度と難易度の高さこそが、海洋冒険小説の白眉、醍醐味であります。

(これを宇宙版にしたのが例のスタートレックシリーズです)

これに最も適合する作品が、この「南海に祖国の旗を」になります。
まず主人公ボライソーが、フリゲート艦の艦長だった時代であり、
さらにインド洋(マレーシア付近)にたった一隻で派遣され、宿敵フランスの名鑑長がライバルとして立ちはだかる、それも一対一で。
というドラマ感あふれる設定になっています。燃えるぜ!

私も、この本からボライソーシリーズを読み始めて、8冊くらいで飽きてそれ以降は読まなくなったのですが、最初をこの本にしたのは成功でした。
いちばん美味しいとこ!!

架空戦記も海洋冒険小説も、何冊か読んでくると、大体内容が同じなんで飽きてくるんですね。そうなるともう読めません。
まあよほど奇をてらった作品であれば別ですが。

ちなみにボライソーは1814年ごろに海軍大将として戦死する運命にあるようです。すでにその巻も出ています。

ホーンブロワーはセントヘレナからナポレオンを奪還する作戦を阻止するのが、海軍少将の時の任務なので、ボライソーの方が先輩ですね。
ボライソーはアメリカ独立戦争が最初の戦歴なのです。

海洋冒険小説の舞台は18世紀から19世紀にかけてナポレオン戦争期が主流ですね。
後は第二次大戦期とかかな。
例外として第一次大戦期のスミスシリーズ。
なぜか1900年ころを舞台にしたハーフハイドシリーズなどがあります。
(ハーフハイドシリーズも第3巻は持っていますよ。
日本とロシアを同時に敵に回す英国海軍の話。
基本、ハーフハイドシリーズではほとんどロシアを敵にしてますが、他の列強ともすべて角突き合わせているようです)

まあ、海洋冒険小説と仮想戦記には、あまりにも多くの種類がありますので、すべてを語れません。というか知り得ません。
そしてマンネリ化しやすい大衆小説であるという共通点もあります。

さてそれでは話を元に戻しまして。
主人公が指揮するは34門フリゲート艦アンディーン号(ウンディーネ号)
敵するはル・ショマレ艦長のアルゴス号。おそらく44門艦。
フランス艦はだいたいスペックでは英国海軍を上回ります。
それではみなさん、お楽しみください。
イッツショーーーーータイーームッッ!

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