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鉄道趣味論

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鉄道をめぐる趣味と、それを発信していく事について雑に考える
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2023年12月の記事一覧

中途半端な地方の交通機関

 自分は静岡県の三島のという所の市街地の近くに住んでいる。大学のキャンパスがあったりして、都会でもなければ、ひどい田舎でもないと思う。

 あくまで自分の場合の交通機関の使い分けだが、東京や横浜となると新幹線1択だ。西に行って掛川から先、名古屋辺りだと新幹線。関西や岡山だと日程の関係で片道高速バスを使う事もある。

 北海道は、いくら鉄道好きだと言っても遠すぎるから羽田まで行って飛行機。盛岡や新潟

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怪しかった上野

 前に「男はつらいよ」の寅さんの旅立ちに、上野が似合う話を書いた気がする。

 東京都内にはいくつも「始発駅」があって、東京駅、新宿駅、両国駅なんかが浮かぶんだけど、やっぱり寅さんには上野だ。柴又だから金町に出る方が距離は短いし、実際そう考えられるエピソードも観た記憶があるんだけど、「上野で飲んでるから」の方が印象深い。始発の上野なら確実に座れる。

 寅さんと言えばインチキ商売の話がいくつもある

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GMの旧型国電

 グリーンマックスの旧型国電キットという物がある。これは、特に戦前型に関して言うなら、実在とかなんとかいう事を語る物ではおそらくない。

 カトーやトミーテックやマイクロエースの「特定ナンバー」の旧型国電とは少し異なる存在なのである。

 そこを「実在」に寄せた改造をするというのも有りだし、それを突き詰めたのがタヴァサ軍団だった訳だけれど、それだけが正解ではない。

 実在するんだかしないんだか分

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少年ファンをめぐって

 東京は世界の都市の中で稀有な存在である。何が稀有かと言って、無茶苦茶マニアックな大人の鉄道模型の場を、普通の家族が見に来るような機会が多い。この1点に限って見ても、日本における鉄道模型の特殊性が理解できるであろう。

 自分が子供の頃は、決してそういう所に行きたくなかったが。

 鉄道模型の中でもマニアックと言えるナローゲージの展示を行うグループには、KMC、KBMC、NGJ、クリッターズクラブ

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幻想の廉価版12ミリ

 モデルワーゲンから雄別のコハ(流線型気動車改造)と真谷地のコハフ(やや小型木造切妻?)の模型が出た時は、「なるほど」と思ったものだ。末期の古典蒸気機関車、それも北海道の炭鉱鉄道に似合う客車だったからだ。

 遥々連絡船で渡ってきた北の大地、それも小規模の炭鉱鉄道の印象は、自分も経験していないが、「このような印象だろう」と理解できた。

 国鉄の編成ものならばそれまでも考えられていただろうが、炭鉱

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SL急行は発明だったのか?

 随分前に、「お金を出して缶入りのお茶(緑茶、砂糖も加えてない)の飲料を買う」という行為が普通になったのはいつか? という話で知り合いと盛り上がった。

 だいたいお茶って、鉄道の弁当に対して別買いするものを除けば、タダで出てくるものだったからだ。

 この時期は多分1980年代後半ぐらいじゃないか? という事になったのだが、これを「発明」とするならば、同じような「発明」が思い当たった。お茶とも縁

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