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タロットショートストーリー

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ウェイト=スミス版タロットの大アルカナカードから届いたインスピレーションの物語
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記事一覧

愚者

愚者

君には見えないのか?

この先はあるんだ

それは信じることだよ

君にはわからないのか?

道は自分でつくれる

ということを

そうさ

この先は作るんだよ

君だけの道を

君だけのストーリーを

女教皇

女教皇

誰も入らせない

聖域

白と黒の柱のはざまにいる

幾千の時が流れようと

どんな甘い音が聴こえようと

なにものかに阻まれようと

わたしの護りたいもの

わたしの想いとともに

水は絶えず流れ行く

ひとしずくから溢れ出て

流れ着くのは

月が昇るあの丘

荊の路があろうとも

護ってゆく

運命のストーリーに

書かれていなくとも

想ってゆく

時空間を越えて

水は

わたしの水は

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女帝

女帝

タロットストーリー~女帝~

あるがままに

なすがままに

時間というものは

薬にも

ゴールドにも

そう魔法のように…

時間にはいろんな名前を持っている

ゴールデンドロップ

最後のひとしずくが滴るのを待つように

この一滴が美味しいのよ

人生も美味しくするには然るべき時間の成熟が必要なのよ

皇帝

皇帝

タロットショートストーリー~皇帝~

リーダーは孤独というけれど

なかなか退きたくないのだな

だってここは特別な場所だからね

退いたらどうなると思う?

椅子にいる羊に語りかけてみるさ

羊が暴れたらこの椅子は壊れるだろう?

安定させるって難しいのさ

けれどそれだと退屈かい?

護られてるってことは誰かがそれを統べているからさ

プライドとかそんな名前で呼ばないでおくれ

教皇

教皇

理(ことわり)はそれを重んじるほどに枷をつくっていく

崇高にあるということの窮屈さ

わたしのうちには悪魔がいる







それを知っているからこそ伝えることができるのです

堅苦しく、正論ぶっているようにみえても、
それはあなたが

うちなるあなたが

わたしをそのようにみているだけなのです

正しさだけが人の倫(みち)ではないことを、わたしは知っているのです

どうぞ、わたしのまえ

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恋人たち

恋人たち

タロットショートストーリー 恋人たち

美しく調和している世界…

ここは楽園のよう

なんて優しく、なんて穏やか

美しく愛しい時よ

どうかこのままで…

時間が忍び寄る

もう時間だと

美しく造り上げたものを残して

もういかなきゃ

そう
【決めて】
楽園から出るの

愛しい時よ
永遠の思い出は美しくそこに

美しい世界よ
奏でた愛のハーモニーとともに

戦車

戦車

タロットショートストーリー 戦車

前へ

前へ

光と闇をつれて

その先の世界を

まだ知らない

未知は

弱さをみせてくる

経験は

力になる

信じるということは

どういうことに

なるのだろう

この道は

振り返ると

どういう道に

なるのだろう

さあ行こうか

まだ見ぬ先へ

力

タロットショートストーリー 「力」

うふふ
侮らないで
楽しくこの世を遊びましょ

本能を隠して
日々を生きる

それって本当に生きてる?

わたしは騙されないわよ

あなたが
噛みつこうと
吠えようと

さらには
他の何かに変身しようと

あなたの野性は純粋なもの

だからあなたは優しく美しい

隠者

隠者



ここに立ってごらん

さあ、ほら

どうだい?
なにか、見えたかい?

そうだろうとも
このランタンはいろんなことを見せてくれるよ

足許やこの先のこと、
この光をみながらのイマジネーション

解る、というのはある意味排他的だ
解る、というのはある意味融合だ

君はなにを知ろうとしているのかい?
それは時間という魔法が必要なこともあるのだよ

運命の輪

運命の輪

タロットショートストーリー 運命の輪

宇宙の呼吸を身体のなかに

すーっと取り入れて

内宇宙と外宇宙のシンクロニシティ

さまざまなバイブレーションをいま、ともに

大きな大きな時計のなかに
小さな小さなわたしたちは組み込まれている

創造性というプレゼントを
さて、
どう活かしましょうか

廻る宇宙のなかで

正義

正義

タロットショートストーリー 正義

剣を下ろすのは

まだ先です

あなたの天秤はほら

何ものっていないでしょう

のせるまえから

何をおびえているのです?

おびえるものは

すなわちそれは

誤りだと気づいているから

わたしは剣を

下ろさないのです

信ずるものは

覚悟は

そこにありますか?

吊るされた男

吊るされた男



こうしていると
ずっとずっと深いところに
辿り着いて
そこに留まり
永久の自由を得られると聞いたのさ

ああ

どうしてそうならないのだろう

ああ

憧れる自由はいつ訪れるのだろう

「人間」という制約が夢見させているというのか

こんな沼のようなところではなく
美しい泉のほとりに
連れていってはくれないか

それもまた

憧憬

ということなのか

死神

死神



さあ時間だ

赦しを乞うことも
抗うことも

もうできない

・・・

そう思ってた

断末魔の叫びを
この世の歪みのわななきを

おぞましいくらい
引き裂かれるような
哀しみを

味わうのだ

・・・

そう思っていた

そう思えていたことは
実は幻だったのかと

この世は儚きうたかたの夢

言い得て妙とはこのこと

留まらず歩みを進めゆく
その名も【死神】
「お前次第だ、あとは知らぬ」

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