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「あなたのため」は「自分のため」だと自覚しよう

家族に「あなたのため」って言われたことありますか?
上司に「あなたのため」って言われたことありますか?
先生に「あなたのため」って言われたことありますか?
恋人やパートナーに「あなたのため」って言われたことありますか?

私自身、記憶を辿るとよく言われていたと思います。
原家族はもちろん、夫にも言われたことがありますし、上司や先輩、先生、友達にも言われたことがあります。

仕事でも、相談に来られる方で、家族の方、会社の方が相談者や付き添いの場合は概ね「子どものため」「あなたのため」と言って来られることが多いです。


「あなたのため」と言われるシチュエーション

「あなたのため」と言われるシチュエーションは多岐に渡ります。
思いついたものを書いてみます。

プレゼントを渡された時
忠告を受ける時
何かを教わる時
相手の言葉に納得いかない時
危険を回避したい時

他にもたくさんあると思います。

今でこそ、虐待で通報されますが、一昔前は学校で先生が生徒を叩いても
「あなたのため」
と言って許されていました。

反面、恋人があなたにプレゼントを渡す時
「あなたのため」
と言って、一生懸命選んだ品をプレゼントしてくれます。

「あなたのため」とは、そんな良い時も悪い時も幅広く使える、伝家の宝刀使い勝手の良い便利な言葉です。


「あなたのため」の場面のお互いの意識

幅広いシチュエーションで使える「あなたのため」という言葉。

実は、私は子どもの時からこの言葉に抵抗がありました。

いつも
「あなたのため」
って言われると

「それって、何のため?」
って考えていました。

皆さんはどうですか?

皆さんがどう思うかは、前で話したシチュエーションによると思います。

言葉を受け取る側は、良い結果をもたらしてくれそうなシチュエーションであれば、素直に「そうなんだ」と疑いもなくありがたく受け取ります。

反対に、悪い結果をもたらしそうなシチュエーションであれば、すごく警戒して「そんなことないでしょ」って何か裏を感じてしまい、言葉を受け取ることを拒絶したくなります。

ちなみに、私は言われるといつも裏を感じてしまう性質でしたが、今はその性質を理解しています。

では、「あなたのため」と言っている人はどうだと思いますか?

実は「あなたのため」と言っている人の心の奥底は、シチュエーションからくる作用はあまり関係しません。

プレゼントを選ぶ時も、お説教する時も、叩く時も、抱きしめる時もです。

それは、「あなたのため」に何か行動するのは、全てその人自身のためだからです。

もちろん、その『「あなたのため」という行動を自分自身のためにやっているんだ』と意識している人は、それこそシチュエーションによりますが、とても少数で、ほとんどいないと思います。

なので、シチュエーションは「あなたのため」という行動を自分自身のためと意識してするか、しないかに作用する程度です。

だから「あなたのため」という皆さんは、ほぼ無意識で悪気なく言ってます。


なぜ「あなたのため」と言うのか

では、人はなぜ「自分のため」なのに「あなたのため」と言ってくるのでしょうか。

それは、前にも書いたシチュエーションによって理由は様々です。

ただ「自分のために」言わざるを得ないシチュエーションだから言うのです。

これは、人間の防衛本能に関わってきます。

誰だって自分を守りたいし、よく見せたいし、強くありたいですよね。

本能的にその思いが強い人は「あなたのため」と言ってしまいがちです。

だから、親や先生、上司、パートナーなど守る、よく見せる、強くある立場にある人は「あなたのため」と言う機会が多くなっていくのです。

そして、もう一つの原因が育った環境で「あなたのため」と言って聞かされたかどうかです。

私も物心ついたころから聞かされてきた言葉で、自分が言われて嫌だったのに、子育て中に口から出てしまうことがありました(反省)

近年は、毒親といった情報もたくさんあって『自分が毒親に当てはまるんじゃないか』と子どもの評価を気にする親御さんも多くいます。

言葉選びは自分が育った環境に準じてきますから、私のように「自分のため」とわかっていても、言ってしまって、自己嫌悪になったりします。

毒親だけでなく、パワハラ上司や暴力教師などといった「あなたのため」と言われることの弊害は、書籍でもWEB上でも多くの情報が溢れているので検索すればわかります。


「あなたのため」と言ってくる人の対処法

大事なことは、『「あなたのため」と言っていることは「自分のため」に言っているんだ』という自覚を持つことです。

無意識に悪気なく言わないことです。

とは言っても、無意識で悪気なく言っている人に、

「それ、自分のためなんですよ。知ってました?」

とはなかなか言い難いし、伝わらない可能性が大です。

しかも、相手にもより、上司や先生といった人にどう対応すればよいか悩むところですし、これまた、シチュエーションにもよります。

となると、この『「あなたのため」と言っていることは「自分のため」に言っているんだ』という自覚は、言ってくる人にわかってもらうのではなく、言われている自分がしっかりと自覚して、肝に銘じておくことが必要です。

そうすると、「あなたのため」と言われるシチュエーションになっても、自分の心積もりも違います。

巷に溢れている「あなたのため」と言う人に関する情報は、弊害ばかりが目立ちます。

弊害はあっても、「あなたのため」と言う人は、そのすべてが悪の人ばかりではないはずです。

ですから、心と体を労わるためにも、「あなたのため」と言ってくる人から程よく距離を置いて付き合うことが大事です。

そして「あなたのため」と言う人には「ありがとう」と答えて早く話を切り上げましょう。
「ありがとう」と返したからと言って、相手の言い分を承諾したことにはなないので、どうするかは自分で取捨選択できます。


暴力や暴言を「あなたのため」と言う人がいたら

暴力や暴言を「あなたのため」と言う人からは、すぐに去りましょう。
これは、今すぐです。
家族であっても、誰であってもです。

職場なら労働基準監督署へ通報するなどもできますが、そんなことしたくないという人は転職をお勧めします。

もし未成年で暴力や暴言にあっているのであれば、最寄りの児童相談所へ連絡してください。暴力は警察へ連絡してください。
成人であれば、暴力はDV相談所や警察などに相談してください。






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