ウクライナではロシアによる侵攻が続いています。毎日ウクライナの首都が攻撃された写真や、現地の市民の声がテレビやSNSで流れてきます。

ロシアはこれまでもたくさんの国々(街)を空爆してきました。
そのひとつがシリアです。

シリアでは、アサド政権による激しい人権弾圧が続いてきました。その政権を支援していたのがロシアでした。

そんなシリアから、日本に留学している男性の話を聞きました。
彼は日本語が話せるため、当事者の話を、日本語で聞くことができる大変貴重な経験でした。
これはシェアしなければ！

話を聞いた男性の名前はアナス(Anas)さん。
シリアのホムスという街出身です。

アナスさんは現在32歳。日本の創価大学の理工学部で学んでいます。
両親は母親が薬剤師、父親は農業エンジニアでいくつもの仕事をかけもちしていても、家は貧しく食べるのがやっとでした。
小さいときから警察には関わらないように教えられ、政治の話も一切タブーだったそうです。
アナスさんの叔父の一人は、政府による大虐殺を祝う会が行われた際に、祝いのために上空に乱射した銃が流れ弾のように当たってしまい亡くなりました。
もう一人の叔父は秘密警察による虐殺で殺されたそうです。祖父母の土地はアサド一派の人間に取られました。
もうとんでもない話過ぎて絶句です。

そして、10年前にアラブの春の流れから、シリア革命が起こりました。
しかし、ロシアの支援などが入り、革命は内戦へ。
そのとき、アナスさんの弟は理由もなく逮捕され、拷問されたようです。
一年間拷問を受け、なんとか解放された(運が良かったとアナスさんはおっしゃってました。)弟さんは口が聞けない状態になってました。まだ２０歳でした。
今はトラウマを抱えながらもドイツで働いてるとのこと。

アナスさんは革命時にレバノンに移り住んだようです。2人とも本当に生きててよかった。

故郷の街(ホムス)の写真を見せてもらいましたが、内戦の空爆や攻撃で廃墟になっていました。
ここが僕達の家って示されたところは、崩れたスポンジケーキのようでした。
もし私の昔住んでたマンションがこんなになってたら、ショックで苦しくなります。


住民生活は破壊され、多くの人々が逃げてしまいました。シリアを脱出して難民になった人もいます。

同じ国民を徹底的に攻撃することが衝撃的でした。
政府に連れ去られて行方不明になる人もたくさんいます。


しかし、驚いたことに首都ダマスカスは攻撃されていないようです。
地方ばかりが荒廃させられており、シリア内で格差が生じているようでした。

これはミャンマーと似ているなあと思いました。
大都市ヤンゴンに住んでいる人々は、民主化されるまで、軍が少数民族を地方で迫害していることを知らなかったようなのです。

報道や表現の自由のない国では、このように国内で格差が生じ、どんなことを政府が同じ国民にしているかも知らないまま。恐ろしい話です。
今はネットでバレてしまうため、ネット遮断する国もありますよね……

拷問だけでなく、違法な兵器の使用、表現の弾圧、盗聴、アサド政権は国際人権法違反ばかりのとんでもない政権です。
しかし、そのバックにはロシアがついており、なかなか国際社会は対応できない状態に。


今回のウクライナ侵攻で、アサド政権はすぐにロシアを支持しました。

 
日本での報道も減ってシリアのことは忘れがちですが、人権弾圧は続いているのだと痛感しました。

シリアのアナスさんたちの言葉が胸にしみます。
みんな起こっていることを知らないから耳を傾けないんだ。だからとにかく伝えようと思った。でもどんなに伝えてもみんなは見て見ぬふりをしている。

アナスさんは武器で政府をぶっ倒そうとかは思っていませんでした。
だから、言葉や表現の力しか使わないようです。

ただ、自由と平等と尊厳が故郷シリアにほしい。そして住みたい素敵なシリアに。

シリア内戦の実情がわかる映画をここで紹介します。Netflixで見れます！

「娘は戦場で生まれた」（イギリス、シリア２０１９年）


ジャーナリスト志望の主人公は、医師の夫とその仲間と共に内戦下のシリアで病院を設け、空爆の被害者の治療にあたっています。
極限状態の結婚生活ですが、子どもが生まれます。

その生活の一部始終を主人公はスマホで記録に残すのでした・・・

リアルな内戦の様子がわかるドキュメンタリー映画です。

それと驚いたのが、シリアって雪が降るんです！！⛄️

冬はかなり寒くなるみたいで、中東って暑いイメージだったのでびっくりしました。映画で出てきます。

最後に、私の好きな詩人である高橋久美子の詩を皆さんにシェアしたいと思います。
昨日インスタに投稿されていた詩です。

詩は素敵です。暖かさを感じました。
武器を構えるのではなく、平和を伝えていきたいです。💐

今回参加したイベントはこちらでした。

執筆者、ハイサイ・オ・ジサン、ゆこりん