記事一覧
*ḱr̥d- [Hearty/Cordial/हार्दिक/दिली]
Hearty Welcome と Cordial Reception。どんなイメージが思い浮かぶだろうか。初めて古英語や英語の歴史に触れた動画でそんな問いがあった。 https://youtu.be/kIzFz9T5rh…
*ǵews- [gusto/दोस्त]
ドーストはガストでグスターレするって、な~んだ? 英語史コンテンツ50+「パンはパンでも一緒に食べるパンはな~んだ?」より https://keio.app.box.com/s/qxqnc9kggyfge…
*dʰeh₁- [doom/प्रतिनिधि]
"doom"と聞くとどんなイメージだろうか。Doomsday は「最後の審判」、「人類滅亡の日」や「破滅の運命」というニュアンスで使われるが、脳内でヒンディー語の "dhoom" のイメージがいつも邪魔してくる。
英語の doom に付きまとう暗雲立ち込める破滅の運命というイメージに、ヒンディー語の धूम (dhūm) [煙] や धूल (dhūl) [土埃] という単語が勝手に頭の中でミッ
*meng- [मंगलवार/mangonel/Machurian?]
地名が由来の食べ物の名前でインド英語と言えば、中国系インド人のシェフが創作したと言われるManchurian。中華料理ではなく、中華"風"インド料理。"Manchu"は満州だが、なぜその地名を取ったかは分からない(戦後、日本以外で中国を満州と呼ぶことは少ない)。高級料理を「満漢全席」と言い、また、中華料理の四川・広東・北京・上海にさらに加えてということで、別の有力地方名を取って来た、ということなの
もっとみる*h₂ews- [East/Aurora/उषस्]
黎明に関するあれこれ ~lacolacoさんのnote記事からのインスピレーション~
AustraliaとAustria。同語源(どちらも印欧語根 *aus- "輝く")でも、指す方角が違うのはとても面白い。
Austria (East)
←L Austria
←OHG Ōstarrīhhi (cf G Österreich)
←PG *austraz
←IE *h₂éwsteros
←IE
*gel- [clot/clutter]
引っ越しと言えば "decluttering" がつきもの。「整理整頓」と訳せば散らかっているものをきれいに並べて収納するイメージもあるが、declutteringの紹介動画でやっているのはだいたい「断捨離」で、思い切って捨ててスッキリすることの意味合いの方が強い気がする。語源を辿るとイメージがつながる。
declutter とは clutter を取り除くこと。clutter は「血栓」の c
*séh₂ls [salt/salary]
塩にまつわる単語2 ~umisioさんの記事からのインスピレーション~
Salaryの語源、ラテン語Salarium は Salarium Argentum の略で、原義は「塩代としてローマの兵士に与えられた銀貨」であり、古代において塩が重要な生活物質であったことを物語るもの。(英語語源辞典)
現代ヒンディー語でも少し似たニュアンスで「塩 नमक (namak)」を使ったイディオムが色々とある
*meh₂d- [no-moistric/नमक]
塩にまつわる単語
~umisioさんのnote記事からインスピレーションを受けて~
fresh は ゲルマン祖語 に遡った形が *friskaz と再建されている。印欧祖語を *preysk- とする資料もあるようだが、*preysk- に関連したインド語派の語彙は見当たらないようだ。
現代ヒンディー語で一般的に「塩」と言えば नमक (namak) で、ペルシャ語起源のようだ。イラン祖語に
*mew- [move/emotion]
「“小さな世界”の大引っ越し」ほどではないが、家族のために腹をくくって大引っ越しを敢行。4月から色々と”fresh”に始めてみようと思っていたが、それどころでは…。整理するのに後どれぐらいかかるだろう。そんな合間にも語源辞典だけは箱詰めせず手元に。引っ越しだから "moving" について語源を調べてみた。
move
←中英語 moven, moeven, meven
←古ノルマン語 mover
*ḱr̥d- [Hearty/Cordial/हार्दिक/दिली]
Hearty Welcome と Cordial Reception。どんなイメージが思い浮かぶだろうか。初めて古英語や英語の歴史に触れた動画でそんな問いがあった。
https://youtu.be/kIzFz9T5rhI?si=nCA0L5kctCxw5jJF
り~みんさんの「英語の語源で身につく技術用語」のNote記事に、興味深くためになる解説がある。
https://note.com/
*werǵ- [Ergal/work]
商標の普通名称化は世の中にたくさんある。ちょっとした化学分野に関係した仕事をしている人なら、技術者ではなくて事務仕事をしていてもテフロンやバイトンといった言葉を聞いたことがあるかもしれない。これらは実は一般名詞ではなく商品名・ブランド名だ。
アルミニウム合金のタイプでErgalというものがある。超々ジュラルミンとも呼ばれたり、JIS規格でA7075と指定されているものだ。海外業者ではErgalと
*bʰendʰ- [bond/बन्धु]
英語のbind の印欧語根は *bʰendʰ- ("to tie") だが、 意味や響きからすぐに Sktの बन्धति [bándhati] ("to bind") や Hindi の संबंधित [sambandhit] ("related, connected, associated") が思い浮かぶ。
Sktのबन्धु [bándhu] は血縁という「絆 bond」や血が「つなが
*ǵews- [gusto/दोस्त]
ドーストはガストでグスターレするって、な~んだ?
英語史コンテンツ50+「パンはパンでも一緒に食べるパンはな~んだ?」より
https://keio.app.box.com/s/qxqnc9kggyfgerkhugqvmsxboar0timx
companion や company や mate が「共に食べる」の意味が含まれている言葉であることを紹介した記事。食事と人の絆を結びつけた表現が様
*gʰrebʰ- [gravure]
印刷技術まわりのあれこれ
"墓"のgraveと、音楽の"groove"と、グラビア"gravure"は同語源。音の響きからも"grv"が共通しているのでつながりは想像がつくが、どういう経緯か。いずれも語根 *gʰrebʰ-からで「引っ掻く、掘る」という原義。-graphやcarveの語源の *gerbʰ-と意味も音も似ているが、これは別もの。他に似ているが grab, grasp, greife
*seyb- [soap/साबुन]
石鹸まわりの単語。シャボン玉の「シャボン」と石鹸の「ソープ」は同語源。
ソープ
←現代英語 soap
←古英語 sāpe
←西ゲルマン祖語 *saipā
←ゲルマン祖語 *saipǭ
←印欧祖語 *seyb-, *seyp-
シャボン
←ポルトガル語 sabão
←ラテン語 sāpōnem
←ゲルマン祖語 *saipǭ
←印欧祖語 *seyb-
*seyb- には “to pour out,
*gʷeh₂bʰ- [baptize/गहरा]
Ancient Greek
βάπτισμα
βαπτίζω (baptízō, “I dip in liquid”)
βάπτω (báptō, “to dip”) + -ῐ́ζω (-ízō)
Proto-Hellenic
*gʷápťō
Proto-Indo-European
*gʷh₂bʰ-yé-ti
*gʷeh₂bʰ- (“to dive, dive in”)
→
Per
*ang- [England/उंगली]
Englandの語源になった語根*ang-には"curve, bend"つまり"カクッとまがったもの"を指す意味がある。Anglo-Saxonの故地名、Angelnは"釣針"の地形に由来しているとか。
他にカクッっと曲がっているものと言えば、anchor"⚓️"、angle"角度"やankle"くるぶし"も*ang-に関係している。インド語派に行くと、サンスクリット अङ्गुरि/अङ्गुल