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たしざんの競争 よーいドン!~授業の小ネタ~

こんにちは。春休みに入り、子どもが来ません。
すると、学校の中での時間の進み方がかなりゆっくりになります。
まだ定時にならない・・・まだ定時にならない・・・
子どもがいると、忙しいけれどメリハリがありますね。
給食もありますしね(笑)
今日は、授業の小ネタについてお話をします。
数学の得意な先生なら、当たり前に知っていることかもしれませんが・・・

算数の授業に飽きる子どもたち

子どもたちは基本的に、授業を一所懸命に受けようとしてくれます。
まじめですよ。本当に。
でも、”集中力が続く”ということと、”まじめ”ということは、
時として関係なくなります

つまり、子どもたちは飽きます。
飽きた子どもたちは、大人よりも素直に飽きたことを態度で示します。

  • 上靴を脱ぎ始める(靴下も)

  • 窓の外ばかり見ている

  • 机の下に隠れる(避難訓練?)

  • 教科書に絵を描く

  • 折り紙を折る

  • 給食の話をしはじめる

などなど、あの手この手です。
子どもたちの”飽きたよ~”に対して、教員はいくつか小ネタをもっていなくてはいけません

たしざん小ネタ(第1段階)

子どもたちの表情が飽きてきたモードに入ってきたら、
黒板にこう書きます。

1+2+3+4+5+6+7+8+9=

子どもたちは一所懸命考えます。
指を使ったり、丸を書いたり、ひっ算をしたり。

工夫してやってごらん。
すごく早くできるよ。

とささやくと、必死になります。
やがて、”頭やわらかさん”が出てきて、

1+9
2+8
3+7
4+6
=40
5あまってるから、最後に足して45!

と、得意顔で発表します。
分かっている子もいれば分からない子もいます。
そこで、

こんな図を示してあげると、みんな、「あ~!なるほど!10のまとまりね!」となります。

たしざん小ネタ(第2段階)~たしざん競走~

そこまでを授業でやっておきます。
子どもたちは、違う授業に参加していた子たちにドヤ顔で伝えていきます。
1~9までのたしざんはできるぞ!という雰囲気になります。
そして、別の日。また飽きてきたころに、電卓を渡します

今から、好きな数字から連続10個、数字を書いて。

と言います。指名された子が黒板に

13
14
15
16
17
18
19
20
21
22

と書きます。

今から、みんなと先生、どっちが計算速いか勝負するよ。
みんなは電卓を使っても良いからね。
よーいドン!

と言います。一斉に、電卓をカチャカチャならしはじめる子どもたち。
教員はすました顔で、

175

と書きます。
子どもたちは「え~?早っ!チキン先生てきとうなんじゃない?」と言いながら電卓を押し、答えが175になっていることを確認します。
その時の教員を見る目ときたら、今までに見たことの無い尊敬のまなざしです。

工夫する子どもたち

子どもたちは「もう一回!」と言ってきます。
そこで、次の子を呼びます。

69
70
71
72
73
74
75
76
77
78

と書きます。「難しくすれば、先生も困るはず。」という魂胆のようです。
教員は思わせぶりに指を動かして暗算するふりをしましょう。
そして、「よーいドン」の合図とともに鳴る電卓の音。
平然と、教員は

735

と書きます。「え~??早い!」と言います。
子どもたちは工夫しようと、

69+78
70+77
71+76
72+75
73+74

など、先の「1+2+3+4+・・・」の応用をしようとしますが、できません。
「チキン先生!早すぎ!」と言い、どんどん挑戦状をたたきつけてきます。
私は「さっきまで飽きてたのに、闘争心に火が付いたね。」とニヤニヤします。

タネ明かし

子どもには教えませんが、これにはタネがあります
お気づきの方もいるかもしれませんが、
このような

  1. 69

  2. 70

  3. 71

  4. 72

  5. 73

  6. 74

  7. 75

  8. 76

  9. 77

  10. 78

連続する10の数の場合、
5番目の数「73」の末尾に「5」を加えると、
10の数の和になります

なので、電卓をどれだけ速く動かしても、
子どもたちはチキン先生に勝つことができないのです。

なぜ、そうなるのかについては、上のリンクに詳しく書かれています。
時々、こういう小ネタを入れて、集中を持続させてあげると、
”算数が嫌い”が少なくなるようですよ。
では、またね~!!

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