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ミニマリストの防災リュック|被災を経験して

「ミニマリストは防災リュックすら手放していそう」
いやいや、むしろその逆!
狭い家でもモノが少ないからこそ、防災リュックが置ける。
ということで、我が家ではガッツリ備えをしている。夫とわたし、それぞれリュックを準備している。

一昨年は台風15号の大雨で近所の川が氾濫し、被災者となった。あたり一面が浸水した。区内を管轄(かんかつ)する取水口に流木などが詰まり、約6万3000戸が断水した。我が家も4日間、断水した。街中がパニックだった。
そんな被災経験も踏まえて、防災リュックの中身を検討した。

ミニマルではいられない!我が家の防災リュックの中身を紹介する。



1) 防災リュックって本当に必要?

「防災リュックを用意しましょう」という声を聞くが、本当に必要なのだろうか?地震や豪雨に襲われたら、リュックを持ってすぐ逃げるのだろうか。
うーん。。
まずは身の安全を確保するのが、最優先になりそうだ。防災リュックはそれからだ。倒壊や浸水などで家が危険な状態になってはじめて、防災リュックが必要になる。
そもそもリュックを用意する以前に、耐震基準を満たし、洪水や土砂災害の可能性が低い家に住むことが大切ではないだろうか?
安全な家に住むことを第一優先する。それでも防げず住めなくなった時のために、防災リュックがあると考えて準備した。

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2) 防災リュックの中身

ライフラインが止まった避難所で、3日間生活することを想定して準備した。防災リュックの中身をひとつひとつ紹介すると長くなってしまうので、リストにまとめてみた。

防災リュックの中身リスト☟

中でも、特にこだわった点をいくつか紹介する。

⚫︎持ち運びやすい給水バック
断水して一番大変だったのが、水を運ぶことだ。小柄なわたしにとって、給水バックに入った水は重すぎた。貴重な水をお手洗い用、洗面用と移し替えるのだが、あまりにも重すぎてこぼしてしまう始末だった。
そこで大活躍したのが、山善の給水バックだ。折りたたみ式だが、持ち手部分がガッシリとしていて握りやすい。ジョイント部分をひねるだけで水が出せる。机などの高いところに立てれば、ひとりでも水を注ぐことができる。
断水中は何度も給水に行くことになるので、給水バックにこだわるだけでQOLを上げることができる。

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⚫︎お菓子を用意する
断水時は、水がないだけで精神的にかなり参ってしまった。いつ断水が解消されるのか、全く分からないからだ。
そんな時に心のよりどころとなったのは、大好きな甘いお菓子だった。おいしいお菓子を食べているだけで、元気になれた。防災リュックには、5年保存できるビスコが入っている。
ちなみに気晴らし用に、カードゲームも入れてある。

⚫︎使い慣れたメガネ
防災リュックに使い慣れたメガネを入れている。今年メガネを新調したので、その前のお古がリュックに入っている。
というのも、裸眼で視力が0.01しかない。ものすごく悪く、なにも見えないに等しい。
普段はコンタクトを使っているのだが、避難所でコンタクトをつけたまま寝るわけにはいかない。だからと言って、緊急時にメガネを持って逃げられる自信もない。
わたしにとってメガネは、生活するうえでかかせないアイテムだ。

3) 避難先まで歩いてみる

防災リュックが、想像以上に重くなってしまった。背負って歩けるか不安で、夫と一緒に避難所まで歩いてみた。事前にハザードマップを見て、安全なルートを確認した。
実際に歩いてみると、ブロック塀や築年数がずいぶんと経っている家があり、道中にも多くの危険が潜んでいることが分かった。
「避難するのが夜の可能性もあるよね?」という夫の一言に納得し、別日の夜もリュックを背負って歩いてみた。
停電を想定して、ランプで道を照らしながら歩いた。目印にしていた駐車場の電工看板、街灯などは消えているだろう。
日が沈むだけで道の雰囲気がガラリと変わるので、年一で歩かないと迷子になると思った。

荷物を増やしても大丈夫そうだったので、その後は食料を増やした。

防災リュックが必要になる場面は、最悪の事態が起きた時だろう。その前に、自分の家でやっておいた方が良さそうな備えも記しておく。

4) 自宅避難できるようにする

可能性として一番高いのが、自宅避難だと思われる。ということで、我が家では災害時でも安心して家で過ごせるよう、できる限りの手段をほどこした。
まずは地震対策で大型家具を減らした。なぜなら、家具の下敷きになり、身動きが取れなくなる可能性が高いからだ。ミニマリスト修行も相まって、テレビやベッドなど、ある程度の大型家具は手放した。それでも必要な家具は、倒れる向きを想定して、模様替えした。
次に家具を固定した。パソコンや飾っているガラス瓶などは、粘着マットで固定した。カラーボックスは、ふんばる君を挟んだ。冷蔵庫は、器具を使って壁に固定した。
家具対策の他に、我が家ではライフラインが止まっても生活できるように備えてある。お手洗いは大便にも対応している携帯トイレを15回分、用意している。急な停電でもパニックにならないよう、常夜灯も設置した。

5) 食品はローリングストックする

長期保存できる食品を備蓄しつつ、賞味期限が近いモノから普段使いで消費する「ローリングストック」をフル活用している。一昨年の断水直後は、コンビニやスーパーの食品がすぐになくなり、品薄になった。特に飲料水が手に入らなかった。
水はひとり4日分(2ℓ×6本)常備している。夏に消費して、買い足す。
その他、ナッツやシーチキン、冷凍食品で数日間はしのぐことができる。それらがなくなったら、非常食を食べればよいと考えている。
ちなみに断水を想定して、紙コップや紙皿、割り箸も常備している。

まとめ

ミニマリストになってから、ようやく防災リュックが置けるようになった。それ以前はストック類を置くスペースがなければ、心の余裕もなかった。

愚者(ぐしゃ)は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ。

日本に住んでいる限り安全な場所はないと思っている。地理上、4つのプレートが隣接し、台風ができやすい位置にあるのが日本列島だからだ。
被災して感じたのは、万が一に備えておく大切さだ。街中がパニックでも、きちんと備えておけば、冷静に対処できただろうと今では思う。報道やSNSで不安をあおられることなく、冷静になれたはずなのだ…!

まさに備えあれば、憂いなし。
大切な人の命を守るためにも、訪れるであろう災害に備えておこう。


おまけ

防災について学ぶため1月中旬、夫と一緒に防災教育センターで防災体験学習をしてきた。
数週間後の1月28日、関東周辺が地震で揺れた。地震の最初に起きる小さな揺れ(初期微動)に気づいたので、とっさに机の下に潜ることができた。防災学習のおかげで、ものすごく冷静に行動することができた。
先人たちから学ぶ大切さを身に沁みて感じた。

都内にある防災体験施設では、防災に関する知識を深めることができる。詳細はこちら

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