久保奈都子(金田)

漁業コミュニケーター/漁業の翻訳家/ライター/(一社)うみ・ひと・くらしネットワーク …

久保奈都子(金田)

漁業コミュニケーター/漁業の翻訳家/ライター/(一社)うみ・ひと・くらしネットワーク 広報・研究員|漁師の娘目線で見てきたふるさとの景色、におい、感触。漁業について思うこと。いろいろ書きためます。屋号【はまのなりわい】

マガジン

  • 海の共同運営マガジン『海のイドバタ会議』

    • 1,212本

    【海好きさんあつまれ!】 海が好きな仲間のための共同マガジンです。目指すは 「みんなで海のあれこれを話して、ワイワイ楽しみましょ」 といったマガジンです。 【参加条件】 ・海に関わる記事であればなんでもOK! ・誹謗、中傷しない方であればだれでもOK! 【登録方法】 ・固定記事のコメント欄に「参加希望」と書いてください。 【#ハッシュタグ】 #海 #魚 #船 #漁村 #港町 #漁師 #船乗り #海水浴 #離島 #ビーチ #サーフィン #ヨット #ダイビング #ビーチクリーン #海洋生物 #旅行 #海の風景 といったハッシュタグをつけるような記事であればなんでもOKです。 みんなで素敵な、おいしい、楽しい共同運営マガジンにしましょ! ※気になる海記事があれば貼り付けてしまうので、ふさわしくないと思ったらご連絡ください。削除します。 ※詳しくは固定記事を見てください。

  • 残したい原風景~漁師の娘の自己満足~

    福島の片田舎。海しかない港町で育った漁師の娘が見てきたふるさとの景色を言葉で伝えます。 網のにおい、岸壁の感触、船がきしむ音、魚臭い軽トラ。今は全部、忘れたくないふるさとの美しい景色。 #福島 #漁師の娘 #コラム

  • 漁業のある日常

    私が伝えたいのは、漁業の特別感や非日常感ではなく、漁業が日常にあるひとたちの生き方や働き方です。

最近の記事

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漁業を翻訳するひと

このたび、漁業を翻訳するひととして開業しました。 ”漁業コミュニケーター”と名乗ろうと思っています。 屋号は「はまのなりわい」です。 漁業の専門性・現場感覚を持った私が、これまでに鍛えてきたサイエンスコミュニケーションと、パブリックリレーションズ(広報)を使って、漁業をより楽しめたらと思って開業しました。 *** 漁業にはたくさんの立場の方が関わっています。 漁師やその家族、漁協職員はもちろん、行政の人、研究者、政治家、商売人、消費者・生活者、、、。 それぞれに生活があ

    • ピンとこない「海業」と、絶望の「女性活躍」

      先日とある漁業関係のセミナーのファシリテーターをする機会を頂きました。 参加者は漁村女性(女性活躍が狙いのセミナー)。ディスカッションのテーマは海業(このテーマは主催団体様のご指定)。 今更女性活躍とか言ってるの古くないか?っていう私の腹の内をひそかにぶつけたくて、「多様な視点を取り入れた取り組み」というサブタイトルをつけて、性別も世代も国籍もよそものも身内も色々な人が関わることでより面白く、よりよくなるよねということを体感するワークショップを目指しました。 事例をお話

      • ウニを下から上に移動するだけの簡単なお手伝い

        漁師を親に持つと、他の人とは少し違った子どもの頃の思い出がある。 この前、妹と話していたら「ウニの貝焼き」の思い出話になった。 *** いわきには、キタムラサキウニの身をホッキ貝の貝殻の上にのせて蒸し焼きにした「ウニの貝焼き」という郷土加工品がある。 我が実家も、初夏から初秋にかけてこの「ウニの貝焼き」をつくっていた。 「つくっていた」と、過去形になっているのは、現在は福島第一原発事故の影響で、操業機会を制限して加工場も集約してしまったからだ。 震災前は、ウニの貝焼きの

        • 『漁師のおしごと【冬のタコ籠漁編】』を公開しました

          暮らしの中の「衣食住美」を通して“サステナブルな選択”を考える、福島発のメディア『ff_私たちの交換日記』で記事を書かせていただいております。 今まさに私の身近で起こっている浜のできごとを等身大でお伝えしたいと思い、今回は旬のいわきのタコ籠漁の様子を書いてみました。 *** (記事冒頭より抜粋) 自分たちが住む地域の目の前の海を「地先(ちさき)の海」と言う。地先の海で操業をするのがいわゆる「沿岸漁業」。海外では小規模漁業と表現されることもある。 私の父が営むのも、沿岸漁業

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        記事

          2/17築地で常磐ものが食べられる!

          わかりやすいご案内が出ていないようなので、こちらに私がわかる情報を掲載します。 ご参考にしてください。 私も当日会場でお手伝いをさせていただく予定です! *** JF福島漁連は2/17(土)8:00から、築地魚河岸(東京都中央区)で、「第13回福島県漁業の今と試食会」を開催します。 いつもの流れだと、8:00〜JF福島漁連さんのご挨拶。その後、お昼ごろまで試食配布をします。 ご試食頂いた方には、福島の水産物に関するアンケートにご協力いただきます。 毎回約1000食の試食を準

          2/17築地で常磐ものが食べられる!

          浜のワークスペースをつくりました

          以前「浜のワークスペースがほしい」という記事を書きました。 リモートワークやパソコン作業をしながら、家業に関わることができる働き方を実現するためのオフィスが欲しいなぁとぼんやり思い描いてたのが去年の秋ごろ。 その後、地元のNPO法人様のご厚意に預かり、港町の古民家の一部屋をお借りすることができ、この度小さな夢を叶えました。 この古民家は、いずれは地元の方々が集めた漁具を展示する漁具資料館になるとのこと。 漁具資料館になるお家の一角で、漁業に思いを馳せながら仕事ができるな

          浜のワークスペースをつくりました

          身体的な差で困ってしまうこと

          漁業はやっぱり体を使う仕事です。 陸仕事でもそう。 座ってできる網仕事とか小魚の選別とかもあるけれど、たいていは体を動かす。 元気なときはどうってことないんだけど、私は生理の前と生理中にとっても体調が悪くなるので、ただの作業がものすごく辛い。そんな日が、月に数日間ある。 つなぎのカッパを着てるとすぐにトイレに行けないから、ナプキンを変えるのも大変。 船酔いもしやすくなる。 ものを持ち上げたりして踏ん張る瞬間ヒヤッとする(笑) 市場や船はそんなわたしたちにとって必ずしも優

          身体的な差で困ってしまうこと

          「漁業」だからできること

          9月から始めた2拠点生活。肩ひじ張らずに私が生きたい生き方、働き方を試みた3か月間でしたが、13年間思い続けた”いわきの漁業”とちょっとだけ両想いになれて、これからもここで生業を続ける土台をつくることができました。 「漁業」をベースにして、自分らしい生き方・働き方が見えてきた今、とても思うことがひとつ。”東京のオフィス勤めは、本当に大変だった”ということ。 つらかった都会のオフィス勤め 私はあまり性別でどうこう言ったりするフェミニストではないのですが、私が経験したオフィ

          「漁業」だからできること

          「陸」と書いて「おか」とよむ

          漁業にはたくさんの陸仕事(おかしごと)がある。 つまり、海に出て魚をとること以外に発生する陸(おか)でのあれこれ。 *** 漁業種類によるけれど、代表的なのは「網仕事」とか。 漁のときに壊れた網を修理したり、古くなった部位を取り替えたりする。大きな網を修理するときはまさに1日仕事。岸壁に200メートルぐらいの網を広げて、端から順番に直していく。 子どもの頃は、よくこの網仕事の現場に連れて行ってもらって、働く家族のBGMみたいに周りでちょろちょろ遊んでた。 たまに「ここをも

          「陸」と書いて「おか」とよむ

          商工会議所と出会ったはなし

          10月〜11月の約2ヶ月間、毎週月曜の夜に開催された、商工会議所の創業スクールに通ってみました。 主に創業準備〜創業直後までに必要なスキルや知識を専門家に教えてもらえるもの。 いわきで仕事するなら、、、事業承継も本気で考えるなら、、、といろいろやりたいことが浮かびは消えしている状況をなんとか少しでも前に進めたいという思いで。なにか手を動かせるきっかけに、という気持ちで申し込んでみました。 *** これまで漁業に携わってきた中で、あまり商工会議所さんと関わる機会はなかった

          商工会議所と出会ったはなし

          浜のレジリエンス

          *** 先日市場に、誰も名前を知らない魚があがりました。 刺し網でいわき沿岸でとれた魚です。 とってきた漁師本人も、漁協の人たちも、仲買さんも、「図鑑で見だごどあっけど、名前がででこね~」と。 そうは言っても入札や放射能検査のサンプルに出すのに魚種名がわからないと困ってしまうのでみんなでなんとか情報収集。 わたしがお世話になっている全国の青年部の皆さんにラインで写真を送ると、鹿児島の尊敬する漁師さんからすぐにお答えが帰ってきました。 「おもいっきり南の魚だけど、どこでと

          浜のレジリエンス

          漁業がある日常にとけこむ

          2拠点生活を始めて1か月以上がたった。 徐々に浜に出ていきながら、テレワークをするサイクルができてきた気がする。 「自分の日常に漁業を取り入れる」ことを思い描いて始まった生活だけれど、「漁業がある日常に自分がとけこんでいく」というのがしっくりくるかも。 より生きやすい、働きやすい姿を目指して試行錯誤中。 *** はじめの2週間ぐらいは父にくっついて港で水揚げを手伝ったり(ほぼ何も手伝えていない(笑))、漁船まわりのあれこれを一緒にやったりとしてみた。 34年漁師の娘をや

          漁業がある日常にとけこむ

          めひかりのにぎり 

          先日、築地魚河岸で福島漁連の試食会をお手伝いさせていただきました。 「常磐もの」のおいしさをPRするために、たぶんだいたい5年前ぐらいから漁連さんが実施している試食会で、今回で12回目の開催。私も数年前からスタッフとして参加させていただいています。 当事者として福島の漁業のために私にできることは何でもやりたい、と思ってきた私の自己満足を実現してくれる数少ない機会。いつもあたたかく仲間に入れてくださる漁連の皆さん、本当にありがとうございます。 この試食会は、築地場外市場にあ

          めひかりのにぎり 

          浜のワークスペースがほしい

          今月から始めた、ふくしまと首都圏の2拠点リモートワーク。 特急で2時間半、パーク・アンド・ライドで移動の負担はほぼ感じず。 一緒に仕事をする会社のチームに迷惑をかけないように気をつかいながらではあるが、かってはわかってきた気がする。 今週からは、早朝の時間を使っていよいよ海にも出ていく予定。 一方で、やや理想との乖離もあり。 結局なんでこうなってしまうのか、、、と、ちょっとモヤってる。 *** なぜモヤッてるかというと、 "まち"※に出ないとオフィスワークができ

          浜のワークスペースがほしい

          日常に漁業を #ふくしまぐらし

          海を守りたいとか、いわきの漁業を守りたいとか、漁業を振興したいとか。そういう大義名分ではなくて、自分の日常をよりよくしたいというほうが楽しくて本質的なことができるかもしれない。 *** 今月から福島県の ふくしまぐらし。×テレワーク支援補助金 を活用させていただきながら、実家と首都圏との2拠点生活に挑戦してる。 思い切って移住したいところではあるけれども、すでに首都圏で二人暮らしの家族生活を始めていることもあり、自分もパートナーも納得のいく方法で新たな生活をスタートしてみ

          日常に漁業を #ふくしまぐらし

          未来のはなしがしたい

          賛成か反対か、なんてはっきり言い切れるわけがない。 私たちがこれまで生活の糧としてきた「漁業」の危機でもあり、大切なふるさとの存続の危機でもあるのだから。 漁師が最後の砦のような構図になってしまったのはどうしてだろう。 「漁業者の方には申し訳ないけど、流すしかないと思う」という完全に他人事な消費者の言葉がテレビから流れてきて、膝から力が抜けてしまった。 時間という薬と、関係者の並々ならぬ頑張りがあって、ようやくここまで来た、踏ん張ってきたという印象だった。 それでも、今で

          未来のはなしがしたい