なな

鈍く光っている。

なな

鈍く光っている。

最近の記事

春も終わるし短歌でも詠む

会わない?の口実になる何もかも 春の終わりも 君の不幸も 波のまにまに 散り落ちた褪せた花弁 君のまにまに わたしのすべて 透明の風に撫ぜられ溶ける春 ガリガリ君のソーダのブルー アイスバーのピンクが君の指先を ゆっくり甘く染めるのを見た、 暗緑の道に浮かぶは花筏 わたしどこにも行けやしなくて 残響も消えた無人の体育館 レミオロメンの3月9日 好きとかじゃなかったけれど 一番だった先輩の名も霞となって 思い知らされている亡霊に 春に嵐が来るのは何故か 許さない

    • 長野ひとり旅行記|前編

      経緯は省略するが、四月になるまで無職の身であった。 自由を得てからしばらくは、友人と寿司を食らい、泊りがけで東京ディズニーシーに行き、漫喫に一日入り浸り、とにかく人との接触を堪能した。あっという間に一週間が過ぎた。意図せずして、数少ない私の尊い友人たちとの約束は一週間のうちに偏っていた。私は彼女たちとの約束を果たし終えると、図書館とツタヤで無謀とも言える量の映画と本を借りてきて、家に籠もってそれらに没頭した。私は友情と孤独の両方を愛していた。 文化の恩恵を浴びに浴びて、そろそ

      • 何となく好きな歌詞のこと

        私には「何となく好きな歌詞」というものがある。 「何となく」とあるように、その歌詞が一体なぜ好きなのか自分でもよく分かっていなかった。しかし最近になって気づいた共通点があるのでメモしておこう、というのがこのnoteの主旨である。 好きなものは理由なく好きでも良いが、好きなものを好きでいる理由が分かることは素直に嬉しい。 まず前提として、「好きな歌詞」そのものが私にとって数少ないものである。 曲を聴いていても、歌詞の意味を頭に入れて聴くことがあまりないのだ。音楽をリズム主体で

        • 私の生きるよすがをメモしておく

          これは私がつらくなったときや全てが嫌になったときに、ひかりを思い出すためのnoteだ。 ひかりというのは、タイトルにもある「生きるよすが」のことである。もう少し普遍的に言うと「将来の目標」とか「生き甲斐」とか「希望」になるが、言葉が重すぎて逆に憂鬱になってくるのでここでは「生きるよすが」とする。「よすが」という響きがなんか良いので。 それは、途方もないくらい広い砂漠を歩いているとき見上げると輝く星。 私は私のために書き残すが、これを読んだあなたも、どうかあなたのひかりを思い

        春も終わるし短歌でも詠む

          大人になっても膝はずり剥く

          私の二十二歳が終わるまで、残り一ヶ月を切った八月上旬。 ビタン!と転けた。それは見事な転けっぷりで、手を着くのが間に合わず両膝からアスファルトの地面に落ちて全身を強か打ちつけた。 そして、今、痛々しくずり剥けた己の膝を見て、大人になるってこういうことなのかもなあと気づきを得たので書く。 もしかしたらみんなは当たり前にとっくに知っていることかもしれないが、私にとっては大きな発見だったのだ。 よく転ぶ子供だったよく転ぶ子供だった。子供はよく転ぶというのを抜きにしても、常人より

          大人になっても膝はずり剥く

          夏だし短歌詠んでみた

          コンビニを出てすぐ溶けるチョコレートアイス みたいな人生がいい あなたは夏の亡霊 涼求む 街を彷徨い 汗の足跡 夏なんて 贅沢な名だね 今からお前の名前は死だよ 死だよ 夏のせいにして熱を押し当てて ぬるくやわくなるきみ アイスノン ポケモンsleepに録音された蝉 に混じって 俺を呼ぶのは、 地球の設定温度を変えたいね リモコン片手に一時休戦 夏は恋 しなきゃ?うるせえ黙ってろ そのアプリ閉じて海行くぞ海 気温35度超えたから家にいる クーラー効いてて、お前も

          夏だし短歌詠んでみた

          全盛期のAKB見てボロボロ泣く夜

          私はAKBのファンではない。 でも、AKBは確かにひとつの時代で、今20代の私はその時代に生きていた。 AKBというひとつの時代私はAKBのファンではないけど、アンチでもない。 特別熱心に彼女たちを追ってはいなかったけれど、修学旅行のバスでは『RIVER』や『大声ダイヤモンド』が流れていたし、給食や掃除の時間に『ヘビーローテーション』が流れていた。 記憶の片隅で、無邪気というには成熟してしまった小学校高学年の女の子が、長箒をマイクスタンドに見立ててヘビローテーションを踊って

          全盛期のAKB見てボロボロ泣く夜

          巨大ダンジョン〈紀伊国屋書店新宿本店〉で好き放題に本を買うのはめちゃくちゃ楽しい。

          新宿の雑踏を抜けると、そこは巨大ダンジョンであった。そう!東京の巨大ダンジョンこと、紀伊國屋書店 新宿本店である! 遡ること12時間ほど前。「そうだ、東京に行こう」と思い立ったのは風呂から上がりあとは寝るだけという時だった。旅行前日の深夜であったのにも関わらずフォロワー2人と夜飲みに行く約束を取り付け、インターネットで宿を取り、一晩明けて新幹線に飛び乗ればあっという間に日本の首都・東京である。人間やろうと思えば成し遂げてしまうものなのだ。 計画的な方はご存知ないかもしれな

          巨大ダンジョン〈紀伊国屋書店新宿本店〉で好き放題に本を買うのはめちゃくちゃ楽しい。

          創作したTRPGキャラクター人名ベスト10を発表する

          西暦2020年からTRPGを始めて驚くことにもう三年目になる。これまでに創作したTRPGキャラクターを数えてみたところ、44人いた。一人を継続探索者として五回以上シナリオに連れ回したりもするので、まあ妥当な人数と言って良いだろう。 44人。つまり、44回、人の名前を創作したということだ。 (厳密には、そもそも人ですらなかったり、なくなったりするが、クトゥルフ神話TRPGなら、そういうことも当然ある。ソード・ワールドで作ったキャラクターはもふもふの種族だし。) 私は自分が作

          創作したTRPGキャラクター人名ベスト10を発表する

          お風呂入るのって面倒すぎる。

          結局お風呂に入る未来が見えているのに、うだうだと大して見たくもないYouTubeのおすすめ動画を見て時間を浪費しているのが私である。 ほとんど毎日。ほとんどというか毎日、お風呂に入るのが億劫になってる。なぜ人類はお風呂に入らなければならず入る運命にあることを分かっているのに、さっさと入ろうとしないのか。 決意お風呂に入るまでの行程を考えて、億劫になる。 大体、「ああ、お風呂にそろそろ入らなければならないなぁ」となるのは、夕飯を食べ終わり皿洗いなどもしてひと段落着いた頃合い

          お風呂入るのって面倒すぎる。

          マッチングアプリやってみたけど、人との交際には向いてなかった。

          マッチングアプリを始めた。 出会いを求める異性を引き合わせるための例のアレだ。 その時の私は、なんとなく時間があって暇つぶしに始めたのかもしれないし、社会人になる前に交際というものを経験しておくべきなのではと思ったのかもしれない。もしくは、大型犬の飼育は独り身には難しい(私はラブラドール・レトリーバーといつか一緒に暮らしたいと夢見ている)と危惧したのかもしれないし、恋愛の楽しさを謳う広告に嫌気が差してヤケになって始めたのかもしれなかった。 どれかひとつ明確な理由があったと思う

          マッチングアプリやってみたけど、人との交際には向いてなかった。