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一語

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一言多い私の一語。
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2015年6月の記事一覧

となりの芝

となりの芝

自分のやっている事がうまく行かなくなると、他人の事が良く見えてくる。

頑張ってもせいぜいこの程度かという意識が、他の人は良い思いをしているに違いないと言う確信になってきて、やっかみを覚える。

ファミリーレストランで、子供が口一杯に頬張りながらも他人の食べ物が気になって、きょろきょろしているようなものだ。あっちの方が美味しいかな?と迷っている図である。たいして変わらないよ、同じようなものだよ、と

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利益の源泉

利益の源泉

高く売る、安く仕入れる、経費を掛けない、の三つが利益を生み出す。

高く売れれば素晴らしいが、相手を騙して売ることはできない以上、買い手が納得するものを提供せねばならない。街の中を走るだけなら中古車センターで15万の車でもいいだろうが、わざわざ何十倍も出して高級車を買う人もいる。その違いに何故金を払うのか?と考えると高く売ることはそうそう簡単な話ではない。

安く仕入れる事を考えると、100円ショ

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負け戦の殿(しんがり)

負け戦の殿(しんがり)

会社のような組織では、割の悪い役目を果たさなければならない事もある。

例えば、こじれたビジネスの修復とか、クレーム処理などがこれに当たる。まっさらな状態から始めるのと違って、初めから難しくなっているものを元に戻すのは骨が折れる。しかし、しょせん手直しの仕事の出来映えは良くはない。労多くして功少なしである。

しかも、人の後始末をやっている姿は、往々にして、その人自身がへまをやったように見えるもの

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日陰の製造業?

日陰の製造業?

もう50年も昔になるが、大学を出た年の同級会で、都銀へ行った友達がボーナス50万と話した時のショックは長く忘れられなかった。

私は地味なメーカーにやっと就職し、手にした初任給は2万3千円、賞与は3万そこそこだったからだ。総合商社の友人はアメリカに社費で留学し、本給を日本で貰いながら、生活は別途支給の現地手当でまかなうという豪勢なもので、5~6年海外へ行ってくると家が建つともいわれた時代であった。

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鉄スクラップで景気を見る

鉄スクラップで景気を見る

元アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長のグリーンスパンは、朝起きて最初にチェックするのが、鉄スクラップ市場の動向だった。

世界経済が変わる予兆はスクラップ市場に顕著に現れる。

リーマンショックが起きる2008年秋前の夏場から、スクラップは急落していた。原因は「鉄余り」時代になったことだという。鉄鉱石価格も2014年2月からほぼ半分まで下がった。その背景は中国の建設不況で、中小の鉄鋼メーカー

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陸上養殖

陸上養殖

漁師が船を降りて引退したり、他の仕事に就く時には「オカに上がる」という。

魚は海のものだから魚取りにとっては、文字通り陸(オカ)に上がることは魚との縁が切れることだった。しかし、最近はずいぶん事情が変わっている。養殖は海上だけでなく、陸上でもやっている。将来は、むしろ、陸上のほうが主力になりそうだ。理由は赤潮とか台風などのリスクが避けられること、使える場所がふんだんにあることだろう。海は広大に見

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松下政経塾

松下政経塾

松下政経塾は1977年に設立され、敷地2万㎡の堂々たる塾である。

かつて150人の塾生がいて、OBの4割が政界に身を置いているが、最近は塾生12名と閑古鳥が鳴いている。入塾の競争率は10~20倍と難関だから、相変わらず難関ではあるが、時代の役割を終えつつあるのだろうか?

政治にはコストがかかる。政経塾で育った人材も、いざ政治家になるとなれば、実に多くの金がかかるだろう。一方で稼ぎ他方で政治活動

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