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一語

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一言多い私の一語。
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国家統計局が認めたDATA捏造

中国の統計をつかさどる国家統計局の最高責任者が、地方政府による統計データねつ造の存在を公式に認めた。「一部の地方」と言うが実際は統計データのねつ造が全国的に蔓延している可能性が高い。発端は遼寧省長陳求発による遼寧省内の一部の県や区で過去に数字の水増しによる統計データのねつ造が行われていたと認めたことである。
 2016年第1四半期(1~3月)のGDPは、遼寧省が全国31省・自治区・直轄市の中で唯一

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竹の粉

里山は非常な勢いで竹が増えている。

静岡では茶畑を侵してきていきなり足元からタケノコが頭をもたげてくる。放っておくと1日に20cmも伸びて硬くなり簡単には除去できない。しかも地中潜行すると10mくらいはザラで、はるか離れた畑に突如として生えてくる。栄養を奪い日光をさえぎり、2年で成竹になるからあっと言う間に侵略されて風景が変わる。パンダを放し飼いにして食べさせれば良いかもしれないが、他に竹を食べ

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創立1400年

世界最古の会社はどこにあるだろうか?エジプトかインドか、それとも中国だろうか?
正解は日本、といわれる。
その歴史は1400年、名前は金剛組という。京都・奈良を拠点にして寺社建築を続けている「宮大工の会社」である。
現在120人ほどが8つのチームに分かれて全国の神社仏閣の建築や修理に従事している。
技術の高さは住宅に比べると別格の水準が要求されるので、効率だけを追求する現代の企業とは一味違うものが

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年金原資がない(中国のことです)

北村豊氏のレポートより。

中国の2014年末時点における60歳以上の人口は2.12億人を超え、全人口の15.5%を占め、35年後の2050年には60歳以上の老齢人口は4億人を超し、全人口に占める比率は30%を超えて、世界で最も高齢化が進んだ国となるだろう。

養老年金の原資不足は15年後の2030年には4.1兆元(約82兆円)に達し、35年後の2050年には6.1兆元(約122兆円)に達する。

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『迷いの時代に』

『迷いの時代に』

出版物のご紹介(再掲)

『迷いの時代に ー現役経営者が語る60話ー』

ーーー不器用で、あたふたしている姿も、ぐちゃぐちゃの仕事に振り回されている時も、クレームでお客様から叱られて謝っている状態も、「格好の悪い」仕事こそが、その人の真価を表している場合が多いのである。

昔の人は負け戦のしんがりこそ勇者の証と認めていた。ーーー

                    (本文『負け戦の殿』より)

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略奪無罪

2015年8月河南省の南部を通る高速道路"焦桐高速公路"で、トラックが横転する事故が発生した。幸いにしてトラックの所有者で運転していた「辛(しん)さん」にけがはなく無事だったが、荷台に満載していた20トンのリンゴが路上に散乱し、辺り一面はリンゴで埋め尽くされた。リンゴ満載のトラックが横転したとの情報はいつの間にか周辺の村々に伝わり、地元農民の老若男女が群れをなして次々と事故現場へ駆けつけた。

 

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爪切り一万五千円

たかが爪切りと言うなかれ、高級理容美容の業界ではブランド爪切りが人気であるそうな。英国を商品発表の場所にしてグローバルなブランドを打ちたてて来たメーカーが燕三条にある。金属洋食器の町らしい高級品勝負の物語である。

もとは作業工具の製造をやってきたが、新興国が台頭してきたことに加えて、円高で価格競争に勝てなくなった時に、まったく未知の高級理美容品事業に挑戦した。電線の被覆を剥くニッパーを爪切りに転

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捨てる神、拾う神

中国の政情不安や人件費の高騰、加えて労務管理の難しさと恣意的な法令解釈に振り回されて、無念の撤退を決意する企業は実に多い。だが、撤退は進出の何十倍もの困難を強いられるのである。まず、解雇が簡単にできない。できたとしても補償金がべらぼうな額になり、その根拠も定かではない。地方政府のご機嫌をそこねれば、撤退の「許可」も得られない。甚だしきは、責任者が留め置かれて(事実上の軟禁)相手側の要求する金銭を払

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中国の老後

中国の2014年末時点における60歳以上の人口は2.12億人を超え、全人口の15.5%を占め、35年後の2050年には60歳以上の老齢人口は4億人を超し、全人口に占める比率は30%を超えて、世界で最も高齢化が進んだ国となるだろう。

養老年金の原資不足は15年後の2030年には4.1兆元(約82兆円)に達し、35年後の2050年には6.1兆元(約122兆円)に達する。

2014年末時点における基

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M&Aの損失

LIXILと言えばイナックスとトステムが合併してできた、5万人で1兆6000億売り上げる巨大会社である。

社長藤森義明(プロ経営者の定評あり)は積極果敢な経営で、世界戦略を立ててドイツのグローエ社を買収したが、グローエの子会社JOYOUがすぐに倒産してしまった。JOYOUの2014年の決算書では630億の資産があることになっていたが蓋を開けてみると660億の欠損があった。グローエのCEOはこの子

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鹿は鉄が好き?

鹿は鉄が好き?

実にユニークな商品が、まったく無関係な業界から発売された。それは「ユクリッド」という名前で、NETで入力してもヒットしない。幾何学の「ユークリッド」に行ってしまうからだ。この紛らわしい商品名は日鉄住金建材という鉄関連の建材を販売している会社で、用途は「野生の鹿対誘引剤」。鉄線で巨大迷路を作るのかと思ったら、まったく発想が違った。

 鉄道各社は野生の鹿が線路に入り込んで列車と衝突する事故が増えてい

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訪日観光客の激増の影で

訪日観光客がいきなり1800万人の大台を実現させる。
中国、韓国、台湾などのアジア近隣国を始め大幅な増加の経済的恩恵が話題になっている。静岡空港もようやく万年赤字から黒字基調に転換できたようだ。
ここで観光客増加の影で動いている正と負の二つの話題をとりあげてみよう。

一つ目は観光の「質」の問題である。
観光客のマナーの悪さは前から指摘されてきたが、その観光客を扱う業者の質の悪さは表に見えにく

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弁柄

弁柄

弁柄の歴史は古い。弁柄とは古来から使われている赤色顔料のことである。

75000年前のアフリカの洞窟壁画や15000年前のアルタミラ(スペイン)でも弁柄の赤が用いられていた。磁硫鉄鉱石から得られる赤は魔除けの意味と、旺盛な生命力の象徴の意味があって古来尊重されてきた。
日本でもBC7000年ころからあり、飛鳥奈良のころには社寺を美しく彩った。近世岡山の銅鉱山で銅の採掘の時に、一緒に出てくる硫化鉄

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つかみながら測る

ロボットハンドで重量を計る場合は、まず「つかむ」次に「はかりに載せる」もう一度持ち上げて「所定の位置に置く」という3つの動作になる。

京都のイシダはこれを掴んだ瞬間に重量計測をやってしまうシステムを開発した。つかんで運びながら所定の位置に置くので一連の動作は1工程に短縮される。ロボットアームなどの搬送装置や多軸ロボット、シリンダー、スライダーに取り付けて使うが、ワークを持ち上げた際の慣性力と加速

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