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【ショートショート】『ミックジャギー、ショートショートを書く事に飽きている』


【掌編】『マズ男、シマズゴロウ』

♡ 2

〇ミックジャギー

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なんだ..前回書いた作品、全然ウケないじゃないか...『スキ』が2つだけって..

もう何十本も書いてるのに、いまだにこんなにウケないって、逆に凄い気がするんだけど..

いや、でも、これの前の『ウツ男/ウツイシュンイチロウ』はこれと殆ど同じ内容なのに、何でそこそこ『スキ』が入ったんだろうか?不思議だ..

しかし、この作品相当雑だよなぁ..投げやりな感じするもん
夜中に書いてる時は面白い気がしたんだけどなぁ..今読むと意味不明だもの..
やっぱり夜中のテンションで書いたのは、朝、読み直さないとダメだなぁ

なんか、ここまでウケないと何故か清々しい気さえしてしまうなあ...

いやぁ、でも、最近、キーボード叩くのが億劫なんだよなぁ
今のところ、書いてても良い事、全然無いしさ.. 
誰か、10万円くらい投げ銭くれないかな..
やっぱり投げ銭もらうには、noteで一番人気の短編小説みたいに、一生をラブホテルで過ごす位の気合いの入った話じゃないと駄目かも知れないな....って、こんな事、ウダウダと考えてる場合じゃなかった! 
明日は仕事で始発に乗らなきゃいけないんだった!
時刻は夜10時を回っている..早く寝なければ..

俺は部屋の電気を消して、布団に潜り込んだ。
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『『...ミックジャギー!!』』

朧げな意識の中、誰かが呼んでる気がする..

ん?夢か?枕元に気配を感じるんだけど..

『『おい!ミックジャギー!』』

えっ..誰?..
俺は寝ぼけたまま、ゆっくりと顔を上げた。

すると、そこには全身黄色の服を着て、髪まで黄色の男か女か判らない人が、うっすらと光を放ちながら立っていた。

「.......」

その人は黙ったまま見上げている俺を見下ろしながら言った。

『『私が誰だか解るか?』』

えっ、いきなり、なんなの?夢かな..
俺は答えた。
「...すみません..明日、早いんで..」
そう言って、再び布団に潜り込んだ俺の身体を、その人の声が揺らした!

『『『おい!ミックジャギー!起きなさい!』 』』

部屋全体が揺れる様な、凄まじい声量だった! 
俺の意識は半分覚醒した。
そして、半分の意識でその人に聞いた。
「...アナタ、なんなんですか?」
その人は、怖い顔で答えた。

『『私は、ショートショートの神様よ!』 』

「よ」という事は女性なのか..いや、人間じゃないのか..神様..
俺は、まだ半分寝ぼけたままの頭で聞いた。
「..え、ショートショートの神様って、あの人じゃないんですか?えっと、誰だっけ...寝起きで頭が回らなくて...あっ、星一徹さんでしたっけ?」

『『その神様では無い!本物の神様よ!後、一徹じゃないわよ、お前!』』

俺は、ぼんやりと思った。

へえ、そんな神様がいるんだ.. .
いや、トイレにも神様がいるらしいから、いてもおかしくないか..

「...あ、はい。で、その、トイレの神様が何か?」

『『トイレでは無い!ショートショートの神様よ!』』 

「あ、スミマセン..で?」

ショートショートの神様は、神妙な顔で首を振りながら言った。

『『で?って、お前..私に逢えて喜ばなかった人間は、お前が初めてだわ..まさか、もう飽きてるとか?』』 

「いや...違います..多分...寝ぼけてて..スミマセン...で?」

神様は不満そうに、少し考え込む様子で答えた。

『『で?って、お前....
あのねぇ、私は神様として、ショートショートを頑張って書いてる人間の願いを一つだけ叶えてやってるの。但し、純粋な願いに限るんだけど..お前は純粋な感じじゃないわねぇ..』』 

その言葉を聞いた俺の頭は完全に覚醒した!

「えっ、本当ですか!じゃあ、カブトムシのオス、メス50匹ずつ下さい!計100匹。【note】で大人気の短編にカブトムシと少年の話があるんです!俺もカブトムシ育てて、一緒に成長したいんですよ!後、飼育用のケースもください!俺、純粋にカブトムシ大好きなんで!時間無いから、早くしてください!」

俺の勢いに、神様は少し引き気味だった。

『『お、お前、なんでそんなに焦っているの?...他の人間は全員、口を揃えて同じお願いをしたのに..まさか、カブトムシとは..』 』

「えっ、何ですか、同じお願いって?まさか、これからも、ずっとショートショートを書き続けられます様に、とか青い事言ってる訳じゃないですよね?」

俺の言葉を聞いた神様は『うっ』と唸り黙り込んでしまった。

「当たりですか..青いなぁ..いや、それもいいか、印税が..いや、出版業界の現状を考えると、やっぱりカブトムシだな。カブトムシでお願いします!本当に好きなんですよ、カブトムシ!一緒に成長していきたいんです!是非ともお願いします!」

まくし立てる俺を、胡散臭そうな目で見ていた神様は疑う様な顔で言った。

『『...お前、まさかカブトムシで商売するつもりじゃないだろうね?』』

「うっ」

『『純粋な願いに限るって言ったわよね!干すわよ!』』

今度は俺が黙る番だった。

【劇終】

出演、ミックジャギー、ショートショートの神様


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