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この世は狂気に満ちている

梅田のビルから女子高生が飛び降り自殺をしたらしい。理由はジャニーズグループNEWSのライブチケットが落選したから。

私は思った。

「そんな理由で?」

でも、これは違う。だって、私がいじめで「死にたい」と、言ったときも同じような反応をされたから。学生時代の人間関係ごときで死ぬのはおかしいと力説された。人生の10分の1にも満たないのだから、と。しかし、私にとっては学校が全てだった。そんな綺麗事ばかり並べられても「私を理解してくれない人」としか認識できなかった。そう、何でもそれが全てになったら死にたくなるのだ。人の気持ちなんて他人には理解しようがない。

Twitterでは自殺する様子がいくつも載っていた。消えても消えてもまた載る動画。バズりたいがために載せる人は理解ができない。SNS依存症としてきちんとした治療を受けた方が良いと思う。見ると、後ろ向きで手を開いて綺麗に落ちていた。これは速く落ちるための方法。すぐにどん!という鈍い音がした。片腕が吹っ飛んだらしい。

不謹慎だが、「自殺できて羨ましいな」と思った。私は死にたくても死にきれず、消去法で生きているから。


死の恐怖はなかったのだろうか。足は震えなかったのだろうか。後ろ向きで飛び降りていたけれど、落ちる空のスピードは遅く感じたのだろうか。この光景、あいみょんの『生きていたんだよな』みたいだなぁ。

私には疑問が浮かび上がって止まらなかった。

そして、載せている人がみんなどこか好奇心が垣間見えた。反応は様々。不謹慎だと言ったり、珍しいと言ったり、死ぬ前にセックスさせてくれたらとか言ったり、ゲラゲラ笑ったり、していた。それを私はただ無表情でスクロールした。それと、最も鳥肌が立ったのは「報道カメラマンが笑顔で追いかけていた」というツイート。

ねぇ、この世は狂気に満ちているね。

あの子にはどこにも味方が居ない。死人に口が無いのをいいことに、みんな好き勝手に言っている。SNSのネタにしたり、スマホを向けて動画を撮ったり、もしかしたら、こんな風に記事を書いちゃう私もそうなのかな。

女の子が最後に見たのはなんだったのだろう。

40分かけて説得しようとしてくれた警官?スマホを向けて動画を撮ってくる傍観者?家族?学校の友達?自分自身?

結局、本人にしか分からない。

ひとつ言えるのは、自殺する人は誰にも相談しないということ。SNSで「死にたい」と言っている人も、リスカ画像を上げているメンヘラも、知恵袋で自殺方法を聞いている人も、みんな死にはしない。「死なないで」と、言ってくれる誰かの言葉で承認欲求を満たしたいだけなんだ。

誰も”本気で自殺しようとする人”は止めることはできない。

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