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専門家の責任

本日から、抜歯のため入院しております。ここまで、治療や検査を続けてまいりましたが、いよいよ手術です。

病院へ入りますと、受持医、麻酔医、薬剤師、看護師と代わる代わる説明に来まして、その都度、同意書をとっていかれるものです。

「インフォームド・コンセントだなんだと言うよりも、医師の絶対に大丈夫との一言のほうが患者を勇気づけるものだ。」と唐沢寿明版の白い巨塔の財前教授のセリフをふと思い浮かべまして。

一昔前は、先生の言うとおりに従うことが当たり前だったところ、パターナリスティックな考え方が否定されることが多くなり、情報提供と患者の意思決定を尊重することになっています。無論、事故が発生したときに、過度に責任を追及されるような事情も大いに含まれているように思います。

このことは、法律を扱う私たちも似ています。

いくら最善手とはいえ、一方的に押し付けることはよくないことと考えられます。とはいえ、悪手を選択することを見過ごすこともできず、一方で、自分で決めることが苦手なお客様もあるわけです。

専門家には、アカウンタビリティだけでなく、エンパワーメントも重要な役割であると考えています。細かい情報提供と、いたずらにメニューを広げるだけでなく、時には背中を押してあげることも求められています。

両端に触れ過ぎることなく、専門家として、バランス感覚を大切にしたいものです。

ぜひ、私の活動にご支援ください。より多くの方に優良なコンテンツをお届けするため、全力を尽くしてまいります。