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【読んだ】マンガでわかる災害の日本史

おすすめ度 ★★★★☆

思った以上に読み応えがあった。
漫画部分は4割位で、子どもはこれだけでも楽しめるし、残り6割の文章もしっかり充実している。

著者は歴史学者で、災害史は命を守る学問だという強い信念がある。
プロローグ漫画で語られているのだが、熱意がすごい。その熱意は本にも十分に詰め込まれている。

地震や津波以外にも火山噴火・土砂災害・感染症など様々な災害史がテーマになっている。
特に噴火の歴史は超怖かった。。。
ただ事実を並べるだけでなく「なぜ人々は逃げなかったのか」「支援や復興がどう進んだか」など、当時生きた人たちのリアルな姿が描かれているのが良い。

自分に置き換えて想像するのは怖いけど、重要なことだ。
自分ごととして想像するところから防災は始まる。

**

と、偉そうにいうのは、私がなかなかの防災オタクだからだ。

きっかけは、2016年の地元熊本での地震。
家族や友人もみんな被災した。
赤ちゃんを抱えて避難をした友人もいた。
着替えもないのにウンチ漏らした、おやつが欲しいと避難所で泣きわめくからとても居られない、などLINEで飛び交うリアルな惨状は、当時1歳の娘がいる私にも他人事ではなかった。

それから、防災は私のライフワークになった。

防災関連の本は片っ端から読んだし、グッズの見直しは家族で毎年行う。
部屋を真っ暗にしておうちで防災ピクニックもする。
また、得た知識で防災講座を開き、地域や保育園で実施した。育休中で時間もあったから、チラシを作ったり防災NPOに関わったりもした。

なぜそこまでしたかというと「あんな大変な想いを自分にも他の人にもしてほしくない」からだ。
熊本は地震が少なかったから、備えていない人が多かった。知識も少なくて、デマにも翻弄されていた。
知っていれば…備えていれば…という後悔をたくさん聞いた。

日本は災害大国だから、逃げることはできない。
少しでも被害を減らすためには、「何が起きるのか」「どう行動すべきか」を知って備えるしかない。
それを教えてくれるのが歴史だ。

怖いけど、知っておいたほうがいい。
親子でぜひ読んでほしい。


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