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朗読後記

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自分の朗読の反省文などをまとめました。(マニア向け)
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【朗読後記】Spotify今年のまとめ・2023年

【朗読後記】Spotify今年のまとめ・2023年

今年もSpotifyからまとめが届きました。
去年に引き続き、私事が詰まっていて朗読があまりできない状況にあります。
12/3現在、2023年にポッドキャストにアップロードした朗読は12作品でした。
その中で一番多く聞かれた作品は芥川龍之介の「蛙」だったそうです。
私の番組での再生回数もトップでした。
「蛙」をきっかけにリスナーになった方も多かったとか。
一番シェアが多かったのは小川未明の「野ばら

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【朗読後記】『朝のヨット』を読む

【朗読後記】『朝のヨット』を読む

 山川方夫の作品を読みました。山川方夫は1965年に34歳の若さで亡くなりました。ですから青空文庫に収録されている作家の中では割と現代に近い文体の作品で読みやすい方だと思います。短編が多いので私もいくつか読んでいます。ミステリー寄りで、短いストーリーでありながら、心を動かす何かが仕掛けてあって、表現のしがいのある作品が多いと感じています。

 今回朗読した『朝のヨット』。初夏の話なのでもっと早く仕

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【朗読後記】随筆を読む

【朗読後記】随筆を読む

 今回朝ドラ「らんまん」のモデルである植物学者の牧野富太郎の随筆を読みました。
「らんまん」は大好きでほぼ欠かさず見ています。この随筆は晩年のものですが、読みながらどうしても神木隆之介の顔が浮かんでしまいました。晩年も彼が演じるのかなぁ?

それはそれとして、この随筆は牧野先生が御年93歳の時のものです。最後の段落がとてもかっこいいんです。

「もうこの年になったとて決して学問を放棄してはいない。

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【朗読後記】詩を読んでみた

【朗読後記】詩を読んでみた

『月蝕』夢野久作
詩をほとんど読んだことがないので、朗読教室の課題に詩を選びました。選んだ理由は3点リーダーが多すぎて、どう読めばいいのかわからないからです。
気になる方はテキストをご覧ください。

青空文庫『月蝕』夢野久作

はじめ3点リーダーがあるとわかるように読もうと頑張りました。するとゆっくりしすぎとの指摘を受けました。
まあそうですよね。ひと言一言引っ張りましたから。なので、聞きやすくな

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【朗読後記】芥川龍之介の『蛙』を読む

【朗読後記】芥川龍之介の『蛙』を読む

私は昔から蛙が大好きです。キャラクター化されたグッズを集めていたこともありますが、今はどちらかというとグッズよりも本物の方が好きです。昔本気で飼育を検討しかけましたが、生き餌の問題があり即断念しました……。
恥ずかしながら蛙好きなのにこの作品のことを知りませんでした。私が読まなくてどうする!という変な使命感のもとに読みました。

作者が蛙のたくさんいる池を眺めて、彼らの議論と近くにいる蛇の様子を見

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【朗読後記】『幼蟲』を再読してみた

【朗読後記】『幼蟲』を再読してみた

 桜の花の季節になりました。私は桜の花が大好きなのですが、そうは思わない人もいるんですね。本作の作者江戸川乱歩もその1人のようです。
 友人が私の朗読を聞いてくれました。自分も桜の花が苦手なんだが、同じように感じる人がいて安心したという感想でした。おしべのやくが集合体に見えてくるそうです。江戸川乱歩も『無数の白い蝶が羽を重ねて』とか『千万の蜂の巣が、空を隠してぶら下がっている様に』などと集合体とし

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【朗読後記】山月記を再読してみた

【朗読後記】山月記を再読してみた

 大好きな作品の再読です。寅年の〆に読みました。前回読んだのは2021年2月でした。その頃はまだ朗読後記を書いていませんでしたが、この話を朗読した時のことはよく覚えています。前に習っていた講師の指導の下、時間をかけて練習しました。その講師に習うようになってから確か3作目か4作目でした。そしてこの作品は某朗読コンテストで課題になっており、私もエントリーして予選通過しました。入賞はしませんでしたが、他

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【朗読後記】Spotify 今年のまとめ

【朗読後記】Spotify 今年のまとめ

 今年は更新をストップしていた時期もあったのですが、リスナー数はググーンと増えたようです。どうもありがとうございます。

 podcastの番組は2年前に開設しました。当初は誰も聞いてくれなくて、2ヶ月くらいはリスナー0という日があったり、週に20再生未満などということが続きました。聞かせようと思って開設したわけではないと言いつつ、誰も聞かないというのも寂しいものです。その後も自分の記録用として気

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【朗読後記】小川未明『野ばら』を読んで

【朗読後記】小川未明『野ばら』を読んで

 今回初めて小川未明の作品を収録しました。朗読教室の課題になって読んだことは何度かありましたが、文体が自分の声に合わず、苦手意識が高く読めませんでした。

 さてこのお話し、「野ばら』といういかにもファンタジーなタイトルですが、そういうお話ではありません。いつものように優しい文体ではありますが、力強いメッセージある作品です。この時代に読むべきものだと思います。

 ある方の朗読を聞いて、私もぜひ読

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【朗読後記】「ピアノ」を再読した話

【朗読後記】「ピアノ」を再読した話

去年の4月に読んだ芥川龍之介の『ピアノ』に再チャレンジしました。まずは自分がどんなふうに読んでいたのかを再チェック。

うぉぉぉぉぉぉ😱 
自分の耳が進化したことはわかります。言葉のつながり方や語尾がみんな下がりすぎています。
で、当時自分は何を気にしていたのかと朗読後期も再チェック。緩急の付け方の指導があったようですね。なるほどなるほど。自分なりに頑張っていた様子もわかりました。
あれから1年

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【朗読後記】嫌い、嫌い、大好きな話を読む

【朗読後記】嫌い、嫌い、大好きな話を読む

北村兼子の『ねこ』を読みました。

この時代に女性パイロットを目指したというのですからかなり飛んでた方だったんですね。かっこいい!文章もかなりかっこいいです。作品に出会ったときこれは読みたいと思いました。
私の場合、かっこいいなと思う文章ほど読めません。これも難しかったなぁ。もう少し練習すればよかったとも思いますがキリがないので区切りをつけました。でもこれは自分の十八番にできたらいいなと思う作品な

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【朗読後期】読み分けは難しい

【朗読後期】読み分けは難しい

朗読では1作品の中での「読み分け」も重要な要素です。
まず考えるのは会話文の時ではないでしょうか。誰が話しているのかわかるようにします。手法のひとつが声の高さを変えること。子供や女性は高めに、男性や年寄りは低めにというものです。地の文もありますから登場人物が2人くらいの時にはこれで凌げます。器用な人は七変化で登場人物ごとに声色を変える人もいます。私は声色の数はあまりないので、違う部分で音に変化を出

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継続は力なり

継続は力なり

昨夜のclubhouseでは参加者に好きな番号を言っていただき、深川岳志さんのマガジン「朗読用ショートショート」からその番号のものを読むというのをやりました。なにせそこだけでも昨日の段階で451作品あります。下読みなんぞできるわけがないので初見朗読。読みはうまくありませんが、参加者と共にどんな作品だったかなと一緒に振り返ることができてとても楽しかったです。

読んだものは次の5作品です。
111

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【朗読後記】1年後に読んでみた

【朗読後記】1年後に読んでみた

毎度どの作品も苦労しますが、太宰治の「待つ」は長く取り組んだにもかかわらず、特にダメだったものの一つです。あの後、たまに読んでみたのですが、いつまで経っても自分にとって心地いい音が聞こえてこない作品です。

久しぶりに去年収録したものを聞いてみました。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……
なんだこれは……
これを「ましだ」と思っていた当時の私の未熟さよ……。

ひどっ…💧

この1年で耳が進歩した証拠です

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