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【書評】『生きるのがつらいときに読む ブッダの言葉』

おはようございます。

今日から仕事が始まるといった方も多いのではないでしょうか。コロナ禍でつらい日々が続いていますが、そんなときに読んでいただきたい本を紹介します!

今回紹介する本

著書名:『生きるのがつらいときに読む ブッダの言葉』
著 者:光澤裕顕(みつざわひろあき)
出版社:SBクリエイティブ株式会社

この本の著者は僧侶であり、マンガ家でもあります。漫画を交えながら、日常生活の中で起こる”煩悩”に対して、ブッダ(お釈迦さま)の”説法”を引用しながら答えています。

構成(一部)及び感想

第1章:他人のSNS投稿が気になる(三毒)
SNSは相手からの評価を可視化している。その一方で、「貪欲(執着する心)」「瞋恚[しんに](怒りや腹立ちの心)」「愚痴(愚かな心)」「三毒」に陥らせるものでもあり、人間の心を蝕むものにもなりかねない。
それに対して、著者はSNSへの過度のアクセスはやめ、運動や制作活動など自分に見合った「別の価値観」に触れてそれを習慣化させることで、「三毒」から遠ざけてみてはと提案している。

ここではいわゆる「承認欲求」によって精神的ストレスを抱えてしまうことに対する対策の提案を行っています。「承認欲求」はいま多くの人が抱えている悩みではないでしょうか。私は、あまりSNSにはアクセスしない方ですが、時たま「いいね!」がいくつついているのか気になる時があります。このnoteも、どれだけ「スキ」がついているのかや、フォロワーが増えているのかチェックしていることがあります。

しかし、この本を読んで、「それでは本来すべきこと[中身のある記事を書くこと]がおろそかになってしまう」ので「評価を気にしすぎずに(全く見ないとはまた違う)、本質的なところに集中する」ことを決めました!

今後も引き続き、質の高い記事を書いていくよう精進してまいります!


第2章:職場の人間関係がつらすぎる(善き友)
人間関係はブッダの時代にも起きており、そのたびにブッダは説法を行ってきた。もちろん「悪い人」「卑しい人」と交流するのではなく、「善き友」と交流すべきだと、ブッダは説いている。しかしここで気をつけなければならないのが、「自分も相手にとって「善き友」であるか」ということである。人間関係に悩みがあれば、まず自分自身を客観的に見つめなおしてみて、そのうえで行動を起こすと、いずれ「善き友」と交流できるようになると著者は述べている。

職場での人間関係は、社会人人生の中で重要な要素です。幸いなことに、筆者は現時点で人間関係に関する悩みはありませんが、この先どうなるかは分かりません。

そのなかで、この章を読んでいましたが、私が一番刺さった部分が、『自分自身も相手にとって「善き友」であるか客観視すること』です。人間関係を改善させるときに、どうしても「相手に対してどうさせるか」を考えがちですが、ここでは「最初に自分自身がどうなのかを考えるべき」だと述べています。心理学でも「相手の言動は自分自身のそれを映している」と言われているくらいなので、定期的に自分を客観視して自己分析することが大切なのだなと思いました。


第5章:「自分らしさ」が分からない(諸法無我)
ゆとり教育が始まったあたりから「自分らしさ」や「個性」を伸ばすことが推奨されて来た。よく「自分らしくありのままに生きる」と言われるが、執着心を持つと、それはただ「自分らしくわがままに生きる」ということにすぎない。そこで、世の中のあらゆるものは「諸行無常(すべてのものは常に変化している)」であり「諸法無我(すべての存在に永遠不変の実体はない)」ということを認識していれば「こういった自分になりたい!」と固執することなく生活を送ることができると述べている。

私もこの本を読むまでは「とにかく『自分らしさ』を見つけよう!」も一点張りでした。しかし、読んで以降は「確固たる『自分らしさ』ではなく、その時においての『自分ならではのスタイル』で過ごしていこう。それはその先に変わっても構わない」という考えになりました。

「諸行無常」という言葉は、『平家物語』の冒頭に出てくる言葉として有名ですが、よくよく考えたら、その時から「世の中は絶えず変化している」ということをブッダの言葉を通して伝えていたのだから、今になって何かに固執しなければならないといった強迫観念はいらないなと思いました。

だからといって、何もしがみつかない「流浪な人間」になれとはここでは言っていません。その時その時で自分がどう過ごしていくかを考えていけば、自然に「自分らしさ」は形成されていくのだと思います。


まとめ

日本人は特定の宗教を信仰している民族ではないといわれます。しかし仏教は神道と同等くらいに身近なものではないでしょうか。そこで、仏教でのブッダの言葉というのは、かなり心に響くものが多いのではないかと思います。ここで紹介した章以外でも、「努力が認められない」や「自分は結婚できるのか」などの悩みに対してのブッダの言葉も紹介されていますので、是ぜひお勧めします!

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