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菅野久美子「家族遺棄社会」読書感想

あなたは覚えていますか?
以前私が「親を殺したくなったら読む本」と言う
衝撃的な本を紹介したことを。

親との関係に悩む人への処方箋として書かれた本であり、
内容も実用性がありましたが、タイトルは中々に強烈です。

それに続き、又衝撃的な本を見つけてしまいました↓

「菅野久美子著 家族遺棄社会」
前回は親でしたが、今回は家族の本です。


作者について

本の内容について触れる前にまずは著者の
「菅野久美子」さんについて少し解説します。

菅野さんは雑誌の編集者を経てフリーライターになり、
主に生きづらさや性についての問題を
Webメディアで執筆されています。

本の内容は?

では本の内容についてですが

・「家族を棄てたい人」が増えている。
・毒親を棄てたい人
・増える現役世代の孤独死
・どうして家族遺棄社会が出来たのか
・家族遺棄社会と戦う人達について

ざっと話すとこの様な内容になります。

毒親を棄てたい人は前述の
「親を殺したくなったら~」と共通するテーマですが、
著者がライターということもあり、
事例の記述はより詳細かつ丁寧でした。

介護施設からの連絡や最後を代行するNPO法人が存在するという事を
私は初めて知りました。

続く孤独死についてはどちらかと言うと当事者の側が
「家族や社会から棄てられた」内容です。
現役世代の孤独死が増えているというのは考えさせられました。

そもそも家族遺棄社会が出来た背景には
一言でまとめると「金の切れ目が縁の切れ目という価値観」が
広まった為と著者は指摘しています。

最後はこうした社会に立ち向かう
神主や行政の取り組みを紹介されていました。

内容をざっと見ただけでも

今の社会が抱えている病巣が垣間見えたような気がします。
菅野氏の他の著書も読んでみたくなりました。

読んだ感想


では読んでみた感想ですが、

「衝撃的な事実が次々と書かれており、
しかもその一つ一つが
心境を交えつつ丁寧に書かれている」

これが全体を通してみた感想です。

前述したように
「親を殺したくなったら~」
と共通する部分もあります。

ですが「家族遺棄社会」の方が
一つ一つの事案が丁寧に書かれている為、
より根深い部分にある問題に迫っており、
今、目の前で話し合っているような気すらしました。

続く現役世代の孤独死が増えているという話は
心身ともに疲弊してしまい、まともに食事をする気力すら
失ってしまっているというのが衝撃でした。

疲弊の原因を突き詰めていくと
「金の切れ目が縁の切れ目」という言葉にたどり着き、
縁がどんどん細く脆いものになっていると思わされます。
自分自身毎日の生活で実感している事ですが。

家族遺棄社会と戦う人の取り組みも紹介されていますが、
このペースでは広がっていく方が早いでしょう。

まとめ

まとめますと今回紹介した「家族遺棄社会」はあなたが

・家族との関わり方に悩んでいる
・社会問題に関心がある。

のであれば是非読んでいただきたいと思います。

本日は日常演舞が
「菅野久美子著 家族遺棄社会」
を読んだ感想を述べました。

又明日の記事でお会いしましょう!!

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