映画『ブレードランナー』における「水の主題」
『ブレードランナー』(1982)は、酸性雨が降りしきるロサンゼルスを舞台とし、火星から逃亡して街に潜伏する人造人間を殺す任務を負うデッカードを主人公に据えた映画である。この映画の原作となった、フィリップ・K・ディックによるSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(1968)では、人造人間はアンドロイドと呼称され、彼らは徹底的に「共感能力」に欠ける存在として描かれているが、一方で映画『ブレードランナー』では、人造人間はレプリカントという呼び名に改変され、キャラクター像もかな