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コーヒーが大嫌いだったのに、何故バリスタをやっているのか。

僕は「コーヒーが大嫌いだったバリスタ」という肩書きで、最近活動をさせていただいてます。

結構目を惹くみたいで、おかげさまで興味をもってくださる方が多いです。

本当に嬉しいことです。ありがとうございます。

でも、たしかにコーヒーが嫌いだったのにバリスタ!初めて僕のことを知る方でしたら、かなり矛盾していると疑問に思うかもしれませんね。

なかなかこういう機会がないので、今回僕がバリスタを始めた経緯について書いてみようかなと思います。

少し長くなるかもしれませんが、最後までおつきあいいただければ幸いです。

こうしてコーヒーがキライになった

この話をするには、高校生の頃まで遡らないといけません。

高校1年生のとき、友達の家に泊まりにいったのですが、夜中に缶コーヒーを飲む機会がありました。

結論をいうと、ありえないくらい缶コーヒーを飲んだらお腹を壊し、トイレにメッチャいかないといけない状態に。

自分の家ならまだしも、人様の家だったのでとても恥ずかしかったことを覚えています。

もちろん、体調も悪くなったしまったので、お泊り会自体も全く楽しめず…

そこから、コーヒーに対する苦手意識ができてしまいました。

この事件があってから、4年間くらい1滴もコーヒーを口にしてなかったですね。

スタバとの出会い

こんな状態で、私はコーヒーを全く飲まなくなってしまったのですが、私にとっての大きな転機が訪れます。

スターバックスとの出会いです。

友達に「コーヒー豆を買いたいからつきあって」そう言われ、初めて行ったスターバックス。

当時はまだスタバが珍しく、私はスタバの存在すらその時まで知りませんでした。

そもそも、10代の頃は喫茶店に行くような人ではなかったので、知らないのも当然なのですが。

スタバに連れていってもらった時、お店に入った瞬間、凄い衝撃が走りました。

店内は薄暗く、シックでかっこいい雰囲気。

ジャズが流れていて大人の空間でした。

働いてるスタッフも、イケメンと美女ばかり。

私は、高校が男子校。1年浪人。大学が理系で男ばかりの環境。

全く華のない生活を送っていました。

なので、スタバのあの空間は、自分の今までいた環境と180度違う異空間。

とにかく、衝撃以外の何ものでもありませんでした。

そのとき思ったんです。

こういう環境で自分も働けたら、今までの自分を変えられるかもしれない。

コーヒーは苦手だったけど、スタバで働いてみたいと本気で思いました。

結局、ご縁もあってスタバで働けることになったのですが、あの時スタバに行ってなかったら、もしかしたら今の自分はなかったかもしれません。

人生は、ご縁とタイミングだなとつくづく感じます。

ちなみに、スタバで最初に飲んだコーヒーはキャラメルマキアートでした。

苦いなという印象しか当時はありませんでした笑

苦手から面白いかもに変わる瞬間

スタバでの仕事が始まると研修があるのですが、その1つにコーヒーの飲み比べがありました。

※今あるかはわかりません

コーヒーを3種類、産地が全く違うものを同時に飲み比べます。

コーヒーは苦いという意識しか、当時の自分はもっていませんでしたし、味自体も全然好きではありませんでした。

そんな自分でも、飲み比べると味に違いがあることが明確にわかり、面白いなという感情が芽生えたのです。

コーヒーが苦手な私が、前に0.1歩進んだ瞬間でもあります。

もし、今食べ物でも飲み物でも、何か苦手意識のあるものがある方がいるとしたら、味の違いを感じられるような体験ができると、1歩前に進めるキッカケになるかもしれません。

ちなみに、コーヒーが好きになるのは、この体験からだいぶ先の話です。

意識が変わった

スタバでの仕事に慣れてくると、コーヒー豆の接客を任されるようになりました。

コーヒーに対してはまだ苦手意識がたくさんある状態。

でも、仕事なのでコーヒーのことを知っておかないと、お客様に説明ができません。

なので、コーヒーのマニュアルをひたすら読んで、知識としてはたくさん吸収しました。

その知識を引っさげて、いざお客様の元へ。

自分の知っている知識をフル活用!何とか、おすすめしたコーヒーを購入していただくことができました。

後日、そのお客様が来店し、

「あの時、おすすめしてくれたコーヒー美味しかった。ありがとう!」

そうお声かけしてくださいました。

苦手意識のあるコーヒーでしたが、自分なりに頑張って接客。

それに対して、感謝の言葉をいただける。

今まで、こういう経験をしたことがなかったので、何とも言えない気持ちになったのを覚えています。

とにかく、凄く嬉しかったし自信につながりました。

この時、私は思いました。

「お客様のためにもっと勉強しないと!」

たった1人への接客体験が、意識を大きく変えるキッカケになったのです。

コーヒーに対する苦手意識はまだあるけれど、この人たちのために頑張りたい!もっと勉強しよう。

コーヒーに対する向き合い方が変わった、大きな体験になったのでありました。

コーヒーを通して人とのつながりができた

これは、今の自分の核になってる部分でもあります。

コーヒーの接客を続けていると、顔見知りのお客様も増えていきました。

元々、お話をするのは好きな方なので、コーヒーを通して色々な方とたくさんお話をするようになりました。

お客様の名前を覚えたり、好みの味を覚えたり。

どんどん信頼関係ができていって、コーヒーを通して人間関係が深まっていくことがとても面白かったんです。

こういう体験をしていくうちに、仕事に対しての自信も産まれていって成長につながったと思っています。

ただ、コーヒーは面白い、美味しい!だけだったら、今仕事として携わっていなかったかもしれません。

そこに私と関わってくださった人がいたから、今も働いてこれてるんだろうなと思います。

これから、コーヒーを通してどういう人達との出会いがあるか、本当に楽しみではあります。

ちなみに、この段階で「コーヒーは美味しい」という段階には至っておりません笑

バリスタの世界に触れる

結局、スタバに在籍していた時。

本当に、コーヒーって美味しいなと感じたことは一度もありませんでした。

※こんなこと書いたら怒られるかもしれません……

もちろん、人とのつながりがコーヒーを通してできたので、この体験はとても大きかったのは間違えありませんし、今働くうえでの核になっている部分です。

では、いつコーヒーを美味しいと思うようになったのか。

もう少しだけ先の話になりますので、あとちょっとお待ちください。

30歳になって、スタバを退職に別のお店に転職しました。

そのお店はオーガニックカフェで、全くコーヒーとは関係ありません。

何故、このお店で働くようになったかは、今回は割愛させていただきます。

コーヒーが無くなってしまい、物足りなさをどこか感じるようになっていました。

その時、たまたま出会ったカフェで、初めてバリスタの仕事に興味をもつようになります。

今は無くなってしまった六本木のバール・デルソーレというお店での出来事です。

この日はお正月で、何か温かいものが飲みたいなと思い、ふらっとお店に入りました。

バール・デルソーレは、イタリアンスタイルのカフェで、イタリアといえばエスプレッソやカプチーノがメイン。

なので、私はカプチーノを注文しました。

すると、運ばれてきたカプチーノを見てビックリ!

お正月にちなんでダルマのデザインが!!

しかも、そのダルマには私の顔が描いてあるというオリジナルデザインでした。

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上が、その時描いてくださったラテアートです。

過去に、クマやウサギなどの普通のラテアートは見たことがあったのですが、こういうオリジナルは初めてでした。

僕の顔を見て、そのときの季節に合わせたデザインを瞬時に考えて提供してくださる。

これは、お客様のことを想ってないと絶対できないことです。

だから、わざわざこういうデザインを考えてくださり、しかも行動に移してくださったことに対して、とても感動したのを今でも覚えています。

この時、バリスタってめちゃめちゃ素敵な仕事だなと純粋に思ったし、この仕事いいなと思えた瞬間になりました。

もし、あのときのバリスタさんに出会えるのなら、お礼を伝えたいなと思いますね。

本気でやろうと決めました!

バール・デルソーレでの体験も大きかったのですが、決定的な出会いがその後やってきます。

長野に本店のある丸山珈琲というお店があるのですが、東京に進出してきた時、知り合いに連れていっていただく機会がありました。

丸山珈琲といえば、日本を代表するスペシャルティコーヒー専門店。

この時、私は一度もスペシャルティコーヒーを経験したことがありませんでした。

店内に入ってまずビックリしたのが、賞状やトロフィが棚にたくさん飾られていたところ。

バリスタの大会で多くのバリスタが結果を出し、その時のものが多く飾らtれていたのです。

バリスタの大会があることを、この時初めて知りましたし、凄い世界があるものだとビックリしました。

私はスタバには10年在籍し、それなりにコーヒーのことは知っていたつもりでした。

社内のブラックエプロンの資格も所得していましたのでなおさらです。

私が今まで知っていたコーヒーの世界は本当に狭い世界だった。

外には、まだまだ知らない世界が広がっていることを痛感させられたのです。

そして、丸山珈琲でいただいたカフェラテの味にまたビックリ!

コーヒーとは思えないミルクティーを思わせる味わいがしたんです。

スタバも先程でてきたバール・デルソーレもコーヒーは深煎りで、苦味がメインの味わいがするコーヒーです。

私は、深煎りのコーヒーしか経験がなかったのです。

でも、丸山珈琲の浅煎りのエスプレッソで作ったカフェラテを飲んだ時、今まで経験したことがない衝撃を受けました。

コーヒーは苦くなくて、フルーティーで甘みがある。

このコーヒーを飲んだ時、コーヒーに対する苦手意識が完全に無くなりました。

同時に、コーヒーやバリスタの世界って深いな。やってみたいなと本気で思いました。

そこからが早くて、バリスタを技術を学べる専門学校を探し、すぐに入学を決めました。

そして、今に至ります。

最後に

ここまでちゃんと語ったことなかったので、自分でも良き経験になりました。

長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

自分が将来何をしたいかわからなくて悩んでいる方。

もしかしたらいらっしゃるかもしれません。

でも、見つかるキッカケは実は意外なところにあったりするかもしれませんよ。

とにかく、興味があることが見つかったらまずは考えないでやってみる。

行動し続けることで、何かひっかかるところが見つかるはず。

何度も言いますが、まずは行動。

これは、自分が今までの人生で体現してきたので間違いないです。

この文章が、皆様にとって何かのお役に立てば嬉しく思っております。





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