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#フード 記事まとめ

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レシピやグルメ情報、料理や食文化に関する考察など、食にまつわる記事をまとめていきます。
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2018年10月の記事一覧

美容と健康にもってこいなしゃけ(鮭)の話 粕汁レシピ付き

鮭は不思議な魚北海道ではしゃけって言う人もいる、鮭。秋鮭ともいいますね。鮭は川で産卵・孵化し、海で数年(1-6年)すごしたのち、生まれた川に遡上してくる珍しい魚、、っと言うのはもちろん皆様ご存知の通りです。鮭の生態についてはわからないことが多く、なぜ海に出るのか、なぜ生まれた川がわかるのかなどは、諸説様々有りますが、まだほとんどが解明されていません。 私が育った北海道の田舎では、鮭やマスの遡上はこの時期の風物詩です。海に近い大きな川では、あっちこっちで鮭がはねている光景がみ

至福の一時、とらやの小型羊羹

 十月になり、かなり気温が高くなる日があるとはいえ、 朝晩は肌寒い日も多くなってきて、 そうすると甘いものが恋しくなる。  夏も甘いものは美味しい。 いつだって美味しいが、夏はサッパリした冷たいものが食べたくなる。  気温も湿度も下がってくると、もっと濃い甘いもの、 チョコレートや 餡ものが より美味しく感じるようになる。 夜が長くなってきて、珈琲とチョコレート、あるいは餡ものを手元に お気に入りの本を読むのは至福の一時だ。  チョコレートも様々なものがあるように、 餡

【料理人が『心から美味しいと思う基準』とは】

22で飲食業界に入ってイタリアンレストランで修業して いろんなラーメン店やカフェで働いたりして 10年以上飲食業界で働いてきました。   そのせいなのか、お店に案内するにしても、なにかをご馳走になるにしてもちょいちょい言われるのが 『料理人の人に料理だすの緊張するー』 的なセリフ。  料理人に変なものだしたら海原雄山みたいにキレられるんじゃないとか  普通のものを出したらがっかりすんじゃないかとか  何か味についていろいろ言われるんじゃないか   あたりの理由かなあ、

「材料名がレシピ」は、組合せを自分で編み出せるから面白い #週3レシピ

11/18 追記)週3レシピ 11月編が更新されたので、記事下にリンクを貼りました。 今回は、10月最後の日に駆け込みで、2回分の “つくってみたレポ” と、ここ3ヶ月の所感を合わせてまとめてみようと思います。前回書いた9月前半のつくってみたレポはこちら。 ▶ 9月後半編 ▶ 10月編 ・・・ 8月から山口さんとはじめた「週3レシピ」ですが(経緯はこちら)、やってみて実感したのは、「料理ができない」=「料理の組み立て方を知らない」であり、その方法を教えてもらえば料理の

ゆで卵の作り方のコツは卵を茹でない

料理の基本シリーズです。 ゆで卵についてはこんな記事も書きましたが、今回はイギリスが誇る三つ星シェフ、ヘストン・ブルメンタールさんの作り方の紹介。ヘストンさんは 「完璧なゆで卵(Boiled Egg)をつくるコツは、卵を茹でない(Not Boiled)こと」と言います。 最も知られているゆで卵の作り方は『水と卵を鍋に入れて、沸騰してきたら火を弱めて所定の時間茹でる』というもの。しかし、このレシピには2つ弱点があって、鍋の大きさや水の量という変数を揃えられないこと。また、沸

96.カレーの油は乳化させるべきか分離させるべきか? 問題

油がうまいのは誰もが知っている。カレーだってラーメンだって、その皿や器の中にいる油脂分が味をブーストしているから、僕たちは本能的に油を見つけ、油を感じると期待値が高まるのだろう。特にインド料理店のシェフがおいしいカレーの作り方を誰かに伝授するときは、「油をたっぷり使いましょう」とか「油の量をけちらない」という表現が頻出する。その通りだと思う。僕も料理教室ではこう言っている。 「油と塩は、ある一定量までは増やせば増やすだけおいしいという人は増えると思います」 多くの人に通用する

マナーよりも大切なこと

先日、広島市内で「初心者のためのフレンチを楽しむための会」を開催した。 質問は30?いや50くらいあっただろうか? 良い質問が多くて、僕自身も学びを深めることができた。 痛感したのはマナー教室の弊害。 形式的なマナーばかりを教えているので、本質が伝わっていない。 なぜ、何のためにマナーがあるのかを教えていない。 さらに、マナーとエレガントを混同している。 マナーとは、たまたま同じフロアで食事することになった見知らぬ者同士が、不快な思いをしないようにするためのもの。 つまり

【こんぶ】出汁のイメージが強い昆布をスマホ顕微鏡で観察してみた

こんにちは、世界初お菓子テックカンパニーの柴田愛里沙です。 昆布といえば、お出汁。わたしも大好きです。でも、昆布ってどんな生物なのか、あまり知られていないですよね。食材のことをしっかり理解することは、料理をする上でもとっても大切!! ということで、10月27日に開催された北海道大学で開催されたコンブDAYというイベントに、農学部の先生にお誘いいただき、助っ人として参加しました。 このイベント、昆布の種の保存を目的としており、昆布の理解と認知拡大を目指してます。種の保存と

料理人が教えてくれた、揚げものの油を上手に切るコツ

リンゴ大国アメリカで楽しむリンゴの晩餐会

一番好きなフルーツは?と聞かれたら、あなたは何と答えますか? 私は間違いなく「リンゴ」と答えるだろう。 秋になると、スーパーには沢山のリンゴが並び出す。 そしてリンゴを見ると、幼少期の母親と過ごした日々が頭の中に蘇り、暖かい気持ちになってくる。 リンゴと私と母とあれは、私が小学2年生だった頃。ある秋晴れの日だった。 私は友達と鬼ごっこをして遊んでいた。 私はとにかく負けず嫌いだった。 捕まってたまるか!そんな思いで鬼から必死に逃げていた。 「鬼が近付いてくる!

君は『乱暴ごはん』を知っているか? 〜トマトで白米を煮詰めた物編〜

 知らないのも無理はない。井上が最近勝手に始めて名付けた取り組みだし、みんなは井上のことを知らないから。  井上は「生きる」のがヘタクソだ。部屋が脱ぎっぱなしのズボンや、請求書の残骸で勝手に散らかっていき、よくわからなくなってしまった何かの部品や本の集積地と化したベッドを片付けるのが苦痛で、わざわざ寝袋を引っ張り出してきたりする。母曰く、幼稚園のお泊まり会では、みんなちゃんとお洋服を畳んでエライエライだったのに、井上だけグチャグチャに脱ぎ捨てパンツ丸出しで寝ていたらしい。あ

ちょうど20年前の料理雑誌が出てきました。

本棚を整理していたら、『きょうの料理』(NHK出版)の1998年10月号が出てきました。おお、ちょうど20年前。まさに今のシーズンにぴったりな秋の号です。はて、どんな内容だったか。 デザインというか文字フォントに時代が出ますねえ。今の雑誌もいずれこうなるんだよな。さて秋おかず特集ですが、 ・里芋 ・くるみ ・サケ ・カボチャ ・秋ナス ・イカ ・栗 などなどを使った料理が紹介されています。ヤリイカは晩秋から春先、コウイカは秋から冬が旬なのだそう。 パラパラとめくってまず

なぜ女性は、パンが好きなのか?

仕事柄さまざまな”食べ物狂”に出会いますが(私はベトナム料理狂)、パンラヴァーの熱量たるや半端ないなと、強者に遭遇する度に思ってしまいます。小麦粉を発酵させた炭水化物のかたまり(失礼…!)に群がる人々を見ると、結局人間は糖質をオフすることはできないんだろうなぁと思ってしまいます。 パンへのほどばしる熱量を知っているから「なぜ人はパンが好きなのか?」もっと言うと「なぜ女性はパンが好きなのか?」の考察は避けていました。 阿古真理さんの著書「なぜ日本のフランスパンは世界一になった

ジャガイモの皮剥き、基本+α

「たまねぎのみじん切り、基本と応用」に引き続き、包丁スキルの基本シリーズです。今回はジャガイモの皮剥き。 ジャガイモってゴツゴツしていて剥きづらいと思いませんか? でも、それはジャガイモの選び方にも原因があるかもしれません。日本で最も多く作付けされている品種である「男爵」は表面がゴツゴツして、芽が多いのが特徴で、若干剥きづらいのです。 それもそのはず。男爵芋は明治時代に日本に入ってきて、昭和のはじめに品種指定された古い品種。例えば同じホクホク系の芋でも比較的新しい品種であ