竹内明

TBS記者・モノ書き。著作は『スリーパー 浸透工作員』『秘匿捜査~警視庁スパイハンターの344日』『時効捜査~警察庁長官狙撃事件の深層』『背乗り~警視庁公安部外事二課』『マルトク・特別協力者』(いずれも講談社)など。ノンフィクションから小説まで分野を問わず書きます。

高校生900人に「差別が生み出すモノ」をテーマに授業をした

会社のCSRを担当する部署から「高校生に出張授業をやって欲しい」との依頼を受けた。全学年の生徒900人。人に会うのは記者の仕事のようなものだが、相手はムズかしい年頃だ。咄嗟に「その日、忙しいんです」という逃げの文句が頭に浮かんだ。しかし最終的には引き受けることにした。一緒に授業をするのは日本唯一の全盲の新聞記者・岩下恭士氏。授業のタイトルは「ニュース報道から学ぶ心のバリアフリー」だった。

私はダ

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②麻原彰晃は「詐病」なのか?~23年前、取り調べ室での言葉

(前号までの記事)死刑囚が心神喪失状態にあるときには、刑の執行を停止しなければならない。これは刑事訴訟法に書かれた規定だ。松本死刑囚はいまどんな精神状態にあるのか。次女と三女は2008年まで、変わり果てた父との面会を重ねたが会話はまるで成立しなかったという。松本姉妹はこの十年、面会を求めるが、拘置所から「本人が応じない」ことを理由に断られ続けている。200回以上拘置所に通ってきた姉妹は「父を見せて

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①オウム事件から23年~娘たちが見た父・麻原彰晃

1995年3月20日に起きた地下鉄サリン事件から23年の時が流れた。事件が起きたとき、筆者は霞が関にある東京地裁の記者クラブで勤務していた。車での朝駆け取材(検事の自宅近くで朝、待ち伏せ取材すること)をしていたため、事件に巻き込まれることはなかった。だが、現場に駆けつけた時のあの混乱と恐怖はいまでも脳裏に鮮明に残っている。オウム事件とは何だったのか。本当にすべてが明らかになったと言えるのか。死刑執

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悪名高き白人至上主義者と会ってみた(後編)~トランプ大統領就任から一年のアメリカ

トランプ大統領就任から一年。アメリカでは「白人至上主義者」と呼ばれる集団が跋扈している。「遠いアメリカでの出来事だろう」という見方もある。だが、人種論争に無頓着な日本人だからこそ、彼らの思想を知り、自国に潜む問題を考える必要があるのではないか。ネオナチ政党の指導者マシュー・ハインバック(26歳)の単独インタビューの後編です。

■「白人国家」って?

去年10月、テネシー州で行われた白人至上主義者

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悪名高き白人至上主義者と会ってみた(前編)~トランプ大統領就任から一年のアメリカ

トランプ大統領就任から一年、アメリカがおかしなことになっている。堂々と人種差別を公言する白人至上主義者たちが跋扈しているのだ。どうやら彼らは異人種排除のための理論武装をして、支持を広げているらしい。彼らの論理はどんなものなのか。アメリカのとある田舎町に、悪名高いネオナチの若者を訪ねた。差別される側の日本人の記者として・・・・。

■遅刻してきた男

その男と待ち合わせたのは、インディアナ州ジャスパ

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新証言:首相官邸に迫ったロシアスパイの手口(下)

内閣情報調査室のA氏を欺き、日本政府中枢の機密情報を奪おうとしたロシアのスパイ。その手口を取材するため、私はアメリカに飛んだ。取材に応じた元KGB工作員が、米国人になりすます「背乗り」という手法を暴露。さらには、アメリカ社会を分断する情報攪乱(ディスインフォメーション)工作の実態も明らかになる。

国家の中枢を、時間をかけて篭絡していくロシアのスパイ。
最大の工作対象はアメリカだ。

■竹内明

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