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目つきのするどい勝又くんと、わたし

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勝又くんシリーズをまとめています。
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#エッセイ

目つきのするどい勝又くんと、わたし8.最終回

暮れなずむ夕陽を背に、わたしは息を切らせながら彼の住む公営団地まで走った。 季節が変わり…

目つきのするどい勝又くんと、わたし7

勝又くんと会ってからまもなく、長い夏休みが始まった。 本当なら高校生活初めての夏休みは楽…

目つきのするどい勝又くんと、わたし6

「あんな…うち、勝又くんに伝えたいことがあんねん」と言ったそのとき… ブー 玄関のブザー…

番外編 勝又春子さんのひとり言

「はるこ…はるこぉ」 どこからか声が聴こえる。 ああ、迎えに来てくれたのね… そうして手を…

番外編・勝又くんの憂鬱

皆んなが寝静まったころ… 毎晩窓をそっと開け、ベランダに出ていく。そして冷たい夜風に吹か…

目つきのするどい勝又くんと、わたし5。

勝又くんに会いたい… 勝又くんに会えなくなれば、会えなくなるほど、会いたくて仕方なかった…

目つきのするどい勝又くんと、わたし3

「もう遅いから帰るわよ」 お母さんの呼びかけに、今まで遊んでいた 子ども達が「はーい」と一斉に駆け寄り、 手を繋いで公園をあとにしていた。 午後17時半を報せるチャイムが鳴ったその頃、わたしは先生から渡された地図をもとに、薄暗くなった公営団地の公園にいた。 数匹の虫が公園のチカチカと点滅する電灯に集まってきていた。 「確か、この辺りやと思うんやけど・・」 地図にはこの辺りの団地に丸が書いてあった。 ニュータウンとして40年ほどまえに建てられたこの公営団地。学校から

目つきのするどい勝又くんと、わたし2

初夏になった。 桜の花びらもすっかり散り、青々とした葉っぱが校庭の木々いっぱいに広がって…

目つきのするどい勝又くんと、わたし。

「おいお前聞いてんのか?!」 勝又くんと初めて接点を持ったのはいまから半年前、放課後たま…