目つきのするどい勝又くんと、わたし3
「もう遅いから帰るわよ」
お母さんの呼びかけに、今まで遊んでいた
子ども達が「はーい」と一斉に駆け寄り、
手を繋いで公園をあとにしていた。
午後17時半を報せるチャイムが鳴ったその頃、わたしは先生から渡された地図をもとに、薄暗くなった公営団地の公園にいた。
数匹の虫が公園のチカチカと点滅する電灯に集まってきていた。
「確か、この辺りやと思うんやけど・・」
地図にはこの辺りの団地に丸が書いてあった。
ニュータウンとして40年ほどまえに建てられたこの公営団地。学校から