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花の溢るる森〜初期詩集〜

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高校時代に作成した作品集「花の溢るる森」に収録した作品を、一部修正(歴史的仮名遣いを現代的仮名遣いに、旧漢字を当用漢字に直しています)してまとめています。詩あり、小説あり、俳句あ… もっと読む
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記事一覧

森に眠れる少女

 或るうばたまの夜。久方の月は、眞澄鏡のやうに清らなる光を放ち、かぎろひの春に咲く梅や櫻…

橘井秋霜
2年前
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悲劇の末

一度目の悲劇に 玉かぎる仄かなる望みを抱く 過ちを次の世の鍵にすれば良いのだから 二度目の…

橘井秋霜
2年前
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理想の貴方

縁を嘆かず平まない そんな貴方は美しかった たとえ独りになっても肯えて平まない そんな貴方…

橘井秋霜
2年前
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罪と罰と

罪を犯すことは恐ろしくない 罪を犯したことに気付いてさえいないから しかし漸う罪の意識がほ…

橘井秋霜
2年前
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過ちとは

過ちとは何如なるものだろう 決して許されないもの 過ちとは何如なるものだろう 周りから非言…

橘井秋霜
2年前
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探し難いもの

この世できわめて探し難いもの いさなとるおおうなばらに落とした真珠だろうか この世できわ…

橘井秋霜
2年前
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はじめての恋

自分で自分が解らなくなる 気が付けば目でおい 何時も彼女を見ている自分 自分で自分が解らなくなる 彼女がこないとおもうと 恐ろしくなり 彼女の姿を認めては安んずる 自分で自分が解らなくなる 気が付けば声にみいり 彼女の側に立っている自分 自分で自分が解らなくなる 気が付けば語っており 言の葉は矢のように紡がれる 自分で自分が解らなくなる 爆発するかのこころは 殊の外なることをいわせ 喫驚してしまう行動をさせる 喜び、怒り、悲しみ、楽しみ いまにもあふれんばかりに詰ま

大和歌

なにたてまつらむうたうめかほり いにしへとへど いこたへず     うつらふよにて かは…

橘井秋霜
2年前
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四季の句

春 春が山 睦ましきかむ 宿るかも 春天花 神樂巫女の まひけるや 牡丹雪 光るる結晶 降…

橘井秋霜
2年前
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伊豆沼にて詠める句 五句

伊豆沼や    蓮の浮かべる         鏡かも 蓮の葉ぞ    時のうつらひ     …

橘井秋霜
2年前
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