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知ってる?「PDCA」ではなく「OODA(ウーダ)」

皆さんは「PDCAサイクル」をご存じでしょうか?

Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字を取ったフレームワークです。

では、近年注目を集める「OODAループ」はどうでしょう?


もともとは軍事戦略の分野で活用されていた「OODAループ」


「OODAループ」は、Observe(観察)、Orient(状況判断)、Decide(意思決定)、Act(実行)の頭文字を取ったフレームワークで、主に戦略設計や意思決定の際に利用されます。この考え方は、米空軍の戦闘機パイロットであり軍事戦略家でもあるジョン・ボイド大佐によって提唱されました。

「OODA」は、戦場のように瞬時に変わる状況で、迅速かつ効果的な意思決定と行動を行うための手法です。ボイド大佐は、限られた時間内で最良の行動を選択するために「OODAループ」を開発しましたが、今ではビジネスの世界でも活用されつつあります。

このビジネスでの活用の際、注意したいのは「PDCAサイクル」が悪く、「OODAループ」が万能であるという思い込みです。たしかに「OODAループ」は日々の変化が激しい現場や、小さなチームが柔軟に対応する場合に特に役立ちますが、大きな組織をじっくりと動かしていく際には「PDCAサイクル」の方が適している場合もあります。

こうした使う場面を念頭に置きながら、「OODAループ」が具体的にどのようなものなのかを見てみましょう。

迅速な判断と柔軟な対応:OODAループとPDCAサイクルの違い


最初の「Observe(観察)」では、意思決定者自らが周囲の状況を冷静に見つめます。この際、外部だけでなく内部もしっかりと観察することが肝心です。つまり、チームを取り巻く環境だけでなく、チームや自分自身の状態も注視します。

次に「Orient(状況判断)」です。観察した情報をもとに状況を理解し、これまでの傾向や過去の経験則も活用しながら、判断に必要な情報へと変換します。この段階では、ステップにこだわらずに直感を信じて行動に移ることも重要です。なぜなら、OODAループでは「暗黙誘導・統制」という考え方があり、わざわざ周囲との合意を取ってから意思決定する必要性はなく、むしろ、各自が情勢判断して直接行動することが奨励されているからです。これがPDCAサイクルとの大きな違いと言えるでしょう。

「Decide(意思決定)」では、状況判断の段階で得た情報をもとに、計画や実行方法を具体的に決定します。このときは論理的な判断だけでなく、直感も重視して意思決定を行います。一方で決められない場合は、積極的に「Observe(観察)」に戻り、情報を再収集する柔軟性も求められます。

最後の「Act(実行)」は、文字通り、素早く行動に移すことです。そして、実行後は再び「Observe(観察)」に戻り、同じサイクルを繰り返していきます。

ここまで「OODAループ」の内容を見てきましたが、「PDCAサイクル」も「OODAループ」も、状況によって使い分けることが肝要です。

「PDCAサイクル」は安定した状況や予測可能なときに効果的で、「OODAループ」は変動が激しい状況や未知の場合にマッチするアプローチです。我々が日々活動するビジネスの世界でも、安定した状況のときもあれば、変化が激しい状況のときもあるでしょう。したがって大事なのは、この二つを巧みに組み合わせ、柔軟に対応することだと思います。

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