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コンピテンシーって、スキルと何が違うんだっけ?

人事部に配属され、採用や育成などの仕事を始めると、ふとこうした疑問を持つことでしょう。

コンピテンシーは「行動特性」、スキルは「技能」と訳されますが、具体的にどう違うのか、曖昧な理解に終わることがあります。

何がどう異なるのでしょうか?


コンピテンシーは「どう取り組もうとするか?」、スキルは「何ができるか?」で考える


コンピテンシーは、物事に対して「どう取り組もうとするか?」という問いに対する能力です。例えば、注意深く行動する、自己の状態を正しく認識して対処する、落ち込んでもすぐに立ち直るなど、思考・行動特性に該当するものです。

一方で、スキルは「何ができるか?」という問いに対する能力です。例えば、英語が話せる、プログラムを書ける、経理業務ができるなど、特定の仕事や作業を遂行するための知識や技術を指します。

ただ、こう定義してみても、実際には両者を明確に線引きするのは難しいものです。

人間の能力は、たびたび氷山モデルを用いて階層構造的に説明がなされますが、実際はさまざまな要素が組み合って成立しています。それぞれが複雑に絡み合い、相互に補完し合い、環境に応じて変化します。

したがって、コンピテンシーやスキルなども単純な階層構造では捉え切るのは難しく、氷山モデルをはじめ、こうした分類はあくまで概念的な整理や議論の出発点として活用するのが良いと思います。


そもそも、なぜコンピテンシーが注目されたのか?


とは言え、なぜコンピテンシーが注目されるようになったのか、その背景を知っておくことは重要です。確認してみましょう。

コンピテンシーが注目されたきっかけとして、米国ハーバード大学のD.C.マクレランド教授らの研究が挙げられます。彼らは高業績を達成する従業員を徹底的に調査し、驚くべき事実を明らかにしました。それは、ハイパフォーマーたちは共通の行動パターンや性格特性を備えていることでした。この発見を受けて、"コンピテンシー"という考え方が打ち出され、コンピテンシーが個人の成果に与える大きな影響が認識されました。

この研究を受け、組織は従業員の評価基準としてコンピテンシーを採用し、行動の質を向上させ、成果を最大化しようとする傾向が広まりました。日本でも成果主義の普及とともに、コンピテンシー評価が導入され、多くの企業が育成や採用プロセスに活用しています。

現在、国内では労働力の減少が進行しており、企業は限られた人材を最大限に活用し、組織全体としての成果を最大化する必要があります。そのため、コンピテンシー評価は依然として重要視され、組織にとって価値のあるアプローチとして注目されています。

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