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緩和在宅に深く関わって出てくる疑問!薬剤師の職能以外に必要な4つの技術

 新型コロナウイルスの影響で、入院中家族との面会を禁止としている病院が多く、ここ最近緩和ケアの患者さんが在宅を希望するケースが増えています。

 それとともに、私どもの薬局でも緩和在宅の患者数が増え、関わり方も今までよりもより深くなってきています。

 そうは言っても、医師、看護師とは異なり、看取りの現場に立ち会うことはなく、そのあたりは少し寂しくも感じます。

 患者さんが旅立ちの時を迎えそうになった時には、まず訪問看護師さんが呼ばれ、その後状況をみて医師が呼ばれます。そこに「薬剤師」という選択はないのです。

 深く関わっていればいるほど、看取りの場にも呼んでほしいという気持ちもありますが、それを医師に伝えていいものなのかさえも迷いますし、興味本位で言っていると思われても嫌だなという気持ちもあり、色々な葛藤が渦巻きます。

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一人の患者さんとご家族との出会い

 そんな中、今回一人の患者さん、そしてそのご家族と時間をかけて接する機会がありました。

 医師の訪問時には必ず同行し、それとは別に薬のセットや服薬状況の確認のため訪問し、患者さんから困ったコールがあり臨時で薬が出た際には訪問し服薬説明をしつつ、患者さんと家族の様子を伺ったりしていました。

 そう関わっていく中で、在宅に取り組む際にはいくつか薬剤師とは違った技術が必要だな!と感じてきました。

1.家族が体位変換することが難しい時に、一緒に行う介護技術
2.薬を飲ませる、坐薬をさすといった理論だけではなく実践できる看護技術
3.患者の容態に変化があった場合に生体サインを確認して、状況を正確に医師へ報告できる看護技術
4.シリンジポンプやPCAポンプの簡単な操作ができる臨床工学技士の技術

特にこの4つがここ最近必要だと感じているものです。

今は薬剤師としての職務を全うするのに手一杯で、医師からも看取りに関わることが最近多いので、メンタルを心配されるくらいなので、すぐに技術を学んでいくのは難しいかもしれませんが、少しずつ一歩ずつ前進していきたいと思います。

介護技術であれば、最近ではYoutube動画も増えており、まずはそこから勉強し家族で実践し、もっと学びたいという気持ちが芽生えたら、「介護技術講習会」なるものもあるようなので、学んでいきたいと思います。

服薬に関する、「薬をのませる」、「坐薬をさす」等は、子供の薬で経験済みだったものの、緩和ケアの患者さんに行うとなると、体動により痛みが伴ったり、サイズ感も全然違います。これはもう経験で補っていくしかないと思うので、これからのがんばりどころですね。

急変時の生体サイン確認。これは、薬剤師が行うバイタルサイン講習会とはまたチェックするポイントが違うのかな?と感じます。
バイタルサインは多くの患者で死亡当日まで正常とも言われています。
■比較的早期のチェック項目
・嚥下能力
・意識レベル
・PS(パフォーマンスステータス)
■直前
・尿量減少
・鼻唇溝の低下
・PPS20%以下(ADL、経口摂取、意識レベル)
・死前喘鳴
・下顎呼吸
・チェーンストークス呼吸
・四肢のチアノーゼ
・橈骨動脈の触知不可

他にも沢山あるのでしょう。今の私にはよくわからないものばかりです。

医療機器の勉強。これは、病院が不定期に行っている研修会で学ぶことができるので、コロナ禍があけた際には是非参加して習得したいと考えています。

技術については、この4つですが、医師から患者さんの看取りが終わったあとに言われた「グリーフケア」という言葉も私には耳慣れない言葉でした。

とにかく、わからないことだらけという状態です。

グリーフケア

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グリーフ(悲嘆)とは、喪失に対するさまざまな心理的・身体的症状を含む、情動的反応であり、心身症状を伴う症候群とも言われます。

主に遺族ケアに対して用いられる言葉です。

主にどういったことを?と考えてみても一言であらわせないくらい沢山ありそうで、遺族の状況によってもまた異なってくるようです。

一般的に身体的疾患や精神疾患(うつ病など)につながらないようにするための予防医学的な観点を持っていて、正常な心身の機能を回復させ、こうした種々のリスクの低減を図ることがケアの目標として挙げられています。

 今回はグリーフケアの本を1冊読み、noteに掲載されている記事でグリーフケアのタグ検索をしてヒットしたものを順番に読み、遺族のもとへお亡くなりになってから7日目以降に訪問しましたが、あまり役には立たなかったかもしれません。

やったことといえば、

・看取り翌日に残薬を回収する旨を伝えていたお薬をお預かりした
・仏壇にお供え物をして、手をあわせてお参りした
(花は沢山あったので、迷いましたが花にしなくてよかったです)
・その後家族とお話
ー看取りのときの患者さんの状況、家族の気持ちを傾聴
ー看取りまでのケアのお話を傾聴
ー訪問中に聞いていた患者さんの昔話について話をする
ー看取り数日前に家族の方と一緒に体験した時間について語る
ー患者さんが意識がもうろうとする中で家族に語りかけていた感謝の言葉を思い出し伝える
ー誰から見ても一生懸命お世話できていたという事を伝える
ー今の生活スタイル、今後行っていきたいことなどをお聞きする
ーまた49日過ぎたくらいに来ることを伝える

こんなとりとめもない話で終了しています。

また、49日が過ぎた頃に訪問し様子を伺いたいと思っています。

今後、グリーフケアについてはコミュニティがあると思うので、機会をみつけて参加していきたいです。

さいごに

ここ最近は、忙しさと患者さんの看取りが続き、少し体力的なのか精神的なのかわからない疲れを感じ、仕事から帰宅すると居間で横になって気づいたら眠ってしまい、夜中1時とか3時とかに目覚めてそのまま朝まで起きていてまた出勤するということが続いていました。

どこかで気持ちを切り替えて、リフレッシュしながら長く続けていければいいなと心の中では思っております。

さいごまでお読み頂きありがとうございました!

今回は自分の体験、思い、感じたことをそのまま文章にしてみました。

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